流連荒亡とは? わかりやすく解説

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りゅうれん‐こうぼう〔リウレンクワウバウ〕【流連荒亡】

読み方:りゅうれんこうぼう

《「孟子恵王下から》遊興酒色にふけり放蕩きわめること。


流連荒亡

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 08:22 UTC 版)

成句

   りゅうれんこうぼう

  1. 遊興狩猟飲酒などに耽ること。「流連」も「荒亡」も「遊興耽ること」の意[1][2]

発音(?)

りゅ↗ーれんこーぼー

出典

孟子巻2・梁恵王章句下

白文
宣王孟子於雪宮。王曰、「賢者亦有此樂乎」。
孟子對曰、「有。人不得、則非其上矣。不得而非其上者、非也。爲民上而不與民同樂者、亦非也。樂民之樂者、民亦樂其樂。憂民之憂者、民亦憂其憂。樂以天下、憂以天下然而王者、未之有也。昔者景公問於晏子曰、『吾欲觀於轉附朝儛、遵海而南、放於琅邪。吾何脩而可以比於先王觀也』。晏子對曰、『善哉問也。天子諸侯巡狩巡狩者、巡所守也。諸侯朝於天子曰述職。述職者、述所職也。無非事者。春省耕而補不足、秋省斂而助不給。夏諺曰、吾王不游、吾何以休。吾王不豫、吾何以助。一遊一豫、爲諸侯度。今也不然。師行而糧食、饑者弗食、勞者弗息。睊睊胥讒、民乃作慝。方命虐民、飲食若流。流連荒亡、爲諸侯憂。從流下而忘反、謂之、從流上而忘反、謂之、從無厭、謂之、樂酒無厭、謂之先王流連之樂、荒亡之行。惟君所行也。景公說、大戒於國、出舎於郊。於是始興發補不足、召大師曰、『爲我作君臣相說之樂』。徴招角招是也。其詩曰、『畜君何尤』。畜君者好君也」。
訓読文
斉の宣王孟子宮に見る。いはく、「賢者また楽しみ有るか」と。
孟子こたへて曰く、「有り。人得ずば、すなはの上そしる。得ずして其の上を非る者は、非なり。民の上りて民と楽しみを同じくせざる者も、亦非なり。民の楽しみを楽しむ者、民も亦其の楽しみを楽しむ。民のうれひをうれふる者、民も亦其の憂ひを憂ふ。楽しむにも天下ともにし、憂ふにも天下と以にす。然くして王たらざる者、未だこれ有らざるなり。
昔者むかし斉の景公晏子に問ひて曰く、『吾、転附・朝儛を観し、海にしたがひてし、琅邪いたらむと欲す。吾、何ををさめてか以て先王の観に比すき』と。晏子対へて曰く、『善きかな問ひや。天子諸侯くを巡狩曰ふ巡狩とは、守る巡るなり。諸侯天子朝するを述職と曰ふ。述職とは、つかさど所を述ぶるなり。事に非ざる者無し。春は耕すて足らざるを補ひ、秋はをさむるを省てらざるを助く
夏の諺に曰く、「が王あそばずば、吾何を以ていこはむ。吾がたのしまずば、吾何を以て助からむ」と。一遊一豫(いちいういちよ)諸侯る。今は然らず。師行き糧食し、飢ふる者食はず、つかるる者いこはず。睊睊けんけんとしてあひそしり、民すなはうらみをす。さからひ民を虐げ飲食すること流るるがごとし。流連荒亡諸侯の憂ひと為る流れに従ひ下りかへるを忘る、之をひ、流れに従ひ上りて反るを忘る、之をと謂ひ、かりに従ひ厭く無き、之をと謂ひ、酒を楽しみ厭く無き、之をと謂ふ。先王流連の楽しみと荒亡の行ひと無かりき。だ君の行ふ所なり』と。
景公よろこびて、おほひに国にげ、いづ出でて郊にやどる。是に於て始めてくらひらきて足らざるを補ひ、大師召して曰く、『我が為に君臣相說ぶの作れ』と。けだし徴招・角招是れなり。其の曰く、『君をとどむる何ぞとがめむ』と。君を畜むる者は君をよみすればなり」。
現代語訳
斉の宣王が、孟子(せつきゅう)[3]にて会見した。王が言った、「賢者にも、このような宮殿愛でるような)楽しみがあるのか」と。
孟子答えて言った、「ございます人民は(楽しみを)得られなければ上に立つ者をそしるものです。(楽しみを)得られないからといって上の者を謗るのは、良くないことです。(しかし)人民の上立っていながら人民と楽しみを分かち合わないのもまた、良くないことです。人民の楽しむのを見て楽しめば、人民君主の楽しむのを見て楽しむものです。人民の心配するのを見て配すれば人民君主の心配するのを見て配するものです。楽しむ際にも天下と共に楽しみ、心配する際にも天下と共に配するのです。このようにして王でいられなかった者は未だかつてございません。
昔、斉の景公晏子にこう質問しました、『私は、転附(てんぷ)や朝儛ちょうぶ巡遊し、海岸沿って南下し琅邪(ろうや)まで行きたい思っている。どうした先王たちに引けを取らない巡遊ができるだろうか』と。晏子答えて言いました、『良いご質問です。天子諸侯領地に行くことを巡狩じゅんしゅと言います巡狩とは、諸侯守っている所を巡視するという意味です。諸侯天子のもとに参ることを述職じゅつしょく)と言います。述職とは、自らの職務について天子述べるという意味です。(これらはいずれも、)用事もないのに行くものではないのです。春に耕作様子視察して不足しているものがあれば補い秋に収穫様子視察して不足しているものがあれば援助するのです。
夏の時代ことわざにはこうあります、「我が王が巡遊なければ、我々はどうやって憩えばよいのか我が王が(当地おいでになって)楽しまなければ、我々はどうして助けてもらえようか」と。(昔は、先王の)一度巡遊一度の楽しみが、そのまま諸侯の手となったのです。現在はそうではありません。大軍引き連れては(現地人民から)糧食徴発するので、人民飢えていても食物ありつけず、疲れても休むことができません。人民は目をいからせて互いに不満を口にし、(君主への)恨み募らせるのです。(にもかかわらず昨今君主は)先王教え逆らっ人民虐げ水の流れのように際限なく飲食します。流連荒亡は、諸侯にとって悩みの種となっているのです。川の流れに従って下り帰るのを忘れること、これをと言い川の流れ遡って帰るのを忘れること、これをと言い狩り夢中になって飽きないこと、これをと言い、酒を楽しんで飽きないこと、これをと言います先王には流連の楽しみも荒亡行いもありませんでした。(立派な巡遊ができるかどうかは)ただ王様行い次第です』。
景公喜び、(国政改革する旨を)全国布告し、(視察のため)宮殿出て郊外宿泊し、ここに初め穀倉開いて(民の食糧の)不足を補いました。また、楽官の長を呼んで、『私のために君主臣下が共に喜ぶ楽曲作れと言いました思うに、徴招ちしょう・角招かくしょう二曲がそれでしょう。その歌詞には、『(臣下が)君主(の欲)を止めたが、どうして咎める必要があろうか』とあります君主欲望止めるのは、君主愛すればこそなのです」。

「流連荒亡」の例文・使い方・用例・文例

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