構造力関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/09 16:55 UTC 版)
構造力(ラクト) 想像に実体を与えて現実化し、それをコントロールする力。一般には殆ど知られていない。 マグメル内部には構造力が遍在しており、超常現象の根幹となっている。深部ほど構造力の濃度が高い傾向にある。エリンに高い構造力を持つ種族がいるほか、人間にも生まれつき構造力を持つ者がいる。 構造者(ラクター) 構造力を持ちそれを行使できる者のこと。構造力を先天的に持つ者でも後天的に得た者でも、正しく掌握するためには訓練が不可欠。 構造者になると体内の構造力が身体を理想の状態に再構築し続ける様になり、常人を超える身体能力と回復力が得られる。目覚めたばかりの時点では時間制限や副作用こそ無いものの強身薬に劣る程度の効果しかないが、訓練と素質次第で向上できる。 構造者が構造した物体はただの物体とは異なり、基本的には維持に構造力の継続的なコントロールを必要とする。永遠の現実を作り上げることは構造者にとっての極致であるという。一方で、構造者の技量などにもよるが、ある程度は意思通りに動かせ浮遊させることなどもできる。構造には紋章などの構造者ごとに固有の特徴が表れる場合が多い。構造の紋章は隠すこともできるが一時も途切れない集中力が必要となる。 通常の構造者には生命の構造は不可能であるため、原則として生物を構造することは出来ない。しかしマグメル自体が構造者となる場合や完全構造力を利用する場合には生物の構造が可能となる。 構造者は構造できる物体の違いにより現実構造者と幻想構造者に二分される。およそ2/3が現実構造者で1/3が幻想構造者となる。両方の力を身に付けることは世界の摂理に反した行為だという。 現実構造者(リアルラクター) 現実に存在する物体を元に構造を行う。多種多様な物体を構造可能だが、構造には対象の物体を実際に作り上げるのと同様の理解が必要で、少なからず体力の消費も伴う。理解のためには対象を使い込む、実際に作るなどの他に構造力を浸透させて解析するという方法もある。理解が進むほど構造完成度が向上するが、一般に20%前後が壁となりそれ以上を目指すためには自分と相性の良い物質を探し当てることが必須となる。100%を超える完成度を持たせることも資質と訓練によっては可能。また、完成度は構造者と構造の距離が離れるほど維持が難しくなる。現実構造が実用レベルに達するまでの訓練には労力や時間を要するが、極めれば広範囲な事象に対応ができる。 構造力の浸透は短時間での理解に有効。だが分子構造に影響を与えるため解析中に対象を変質させてしまうことが多く、理解を進めるためには複数の予備が必要となり、替えの利かない物や非常に高価な物に対しては不向き。対象をわざと変質させることで、閃光弾などを暴発させるという裏技もある。 実在する物体の名称に構造(ラクト)という接尾詞を付け、その物体を元にした現実構造の名称とすることが多い。例としては戦車構造(タンクラクト)など。 幻想構造者(イマジンラクター) 現実を超越した能力を持つ物体の構造を行う。構造と能力は構造者ごとに固有のものである。複数個の構造の組み合わせで1能力となる場合は多いが、作中において純粋な幻想構造者で複数の能力の使用を描写された者はまだいない。操作可能な距離などは能力によって異なり、数百km以上の遠隔操作が可能な能力もある。目覚めると自動的に自分の能力の内容が把握でき、コントロールも比較的容易。訓練により持続時間や操作精度などを向上させることは可能で、主とともに成長して能力の幅が広がることもある。だが能力の本質そのものが変化した例はない。構造力の基礎に劣る者が多いせいか、身体強化の程度は現実構造者に及ばないと見られがちである。 合構 複数人の合同によって現実構造を作り上げること、またはその現実構造。3人での合同による三重合構(デルタラクト)など。 神明阿一族が開発・独占する訓練法によって習得できる技術。ほとんどの構造者では3人が合同の上限とはいえ、構造の完成度を各構造者の限界の複数倍にまで高められるため現実構造の最強の戦法とされる。ただし技量の低い構造者同士での合構では、高い技量を持つ1人の構造者の構造に完成度が及ばないことがある。 神明阿の直系の構造者ならば、血の共鳴により3人を超える人数での合構も可能。 完全構造力(ジェニュイン) 構造したものを永遠に本物の現実とする構造力。永遠の現実ばかりか、不完全な理解に基づいての完全な構造や生命の構造など、構造者の力量の限界を超えた構造を可能とする。ただし個体としての他人の複製などは、人間には他者を一部でも理解することは不可能なために、まず行うことが出来ない。マグメル内で限られた条件がそろった時にしか発生せず、マグメルの恵みの中でも最上位に位置し、神の領域に属しているとさえ称される。 拒絶する力を発生させる性質を持つため、力場を越えて接触するには構造者が自身の構造力で「理解」して操作下に置く必要がある。そして完全構造力によって構造されたものには、それとは反対に拒絶する力を中和する力である「受絶する力」が宿るようになる。 最初に理解した構造者しか扱えず発生する量も希少であるため、基本的には構造できる物体の体積には自ずと限界があるとされている。 擬神構造 神明阿一族の秘儀によってつくり出された人間の女性型の構造。まずは歴代当主10人による十重合構によって形作られ、後にルシスが11人目の構造者として加わった。 その正体はマグメルの意識そのものであり、神に相当する力を持つものとして扱われている。マグメルの意識とは聖国真類の信仰で造物主とされている存在でもある。 合構に加わり制御に成功した者はテレパシーによる対話が可能となり、マグメルの知識を授かるなどの恩恵を受けることができる。ただし干渉を続けることは心身に大きなダメージをもたらす。
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