ローズ中央閲覧室
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/13 03:20 UTC 版)
「ニューヨーク公共図書館本館」の記事における「ローズ中央閲覧室」の解説
本館のローズ中央閲覧室 (Rose Main Reading Room) は3階の315号室にある。ローズ中央閲覧室はグランド・セントラル駅の中央コンコースとほぼ同等の広さで、78×297フィート(24×91メートル)の高さは52フィート(16メートル)である。元々はルネサンス建築の建築様式であると言われていたが、現在はボザール様式であるとみなされている。中央閲覧室は1998年から1999年にかけて改装されローズ中央閲覧室に改名され、2016年には天井のさらなる改装が行われた。部屋は2017年にニューヨーク市歴史建造物に指定された。 部屋はスペースを水平に分割する書籍の配達デスクによって同じ大きさの2つのセクションに南北に分かれている。机はオーク材で作られており、トスカーナ式の脚で支えられている。閲覧室北側は原稿・アーカイブ閲覧室に、南側は芸術・建築閲覧室に繋がっている。なお、写真撮影は南側の一部でのみ許可されており、北側を撮影することはできない。 閲覧室の机は中央の広い通路の両側に2列で配置されており、木製の椅子と机の上に4つの真鍮製ランプが等間隔に設置されている。元々は768席あったが、現在は624席に削減されている。図書館の職員が与えられた座席番号の席に本を配達できるように各テーブルの各スポットには番号が割り振られている。また、図書館の書籍の検索やインターネットへのアクセスが行えるデスクトップパソコンや、ノートパソコン用の充電機械も備え付けてある。読者は図書館の閉鎖収蔵庫から示された座席番号に配達された書籍を、研究するためのフォームに記入することができる。また、研究のために図書館を利用した著名な作家や学者のために名付けられた特別な部屋がある。部屋の外周の床とバルコニーに沿って設置された本棚に参考図書が並んでいる。本館の開館時には、本棚には約25,000冊の自由に閲覧可能な参考図書があった。 中央閲覧室は大きな窓と壮大なシャンデリアによって照らされている。壁面には18の大アーチがあり、うち15のアーチには採光用の窓が嵌め込まれている。窓のあるアートのうち9つが西のブライアント・パークに、6つが東の5番街に面している。他の3つのアーチは公共カタログ室との壁を形成しており、その中央のアーチには公共カタログ室に面した窓がある。中央閲覧室には2列に並んだ18のシャンデリアが吊り下げられている。開館時は電灯は白熱電球で図書館自身の発電機で発光させていた。シャンデリアは円形に並んだ電球が4列あり、逆円錐状に配置されている。 天井は漆喰で塗装されており、金色の木を模している。クレー・トムソン社が天井を塗装した。マタイ・ポスタルによると作品には、"智天使に周りを囲まれた一幅のカルトゥーシュ、翼を持つ裸の女性、天使の頭、サテュロスのマスク、果物の花瓶、葉状の造形物、および換気グリルを隠すもの" (scroll cartouches bordered by cherubs, nude female figures with wings, cherub heads, satyr masks, vases of fruit, foliate moldings, and disguised ventilation grilles) が含まれている。天井には1911年にジェームス・ウォール・フィンによって描かれた3部構成の壁画が組み合わされて飾られた。壁画の元の外観の明確な写真は残されていないが、現在の顕現の壁画は雲と空を表している。1998年に天井が修復された際、元の壁画は残すことができないと判断され、代わりにヨハネス・アイニーの描いた壁画が飾られた。天井は2014年から2016年にかけて再び修復された。 中央閲覧室への出入口には大きな円形のペディメントがある。これは他の閲覧室の入口にある小さい三角形のペディメントとは対照的である。ドアノブや蝶番などにも複雑な金属細工が施されている。中央閲覧室と公共カタログ室の床は赤のタイルで構成され、タイルの間には大理石の舗装が施されている。大理石の舗装は通路の境界を定めている。
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