2010年代:さらなる改修
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「ニューヨーク公共図書館本館」の記事における「2010年代:さらなる改修」の解説
本館の改装工事が行われていた2010年までに、ニューヨーク公共図書館は2008年の大不況の影響を受けて分館のスタッフと予算を削減した。2012年には中央図書館計画が発表された。この計画では近くのミッド・マンハッタン図書館と科学・産業・ビジネス図書館が閉鎖され、本館が循環図書館となることとなっていた。計画の一環としてプリンストン大学やコロンビア大学と共有されているニュージャージー州のリサーチ・コレクション・アンド・プリザベイション・コンソーシアム (ReCAP) には100万冊以上の書籍が保管されていた。何人かの批評家は訪問者が本館の研究施設をもっと利用できるようにする動きとして計画を賞賛したが、また別の人は計画を"文化的破壊行為"として否定している。計画に対する抗議の書簡に学者が署名し、プリンストン大学歴史教授のアンソニー・グラフトンは「本を読みたい読者はしばしば事前にそれを注文しなければならない、そして読者がここで時々行うように実際の配達時間は宣伝されたものより遅い。(readers who want to consult a book will often have to order it in advance—and may find, as readers sometimes do here, that real delivery times are slower than advertised ones.)」と述べている。中央図書館計画は反対意見が多かったことから2014年5月に撤回された。その後、アビー・ミルスタインとハワード・ミルスタインからの800万ドルの寄付により、ブライアント・パーク地下の収蔵庫の改修資金が確保でき収蔵可能冊数が増加した。 2014年5月、ローズ中央閲覧室の天井にある"金色の石膏ロゼット"の1つが床に落ちた。ニューヨーク公共図書館は修復工事のためにローズ中央閲覧室と公共カタログ室を閉鎖した。1,200万ドルの費用を掛けて行われた修復プロジェクトでは、ロゼットの修復とスチールケーブルでの支持、そしてLED照明の取り付けが行われた。ニューヨーク公共図書館はエバーグリーン・アーキテクチュラル・アーツに、105年の歴史の中で"修復不可能な変色、重ね塗り、および水害"を受けたビル・ブラス公共カタログ室の壁画を再現するように依頼した。ニューヨーク公共図書館はまた、老朽化したチェーンリフト式ブック・コンベア・システムを"ブック・トレイン"を使用した新しい配達システムに置き換えた。修復されたローズ中央閲覧室とビル・ブラス公共カタログ室は2016年10月5日に解放された。 2017年8月、本館は42丁目で暫定的な循環図書館を開設した。仮循環図書館にはミッド・マンハッタン図書館に収蔵されている一部の書籍が収蔵されているが、ミッド・マンハッタン図書館は2020年に終了する予定の改装工事のために閉鎖されている。ミッド・マンハッタン図書館の写真集も一時的に本館に移された。 2017年11月、ニューヨーク公立図書館理事会は本館の3億1,700万ドルのマスタープランを承認した。これは本館開館史上最大の改装工事となる。建築会社メカーノーとベイヤー・ブラインダー・ベルによって設計されたこの計画では、公的に利用可能なスペースを20%増やし、40丁目に面する新しい出入口を追加し、高校生や大学生のための研究学習センターを設立し、展示会や研究者のためのスペースを広げることになった。計画承認時には3億8,000万ドルの資金が調達されており、2021年に改装が終了する予定である。改装工事は2018年7月に始まり、2階には学者の中心地であるアスター室とレノックス室が建設された。2019年3月、歴史建造物保存委員会は40丁目の出入口の建設を僅かに修正して承認した。
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