栂とは? わかりやすく解説

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つが【×栂】

読み方:つが

マツ科常緑高木福島県以南山地自生樹皮縦に裂けは短い針状で2列に並んで密生4月ごろ、雄花雌花とをつけ、球果下を向く。材は建築パルプ使われ樹皮からタンニンをとる。つがまつ。とが。

[補説] 「栂」は国字


とが【×栂】

読み方:とが

ツガの別名。

[補説] 「栂」は国字


ツガ

別名:トガ, 栂
【英】:Tsuga sieboldii
(マツ科)


関東以南本州四国九州屋久島などに分布します。同属コメツガ:T.diversifoliaがあり、本州中部以北の亜高山地帯および僅かに四国九州分布します。モミとともに比較的低い処で、モミ・ツガを形づくっています。近年伐採わずかなので、木材として目も触れることは、非常に少ないいえます

木材
天然のツガの成長一般にゆっくりとしているため、年輪の幅が狭く製材品の材面は、いわゆる糸柾になってます。関西では、ツガが、建築建具用材として好まれとのことです。ツガの木材カンナで削ると、材面に白い粉がみえることがあり、かっては、これが、鉱物質の結晶のためとされていましたが、近年になって、フロコソイドという有機物質であることがわかりました古くから、ツガが鼠に噛られないといわれて来ているのも面白いことです。心材は、淡褐色で、やや色を帯び辺材はやや淡色です。年輪は、はっきりみえ、粗い肌目をもってます。気乾比重は0.45~0.50 (平均値)~0.60で、針葉樹材としては重硬です。保存性中庸で、乾燥容易に出来ます

用途
建築材包装車両パルプ材、枕木器具長押敷居鴨居などがあります。かつて、パルプ工業主として国産材使っていたころ、モミなどと一緒に原料として用いられました。これは、一般にはあまりツガを建築用材として使う習慣がなかったからで、そのころは、スギさかんに建築用として用いられいました。そのスギが、現在では、大量に輸入される米国産のツガと厳し競争をしているのはご承知のことでしょう


カナダつが (栂)

Tsuga canadensis

Tsuga canadensis

カナダ東部アパラチア地方原産です。自生地では高さが25メートルほどになりますが、都会では7~8メートルの高さにしかなりません。樹冠円錐形です。樹皮若木では灰褐色ですが、老木になると赤褐色になり広い割れ目できます。濃い緑色線形で、下面に2本の白い気孔ラインあります5月から6月ごろ、黄色雄花淡い緑色雌花つけます球果卵形で、秋に熟します
マツ科ツガ属常緑高木で、学名Tsuga canadensis。英名は Canadian hemlock, Eastern hemlock

つが (栂)

マツのほかの用語一覧
カラマツ:  雲竜落葉松
ツガ:  枝垂れカナダ栂  栂  栂  米栂
トウヒ:  唐檜  唐檜

読み方:トガtoga

所在 大阪府堺市南区

地名辞典では2006年8月時点の情報を掲載しています。

読み方
つが
とが
とがさき

ツガ

( から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/22 23:27 UTC 版)

ツガ
ツガ
保全状況評価[1]
NEAR THREATENED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類新エングラー体系
: 植物界 Plantae
: 裸子植物門 Gymnospermae
: マツ綱 Coniferopsida
: マツ目 Coniferae
: マツ科 Pinaceae
: ツガ属 Tsuga
: ツガ T. sieboldii
学名
Tsuga sieboldii Carrière (1855)[1][2]
和名
ツガ(栂)、トガ[2]
英名
Southern Japanese Hemlock[1]

ツガ(栂[3]学名Tsuga sieboldii)は、マツ科ツガ属に分類される常緑性の針葉樹。山地に生える。別名をトガ[2]、ツガマツ[3]という。細かな葉が次々に展開していくことから「継ぐ」が転訛してツガと命名された。一般家庭での植栽は稀であり、公園、神社の御神木などに使われてきた。

分布と生育環境

日本本州中部(福島県以西)、四国九州屋久島にかけてと[3]韓国鬱陵島に分布する。暖帯林(照葉樹林)から温帯林(落葉広葉樹林)にかけて主に分布する[3]。その範囲では比較的普通に見られる樹木であり、時に優占種となる。モミと混成することがあるが[3]、モミが山腹に生育するのに対して、ツガは標高約1500メートル(m)以上の尾根筋によく生える[3]。なお、一部の地域ではトガサワラも混成する。

形態・生態

常緑針葉樹高木で、直立する大木になり、高さ20 - 30メートル(m)[3]、胸高直径1 mに達する。樹形は枝を横に広げて、広い円錐形になる[4]樹皮は赤褐色から灰褐色で、縦に深く裂けて亀甲状にはがれ落ちる[3][4]。枝は混んでいて、も密につく[3]。若い枝は無毛である[4]冬芽は小さな卵形から楕円形の鱗芽で、枝の先や葉の基部につき、芽鱗も楕円形をしている[4]

は扁平な状で、長さ7 - 25ミリメートル(mm)で長短があり、表面は深緑でつやがあり主軸に沿って窪みがある[3][4]。先端が少しくぼんでおり、葉先が二つに分かれたようになっている。その点でモミにも似ているが、モミは二つの先端が鋭く尖っているのに対して、ツガは丸まっている。また、枝からの葉の付き方がモミとは若干異なっていることで識別できる。

花期は2月[3]雌雄同株[3]。雄花は枝に先につき、紫色の長卵形[3]。果期は10月[3]球果は小柄で長さ2 - 3センチメートル(cm)の楕円形で、枝先にやや下を向いてぶら下がり、秋に淡褐色に熟す[3]

保全状況評価

IUCNレッドリスト2013年版で準絶滅危惧と評価されている[1]

人間との関わり

材は硬く強度があり、良材は建材として敷居に用いられるほか[3]、樹皮からタンニンを取り、漁網を染めるのに使われた。

富山県立山寺境内では、ツガの並木道が整備されている[5]

脚注

  1. ^ a b c d e Katsuki, T. & Luscombe, D (2010). "Tsuga sieboldii Carrière". IUCN Red List of Threatened Species. Version 3.1. International Union for Conservation of Nature. (英語)
  2. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Tsuga sieboldii Carrière ツガ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 西田尚道監修 学習研究社編 2009, p. 32.
  4. ^ a b c d e 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 251
  5. ^ 眼目山立山寺参道の栂並木”. 富山県 (2025年1月9日). 2025年3月23日閲覧。

参考文献

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、251頁。 ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 西田尚道監修 学習研究社編『日本の樹木』学習研究社〈増補改訂 フィールドベスト図鑑5〉、2009年8月4日、32頁。 ISBN 978-4-05-403844-8 

関連項目

外部リンク


出典:『Wiktionary』 (2021/08/25 11:30 UTC 版)

発音(?)


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「栂」の例文・使い方・用例・文例

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