財閥の起源とは? わかりやすく解説

財閥の起源

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 06:27 UTC 版)

三菱財閥」の記事における「財閥の起源」の解説

三菱財閥は、俗に三井住友とともに三大財閥であるが、三井住友三百年以上の史を持つ旧家なのに対して三菱明治期政商として巨万利益得てその礎を築いたという違いがある。 最初に弥太郎巨利を得るのは、維新政府樹立し全国統一貨幣制度乗り出した時のことで、各藩発行していた藩札新政府買い上げることを事前に察知した弥太郎は、十万両の資金都合して藩札大量に買占め、それを新政府に買い取らせて莫大な利益を得る。この情報流したのは新政府高官となっていた後藤象二郎であるが、いわば弥太郎最初から、政商として暗躍した弥太郎明治維新前後の土佐藩商事部門実質的に担ったが、明治政府政策沿って土佐藩商事部門から撤退余儀なくされるとそれを引き継ぎ海運業主業とした。土佐藩坂本龍馬近江屋井口新助邸で暗殺されたことで解散した海援隊後身として、大阪市西区堀江土佐藩蔵屋敷現在の土佐稲荷神社付近)で始めた九十九商会監督弥太郎1870年任じた。さらに翌年廃藩置県後九十九商会個人事業となった弥太郎は県から土佐藩所有の船三隻を買い受け1873年三菱商会改称し海運商事中心に事業展開した弥太郎は、当時欧米海運会社独占していた内外航路から外国汽船会社駆逐するため明治政府保護受けて郵便汽船三菱会社」と改称し1875年日本上海間の定期航路開き荷為替金融開始するなどして激し運賃競争の末に米国パシフィックメイル(en:Pacific Mail Steamship Company) 汽船会社英国P&O汽船会社撤退させることに成功し、さらに西南戦争1877年)の際には軍事輸送主役務めさらなる巨万の富を掌中にする。 商会はこの戦争政府側の軍隊軍需品輸送一手引き受けたばかりか戦争終結残った軍需品処分までまかされ一挙に莫大な利益を得ることになった政府西南戦争支払った戦費は4,150万円といわれるが、そのうち1,500万円三菱儲けだった。しかし、その裏には後藤象二郎通じてときの最大権力者大久保利通大隈重信といった政府要人後ろ盾があったことは言うまでもない大隈重信岩崎弥太郎癒着糾弾した大熊退治海坊主退治」の風刺画は有名である。(ちなみに三井財閥は、長州閥の伊藤博文井上馨品川弥二郎らに肩入れして対抗していた)。 だが、政商として膨張する三菱に対して世論批判持ち上がった。そんなさなか弥太郎後援者だった大久保利通1878年暗殺され紀尾井坂の変)、1881年には大隈重信失脚する明治十四年の政変)。勢いをえた長州閥と三井ここぞとばかりに三菱バッシング打って出た。その最大のものが、海運業独占していた三菱に対して政府音頭を取って財界人渋沢栄一三井八郎右衛門大倉喜八郎政商結集して設立した半官半民共同運輸会社だった。三菱共同運輸との海運業をめぐる戦いは、1883年4月から2年間も続き運賃競争開始以前10分の1にまで引き下げられるというすさまじさだった。 こうしたさなか、幕末維新激動のなかを風雲児として駆け抜け弥太郎病死する死後三菱共同運輸共倒れ恐れた政府調停にたち、両社合併して日本郵船発足1885年9月資本金1,100万円、うち岩崎家出資金500万円)させて、この死闘終止符をうった。明治18年弥太郎亡くなったあとは、三菱重鎮として、岩崎一族には、弥太郎従弟豊川良平近藤廉平(妻が豊川良平の妹)、弥太郎の姪姉妹を妻とした荘田平五郎各務鎌吉などがいた。この豊川良平近藤廉平荘田平五郎のほかに、末延道成加えた4人が、弥太郎亡きあとの三菱発展大い貢献し、“三菱四天王”といわれた。 弥太郎のあとを受けて三菱総帥となったのが弥之助である。弥之助三菱事業を「海から陸へ」と方向転換しそれまで副業としていた高島炭鉱吉岡鉱山第百十九国立銀行長崎造船所地所千川水道会社など発展に力をそそぎ、そのための新組織として「三菱社」を創設する。いわばこれが後の財閥形成の基になった1893年三菱合資会社設立して岩崎家家産事業とを分離し、この時点三菱総帥地位は兄弥太郎長男岩崎久弥継ぎ、さらに大正5年弥之助長男岩崎小弥太引き継がれ終戦迎えることになる。 このように三菱財閥弥太郎弥之助兄弟家系世襲し、同族発展したことから、「独裁政治と言われるちなみに三井は「番頭政治」、住友は「法治主義と言われている。

※この「財閥の起源」の解説は、「三菱財閥」の解説の一部です。
「財閥の起源」を含む「三菱財閥」の記事については、「三菱財閥」の概要を参照ください。

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