浄光明寺境内・冷泉為相墓とは? わかりやすく解説

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浄光明寺境内・冷泉為相墓

名称: 浄光明寺境内・冷泉為相墓
ふりがな じょうこうみょうじけいだい・れいぜんいためすけはか
種別 史跡
種別2:
都道府県 神奈川県
市区町村 鎌倉市扇ヶ谷
管理団体
指定年月日 1927.04.08(昭和2.04.08)
指定基準 史3,史7
特別指定年月日
追加指定年月日 平成19.02.06
解説文: 淨光明寺ノ後ナル丘陵ニ在リ爲相ハ永仁三年鎌倉下リ嘉暦三年此ノ地ニス今ノ墓石徳川光圀ノ建ワルナリ高サ六尺三寸寶筐印塔ニシテ玉垣周ラン墓域内ニ数基ノ石燈籠アリ
 冷泉為相墓は、神奈川県南東部位置し鶴岡八幡宮境内西側扇ガ谷の支谷、泉ヶ谷の浄光明寺境内所在する昭和2年浄光明寺境内阿弥陀堂裏山平場石塔冷泉為相墓として史跡指定した。石塔南北朝時代様式良く示す宝篋印塔である。冷泉為相は、所領等をめぐる相論のためにしばしば鎌倉下向した。この間執権北条貞時将軍久明親王主催歌会にたびたび出席し武士達に和歌連歌教授し鎌倉歌壇隆盛導いた浄光明寺境内北側ガ谷に住し藤谷殿、藤谷黄門とも呼ばれた。「御子左家系図」では嘉暦3年(1328)に鎌倉で、「常楽記」では京都じたとあり、のちに最大支援者であった北条氏所縁浄光明寺境内一角墓所営まれ今日まで同寺によって手厚く維持されてきた。
浄光明寺は、古義真言宗泉涌寺派寺院で、亀ヶ谷坂仮粧坂押さえる泉ヶ谷の入り口部に位置する建長3年(1252)、北条時頼長時発願により真聖国師真阿開山として創建された。開基6代執権北条長時で、重時流北条氏菩提寺である。はじめは念仏持戒の寺であったが、後に浄土華厳真言・律・天台・禅の兼学道場となり、中世鎌倉における仏教教学中心一つとなった
足利尊氏正室登子が(重時流赤橋守時の妹に当たることから、足利氏との関係も深く建武新政の際には成良親王祈願所となり、足利尊氏直義帰依を受け、寺域安堵寺領寄進された。室町時代には鎌倉公方保護を受け、足利基氏・氏満の分骨祀り直義位牌伝え足利氏菩提寺一つとなった
追加指定根拠は、元弘3年(1333)5月から建武2年(1335)12月までの間に制作された「浄光明寺敷地絵図」(『浄光明寺敷地絵図研究』)である。同絵図貞享2年(1685)の『新編鎌倉志』等に記載されており、古くから知られていた。永らく行方不明になっていたが、平成12年浄光明寺返還された。絵図には、谷戸雛壇状に造成し様子築地囲まれ境内地本堂僧堂庫院慈光院地蔵院延寿堂経塚・池等が描かれている。築地外側には新たに寄進され執権赤橋守時土佐守等の邸宅が、守時邸跡の東隣には寄進から除かれた、得宗館跡推定される御中跡」が描かれている。敷地境界を示すの上足利家執事の上杉重能の花押据えられている。寺院境内状況だけでなく、鎌倉時代武士の屋敷位置所有者町中谷戸利用状況を知ることができる貴重な史料である。
昭和62年文化財収蔵庫建設に伴い阿弥陀堂平場発掘調査し、東を正面とする桁行4間、梁行間半で縁が付く、東西8.4m、南北9.2mの住宅風の礎石建物跡を検出した絵図描かれ慈光院西地区御堂比定される。平成13年には鎮守社建替えに伴い絵図描かれ経塚部分発掘調査し、径約1.2mの岩盤掘り込みで、常滑大甕埋設経塚遺構検出した発掘調査によって検出され遺構は、いずれも保護盛土し、建物位置変更して保存している。
現在の境内地は、谷戸平坦地に主要伽藍配置し谷戸奥を人工的に切り開いた創建当時形態良く保持している。絵図東側北側境界は、現在の筆境、地割継承されている。西側横須賀線敷設により、境界道路南西隅が若干東側振れている。門前の道から南側は、地形改変分筆著しく絵図境界復元することが困難である。門前道路敷を南限とする範囲は、東西約233m、南北約155mである。
冷泉為相墓は、中世鎌倉歌壇隆盛導いた歌道由緒の地である。浄光明寺境内は、絵図史料描かれ鎌倉時代境内景観良くとどめる北条氏足利氏所縁の寺院である。よって浄光明寺境内を、冷泉為相墓に追加指定し、名称を冷泉為相墓から浄光明寺境内・冷泉為相墓に変更し保護図ろうとするものである
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