哲学の対象・主題とは? わかりやすく解説

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哲学の対象・主題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:53 UTC 版)

哲学」の記事における「哲学の対象・主題」の解説

紀元前古代ギリシアから現代に至るまでの西洋哲学眺めてみるだけでも、そこには一定の対象というものは存在しない他の地域時代哲学まで眺めるとなおさらである)。西洋哲学眺めるだけでも、それぞれの時代哲学は、それぞれ異なった対象選択し研究していた。 ソクラテス以前初期ギリシア哲学では、対象は(現在の意味とは異なっている自然ではあるが)「自然」であった紀元前5世紀頃ソクラテスは < 不知の知 > の自覚強調した。その弟子プラトン孫弟子アリストテレスになると、人間的な事象と自然を対象とし、壮大な体系樹立したヘレニズム・ローマ時代哲学では、ストア派エピクロス学派など、「自己の安心立命求め方法」という身近で実践的な問題中心となった(ヘレニズム哲学哲学範囲倫理学限定しようとしたとしばしば誤解されるが、ストア派エピクロス派でも自然学論理学認識論といった様々な分野研究された。平俗言葉倫理的主題扱った印象の強い後期ストア派でも、セネカが『自然研究』を著している)。 ヨーロッパ中世では、哲学対象は自然でも人間でもなく「神」であったと謂われることが多い。しかし、カッシオドルスのように専ら医学自然学哲学みなした例もある し、ヒッポのアウグスティヌスからオッカムのウィリアムに至る中世哲学者の多く言語対象とした哲学的考察熱心に取り組んだまた、中世中頃以降大学カリキュラムとの関係で「哲学」が自由七科を指す言葉となり、神学はこの意味での「哲学」を基盤として学ばれるものであった。 さらに時代下り近代になると、人間中心的になり、自己自信持った時代であったので、「人間による認識」(人間何をどの範囲において認識できるのか)ということ探求最重要視された。「人間理性的認識により真理把握しうる」とする合理論者と、「人間経験超えた事柄については認識できない」とする経験論者が対立したカントはこれら合理論経験論総合統一しようとした。 19世紀、20世紀ごろのニーチェベルクソンディルタイらは、いわゆる生の哲学」を探求し、「非合理な生」を哲学対象とした。キルケゴールヤスパースハイデッガーサルトルらの実存主義は、「人間がいかに自らの自由により自らの生き方決断してゆくか」ということ中心的課題据えたこのように哲学には決し一定の対象というものは存在しなく、対象によって規定できる学問ではなく冒頭述べたように、ただ「philosophy」「愛知の学」とでも呼ぶしかない とされている。 学問として哲学扱われる主題には、真理本質同一性普遍性数学的命題論理言語知識観念行為経験世界空間時間歴史現象人間一般理性存在、自由、因果性世界の起源のような根源的な原因正義、善、美、意識精神自我他我、神、霊魂色彩などがある。一般に哲学主題抽象度が高い概念であることが多い。 これらの主題について論じられる事柄としては、定義、性質複数立場見解の間の整理などがある。これをひとくくりに「存在論」とよぶことがある地球人間物質などが「ある」ということについて考え分野である。 また、高貴な生き方とは存在するのか、また、あるとしたらそれはどのようなものなのか」「善とは永遠と関連があるものなのか」といった問い答え模索する営みとして、旧来の神学科学的な知識実験では論理的な解答得られない問題を扱うものであるとも言える。またこのようなテーマ法哲学現場即しておらず、真偽検証不可能であり、実証主義観点からナンセンスな問いであると考え立場もある(例え論理実証主義)。こちらは、ひとくくりに「価値論」とよぶことがある。「よい」ということはどういうことなのか、何がよりよいのかを考え分野である。

※この「哲学の対象・主題」の解説は、「哲学」の解説の一部です。
「哲学の対象・主題」を含む「哲学」の記事については、「哲学」の概要を参照ください。

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