1990年における丸刈り校則実施状況
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「丸刈り校則」の記事における「1990年における丸刈り校則実施状況」の解説
1990年(平成2年)、神戸弁護士会が10月18日現在の都道府県庁所在都市について調査したところ、以下のような結果が出た。 福島市および鹿児島市では、全中学校で丸刈り校則を実施。 神戸市では、81校中78校で、95%以上の学校で丸刈り校則を実施。 宮崎市では18校中14校、静岡市では27校中18校、佐賀市では9校中6校、那覇市では17校中10校、徳島市は15校中8校と、過半数の中学校で丸刈り校則を実施 山口市では11校中4校、青森市では20校中7校、福井市では21校中6校、松山市では26校中7校、岡山市は34校中9校と、4割以下2割以上の中学校で丸刈り校則を実施している。 福岡市では64校中12校、大阪市では129校中24校、熊本市では27校中5校と、2割未満1割以上の中学校で丸刈り校則を実施している。 山形市では15校中1校、富山市では18校中1校、名古屋市では105校中5校、広島市では59校中2校、東京都23区は431校中4校と、1割未満の中学校で丸刈り校則を実施している。 札幌市、盛岡市、仙台市、秋田市、水戸市、宇都宮市、前橋市、浦和市、千葉市、横浜市、新潟市、金沢市、甲府市、長野市、津市、大津市、京都市、奈良市、和歌山市、鳥取市、松江市、高松市、高知市、長崎市、大分市では、いずれも丸刈り校則実施の中学校は無い。 都道府県庁所在都市全体では、13%ほどの中学校で丸刈り校則を実施となった。 神戸弁護士会が合わせて行った都道府県に対する調査では、以下のような結果が出た。 東北地方の秋田県と山形県、岩手県、宮城県では、いずれも3割以上5割以下の中学校で丸刈り校則を実施している。 福島県では、1991年4月時点で、92%ほどの中学校で丸刈り校則を実施している。 静岡県では、9割以上の中学校で丸刈り校則を実施している。 1991年(平成3年)4月、この時点では群馬県高崎市・藤岡市・安中市の公立中学校では丸刈り校則が実施されていた。 1992年(平成4年)3月、丸刈り校則と戦った当事者のレポート、手記をまとめた『全国縦断 丸刈り強制イヤです!』が刊行(編者は森山昭雄)。 1993年(平成5年)、文部大臣赤松良子が、中学生の丸刈り指導問題について「丸刈りは戦争中の兵隊を思い出しゾッとする」と発言し、のち発言撤回する。このころから、日本各地で丸刈り校則見直しの動きが加速される。同年、福島県立医科大学教授の加藤清司ほかにより「男子中学生に対する『丸刈り』指導の効果に関する研究」が出される。相関係数を用いて実証的に、丸刈り指導効果を検証した。丸刈り強制率と少年窃盗犯検挙人割合との相関係数が正となり、丸刈り校則による非行防止の効果を否定したものとなった。 1994年(平成6年)7月、この時に丸刈り校則が皆無な都道府県は、北海道、東京都、埼玉県、神奈川県、新潟県、京都府、愛媛県、香川県の8都道府県である。前年は北海道、神奈川県、京都府だった。また、11府県で1割以下となっている。丸刈り強制3割以下(皆無も含めて)は32都道府県に及び、1993年から1994年の1年間で大幅に見直しが進んだ。(朝日新聞平成6年7月16日) 1995年(平成7年)、神戸市の中学校での男子生徒に対する丸刈り校則全廃が達成される。1990年ごろまでは、ほとんどの神戸市の中学校で丸刈り指導が行われていた。 1996年(平成8年)、鹿児島県弁護士会は、鹿児島県伊仙町立伊仙中学校の校長に「丸刈りの規制と指導は憲法・ 子どもの権利条約・教育基本法のいずれにも抵触し、子どもの基本的人権を著しく侵害するのですみやかに廃止するよう」勧告する。丸刈り指導拒否して通学した男子中学生に、別室での説得活動その他の強い指導が行われ、転校を余儀なくされたという事例があった。 1997年(平成9年)2月22日、最高裁判所は小野市在住の小学生および代理人の「小野市立小野中学校の丸刈り校則無効確認」の訴えを棄却した高裁判決を支持して、上告棄却とした。ただし高裁判決理由で「丸刈り校則は単なる心得であって守る法的義務はない」と確認されている。 1999年(平成11年)、大阪市の中学校での丸刈り校則全廃が達成される。ちなみに、大阪市の中学校の10校ほどが、1990年代になっても丸刈り校則を維持していた。
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