哲学における行動主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/07 14:08 UTC 版)
「行動主義心理学」の記事における「哲学における行動主義」の解説
行動主義は、心理学のムーブメントであるだけでなく、心の哲学でもある。“徹底的行動主義”では、行動の研究が“科学”であるべきだという基本的前提があり、仮想された内的状態に頼らない。一方、“方法論的行動主義”は、仮想された内的状態を利用するが、精神世界にそれらを位置付けず、主観的経験に頼らない。行動主義は、行動の機能的側面に注目するのである。 分析哲学者の中には、行動主義者と呼ばれる者や、自称する者がいる。 ルドルフ・カルナップやカール・ヘンペルといった所謂論理実証主義者たちが称えた“論理的行動主義”では、心理的状態の意味付けは、実行された顕在的行動からなる検証条件である。ウィラード・ヴァン・オーマン・クワインは、スキナーの考えに影響され、言語の研究の中で行動主義を利用した。ギルバート・ライルは、哲学的行動主義に傾倒し、自著『心の概念』の中で哲学的行動主義を概説した。そして、ライルは、二元論の例証では、日常言語の使用の誤解による“カテゴリーミステイク”が頻繁に生じていると考えた。ダニエル・デネットもまた、自身の論文「メッセージは;媒介などない」(The Message is: There is no Medium, Dennett, 1993年)の中で、自身を一種の行動主義者であると認めている。 <ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの哲学>と<論理的行動主義や徹底的行動主義>の間に共通点(例えば“箱の中のカブトムシ”)があると言われ、ウィトゲンシュタインは行動主義者と定義されることがある。しかし、ウィトゲンシュタインは、行動主義者と言い切れないし、彼の文体は様々な解釈が可能である。また、数学者のアラン・チューリングは、行動主義者と見なされることがある[要出典]が、彼は行動主義者と自称していない。
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