新松・n松とは? わかりやすく解説

新松・n松

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:23 UTC 版)

松 (ワープロ)」の記事における「新松・n松」の解説

1987年一から再設計した「新」を発売。このバージョンから、ユーザーから不評だったコピープロテクト廃止操作体系見直されカットアンドペースト基本とした。マウスにも対応したスクロールは、マウス前後ドラッグすることにより実現可能で、当時Macintosh操作と同様であったアセンブリ言語記述する開発環境変わっておらず、ライバルの「一太郎」に比べて軽く動作するソフトになった(なお、同梱グラフィックソフト」等はC言語開発)。また、引き続き文字修飾などの見栄えよりも長大文書効率よく入力することを目指し開発がされており、他のワープロソフト比べエディタとしての機能充実カスタマイズ機能キーアサイン画面上のインターフェースの色などが好み合わせ変更できるようになったまた、マクロや「索引作成機能実装された(1987年当時他社製ワープロソフトでは実装しているものは少ない)。さらに、縮小文字(8ドット)による編集モード追加された。「軽さ」について(要求メインメモリは512KB)、中村正三郎は「『FESです」(エディタの「MIFES」のもじり)と説明した同年1987年7月発売されジャストシステムの「一太郎 Ver.3」は、要求メインメモリが640KBであり、後発となった「新」の方が要求メインメモリ少ない。 テキスト画面用いない高精細モードは、他社ワープロソフト比べ高速であったPC-9800シリーズ白黒グラフィックモード動作させていたことが大きい。見た目カラーになるのは白黒グラフィックにテキスト属性(色など)を加えるとカラーになるPC-9800シリーズ機能拠っている (BIOS(int 18h))。白黒グラフィックモード削除BIOS(int 18h)の機能一部削除)されたPC-9821Xa/WやRaシリーズでは意図した表示ならないカスタマイズ機能は表のメニュー出ておらず、CONFIG.K3というファイル機能番号などを記述する仕様である。サンプルファイル(SAMPLE.K3ファイル)は用意されているが、これを読み理解してから作成する必要があった。カスタマイズファイルについては通常「新起動時にCONFIG.K3ファイル読み実行時オプションで別ファイル指定することも可能であった。なお、CONFIG.K3ファイルマクロ記述も可能である。カスタマイズ機能日経MIXのword/matu会議室100番目の書き込みユーザーに自由を!」というメッセージ発端になって作られた。このメッセージは、エディタカスタマイズ機能備えたものが多いのに対しワープロソフト自由度欠ける」ことを訴えたもので、開発者たちも共感したサポートのことを考えると躊躇した。しかし「清水の舞台から飛び降りる決心」でカスタマイズ機能整備したという(『The BASIC1988年4月号)。その後わずか数日カスタマイズ機能実装完了したという。 日本語入力システムは「松茸V2」として添付されたが、こちらも辞書基本登録単語一部除けば削除変更できるなど自由度高かったこのため作家翻訳家などの間で本製品熱心に支持する例が見られた(「関係書籍」の参照)。 β版パソコン通信日経MIX」などを通じて希望者に無償配布バグ使用感などをフィードバックするという試み始めた当時大手ソフトウェアベンダとしては珍しかった。新以降の「」や「桐」などでも同様に開発途上版を配布しフィードバックするようになった当時ワープロソフト自社日本語入力システム決めうちで設計されていたが「新」は「松茸」だけでなく他社ATOKVJE等も利用できるよう改められている。ただし、多く機能「松茸」に密接に依存しているため「松茸」以外の日本語入力システムでは使い勝手悪かった。 「新」は管理工学研究所にしては不具合多く正規マニュアル発売日までに間に合わず経典のような簡略化したマニュアル添付された。「お経マニュアル」と呼称されたが、後に登録ユーザーには正規マニュアル修正版のディスク「新パワーアップディスク」が配布された。このディスク中にはカスタマイズファイルの例が入ったフロッピィディスク配布されWordStar風、emacs風、MIFES風、一太郎風(『松太郎』と呼称)等にすることができた。 「新」から、使用しているパソコン・プリンタの文字コードについて、JIS78/83を自動判定し印刷時には自動置き換えるようになっている例えPC-9800シリーズJIS78でありEPSON98互換機JIS83をもとに拡張置換したものになっていた(EPSON互換機後年文字コード切り替えが可能となった)。また、プリンタ各社により採用したコードまちまちであった。 この「新」からビットマップ画像処理するグラフィックソフト」が同梱されるようになるユーザインターフェイスは、MacintoshMacPaintに近い。Macintoshハマった開発者よるものとされる小売店配布されていたパンフレットには、山東京伝黄表紙モチーフデザインされていたが、「」によりグラフィック扱えることをアピールしたものとなっている。 ユーティリティディスクには、MS-DOS版N88-BASIC(86)から「松茸」制御するサンプルプログラム公開されていた(当時MS-DOS版N88-BASIC(86)は、NEC製の日本語入力システムしかサポートしていなかった) 1988年にはメガソフトから「新」をパワーアップする「新ターボキット」が発売。また「新」が日経新製品賞受賞する1989年、「98NOTE」が発売されたため「新」のカスタマイズ機能によりノートパソコンモノクロ液晶でも視認性高めた「n」を98NOTE発売日同時発売(38000円)。初回キャンペーンとして、名刺管理ソフトの「アドレス」「ゴルフゲーム」が付属した。なお、「」・ファイル管理辞書管理ロゴ編集など補助機能一部は「新」から削除されており、「nシステムUPキット」として別売2万円)された。 PC-9800シリーズ互換性のないPC-98LT用に移植した「新LT」も発売されていた。

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