1990年のWSPC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/19 07:23 UTC 版)
「トヨタ・90C-V」の記事における「1990年のWSPC」の解説
1990年のWSPCには前年に続いてトムスGBが参戦した。開幕戦の鈴鹿のみJSPC開幕戦で優勝したばかりのトムスがエントリーし、36、37、38号車の3台が出場した。38号車はサードがマシンメンテナンスを行った。エンジンは37号車のみR32Vで36、38号車はR36Vを使用した。予選では36号車が1位でトヨタは2年連続のポールポジションを獲得し、38号車が予選3位、37号車は予選6位を獲得した。決勝では36号車がスタートでリードを築き序盤ジャガーと首位争いをするが、後半は燃費が厳しくなり後退した。サード90C-Vは好調でメルセデス、ジャガーに次ぐ5位を走行した。レース終盤ジャガー、ニッサンと3位争いを繰り広げるがペナルティを受け後退し、その後ガス欠でリタイアした。37号車はエンジンの不調で20位に終わった。唯一完走した36号車が4位に入賞した。 鈴鹿以降の欧州ラウンドに入ってからは89C-Vと併用される形での参戦となったが、安定した性能を発揮できず、ポイント獲得はならなかった。シリーズランキング8位はポルシェを使用するプライベートチームにも劣る成績だった。 このマシンの開発における最大の失敗は、話し合いによってマシンの寸法を決め、特にホイールベースの数値は意見が分かれた際に話し合いで妥協して決定した値を採用したことにある。これにより操縦性に悪影響を及ぼしたため、特に雨のレースでは安定性に欠けるものとなった。また、専門家からはフロントのサスペンション・アームをそのまま移植したようなリヤサスペンションのレイアウトにも疑問がもたれていた。
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