1960年代から1990年代
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「ニューヨーク公共図書館本館」の記事における「1960年代から1990年代」の解説
1960年代に本館の軽い修理が行われた。市政府は、1960年に本館収蔵庫に消火用スプリンクラーを設置する資金を割り当てた。1964年には1階の南廊下の上に新しい階を設置し、天窓を交換する契約が結ばれた。1965年までに本館は700万冊の本を収蔵していた。本館の書架は1960年代半ばまでに88マイル(142キロメートル)を超えていた。 本館の循環図書館は拡大を続け、1961年にニューヨーク公共図書館は循環図書館のための新しい施設を探すために6人の図書館員のグループを招集した。1961年、本館の斜向かい、5番街と東40丁目の交差点南東の8 東40丁目にあったアーノルド・コンスタブル・アンド・カンパニーのデパートがニューヨーク公共図書館に買収された。図書館は1964年にデパートの4階から6階をリースし始めた。1970年に新しい循環図書館であるミッド・マンハッタン図書館がデパート脇のスペースに一時的に作られた。本館は非常に混雑しており追加の来館者を収容することが難しくなっており、子供向け図書はスペースが確保できないことから閉鎖されていた。ニューヨーク公共図書館システムの主要な循環施設となることを意図した新しい分館は、70万平方フィート(6,500平方メートル)の床面積を持ち、35万冊の書籍のほか本館で配置されなくなった子供向け図書を収蔵することができるようになった。この時点で本館の循環図書館の機能はミッド・マンハッタン図書館に移行された。その後、1981年にミッド・マンハッタン図書館は仮スペースから旧デパートの建物に移った。 1970年代、ニューヨーク公共図書館は全体として経済的なトラブルを抱えていたが、追い打ちをかけるように1975年にニューヨーク市の財政危機が起こり更に悪化してしまった。コスト削減策として、1970年に図書館は日曜祝日に本館を休館することを決定した。図書館はまた、1971年末に本館の科学技術部門を閉鎖して経費の削減を行ったが、民間からの資金の寄付により1972年1月に部門を再開することができた。本館正面出入口前の2つのライオン像は1975年に修復された。 カタログ室は1983年から修復が開始された。その多くがボロボロになっていた1000万枚のカタログカードは、6年間で330万ドルの費用で作成されたコピーに置き換えられた。その後、1994年にニューヨーク公立図書館に1000万ドルを寄付したファッションデザイナーのビル・ブラスの名をカタログ室に冠するようになった。他の部門は1980年代の間に追加された。1986年にプフォルツハイマー・コレクションが、1987年に芸術・プリント・写真を収蔵したワラック部門が追加された。 1980年代後半、ニューヨーク公立図書館は本館の収蔵庫をブライアント・パーク地下に向けて西側に拡張することを決定した。このプロジェクトには2,160万ドルの費用がかかると見込まれ、本館史上最大の拡大プロジェクトとなった。拡張工事は1987年1月に市の芸術委員会に承認され、1988年7月に工事が開始された。拡張工事にあたってはブライアント・パークを閉鎖し開削作業を行う必要があったが、ブライアント・パーク自体も老朽化が進んでいたため拡張工事にあわせて公園のリニューアル工事も行われることになった。12,000平方フィート(11,000平方メートル)の収蔵庫が新たに建設され、収蔵庫内に84マイル(135キロメートル)の本棚が設置され本館の収蔵可能冊数は拡張前の約2倍となった。新しい収蔵庫と本館の間は120フィート(37メートル)のトンネルで結ばれている。収蔵庫とトンネルが完成するとブライアント・パークは完全に再建され、ブライアント・パーク地上と収蔵庫天井の間は2.5 - 6フィート(0.76 - 1.83メートル)となっている。拡張工事は最終的に2,400万ドルの費用を掛けて1991年9月に終了したが、計画における2つの収蔵庫の内の1つしか建設されなかった。1989年から再建されたブライアント・パークは1992年半ばに解放された。 中央閲覧室は改装工事のため1997年7月に閉鎖された。中央閲覧室は16ヶ月間かけて修復され、1998年11月に修復が終了し解放された。修復作業では天井の清掃と再塗装、窓の清掃、木材の再仕上げ、室内の仕切り壁の撤去、60台の電気スタンドの交換、省エネな窓ガラスへの取り替えが行われた。中央閲覧室は、改装にあたって1,500万ドルを提供した人物の子供にちなんでローズ中央閲覧室と改名された。また、1998年にニューヨーク州政府はコンピュータなどの技術サービスを本館に導入するための資金を割り当てた。本館のサウスコートにあったバンガローは同年解体されている。
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