哲学に対して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/23 12:06 UTC 版)
哲学者は、科学とは違う日常的言語で「存在」や「宇宙」を語ろうとしてきた。しかし、量子論を創設した一員であるディラックは、哲学者をことさら信用していなかった。ディラックが居た頃のケンブリッジ大学で、一番の論客として鳴らしていたのは哲学者ウィトゲンシュタインだったが、彼を含め哲学者たちは、量子波動関数や不確定性原理について的外れなことばかりを発言し記述しており、ディラックの不信は嫌悪に変わった。ディラックが見たところ、哲学者たちは量子力学どころか、パスカル以降の「確率」の概念さえ理解していない。 ディラックの考えでは、非科学的な日常的言語をいくら使っても、正確な意思疎通を行うことはできない。量子力学を説明してくれと言う家族や友人に対してディラックは、「無理です」と言って黙り込むのが常だった。どうしても説明してほしいと迫る友人に、ディラックは「それは目隠しした人に触覚だけで雪の結晶がなにかを教えるようなもので、触ったとたん溶けてしまうのだ」と返した。
※この「哲学に対して」の解説は、「ポール・ディラック」の解説の一部です。
「哲学に対して」を含む「ポール・ディラック」の記事については、「ポール・ディラック」の概要を参照ください。
- 哲学に対してのページへのリンク