政商とは? わかりやすく解説

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せい‐しょう〔‐シヤウ〕【政商】

読み方:せいしょう

政府政治家結託して特別な利権得ている商人


政商

読み方:セイショウ(seishou)

明治維新後に政治家結託して政治左右しがちであった商人


政商

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/13 23:45 UTC 版)

政商せいしょう)とは、政府つまり政治家(政治)や官僚(行政)とのコネ癒着(官民癒着)により、優位に事業を進めた事業家、あるいは企業グループのこと。江戸時代には、御用商人(ごようしょうにん)と呼ばれた。戦前日本財閥はその代表例である。

概要

明治時代には、西洋諸国に対抗し、産業資本主義育成により国家の近代化を推進した政府の殖産興業政策を事業に結びつけた政治家、事業家、企業特殊会社を含む)である。

狭義では明治時代に登場したこのタイプの事業家を意味する場合がある。「政商」という語を初めて用いた山路愛山は、『現代金権史』(1908年)の中で「政府自ら干渉して民衆の発達を計るに連れて自ずから出来たる人民の一階級あり。我等は仮りに之をなづけて政商という」と定義し、「特別の時世に出来たる、特別の階級」と評している[1]。 揖西光速は著書『政商』の中で明治期の政商を次の3つのタイプに分類している[1]

  1. 三井住友鴻池など、幕政時代の御用商人がそのまま発展したもの
  2. 岩崎安田川崎藤田大倉など、低い身分から出発し、動乱に乗じる形で発展したもの
  3. 渋沢五代など、明治政府の官僚が転身し、他の政商の世話役的なポジションについたもの

殖産興業政策によって政府の回りには多くのビジネスチャンスが発生したが、明治時代の初期には金融機関が商工業者に融資する銀行制度が発達しておらず、大口の投資を行えるのは実質的に大資産家か政府だけであった[1]。当時の政府には租税の徴収機構が無く、その業務を金融業者に委託していた。金融業者は集めた租税を政府に納めるまでの間、無利子の資金として運用する事ができた。政府が興し試行錯誤を経た官営事業の多くが民間に払い下げられ、実業家の出現を促した。また、明治時代初期は政策や政令が目まぐるしく変化することから、官僚とのパイプを持つ人物が優位に立ちやすい環境にあった[1]

昭和時代(戦後)には語意は若干変化し、政治家から何らかの合法非合法・脱法的な利権を受ける企業及び経営者を揶揄する言葉にもなった。

有名な政商(財閥を除く)

※は過度経済力集中排除法の指定を受けた企業グループ

明治 - 大正 - 戦前昭和時代

戦後昭和時代

平成・令和時代

脚注

注釈

  1. ^ 三菱財閥の九州進出に関与。

出典

  1. ^ a b c d 宮本又郎『企業家たちの挑戦』中央公論新社〈日本の近代〉第11巻1999年、ISBN 4-12-490111-9 pp.137-144.
  2. ^ “萩原吉太郎氏(北炭元会長、札幌テレビ時放送前取締役相談役)死去=北海道”. 読売新聞. (2001年8月9日) 
  3. ^ “小佐野 賢治氏(国際興業者主)死去 ロ事件、国際興業コンツェルン”. 読売新聞. (1986年10月27日) 
  4. ^ “小針 暦二氏(福島交通会長)死去 「東北の政商」と言われたグループ総帥”. 読売新聞. (1993年11月8日) 
  5. ^ 報酬54億円 “政商”オリックス宮内元会長がやってきたこと
  6. ^ 牧太郎の青い空白い雲:/822 「五輪廃止!」と言ったら“政商主義者・竹中平蔵”に叱られる?”. 毎日新聞. 2021年7月7日閲覧。

参考文献

  • 『日本政商史』(坂本藤良著、中央経済社、1984年)

関連項目

外部リンク


政商

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 00:43 UTC 版)

山下亀三郎」の記事における「政商」の解説

山下は、同じ愛媛県出身海軍軍人秋山真之とも親し間柄であった。喜佐方購入直前山下秋山から、「日露開戦近し」の情報入手していた。戦争になると民間船舶徴用される。また徴用船傭船価格一般価格よりも有利であることは、日清戦争時の経験から知っていた。この秋山からの情報により山下成功駆け上がることになる。 山下は喜佐方丸を購入すると早速、近親古谷久綱(元伊藤博文首相秘書官)を通じて1903年明治36年12月徴用船指定を受ける。しかし、この時の佐方丸は、三井物産依頼積荷石炭載せて上海出航する直前長崎県佐々港にいた。上海往復している間に徴用船指定解除されたら大変だと、三井大阪支店長・福三郎事情話して了解求めておき、横浜帰って石炭陸揚げして処置をつけ、喜佐方丸は海軍引き渡した。こうして、無事、喜佐方丸は納期までに海軍届けられた。これに勢い得て1904年明治37年第二佐方丸を購入直ち海軍徴用船として提供する。さらに他社貨物手配し他社船でこれを運送する海運オペレーション分野にも進出する

※この「政商」の解説は、「山下亀三郎」の解説の一部です。
「政商」を含む「山下亀三郎」の記事については、「山下亀三郎」の概要を参照ください。

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政商

出典:『Wiktionary』 (2021/01/31 09:53 UTC 版)

名詞

せいしょう

  1. 政府政治家結託して、特別利益得ている商人



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