作品舞台のモデル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 20:19 UTC 版)
ペリーヌの祖父が経営するパンダヴォワーヌ工場の所在地として登場する村、マロークール(Maraucourt)は、フランス北部ソンム県のコミューン(基礎自治体)、フリクスクール(Flixecourt)をモデルにして書かれた。 ソンム県ボーヴァルに1810年に創業し、同地出身のサン3兄弟が経営したカンバス(帆布)などの梱包用布製造販売業、サンフレール合名会社(Saint Frères、1924年に株式会社転換)のシャルル・サン(Charles Saint、1826年-1902年)が1857年、ジュート(黄麻)織物工場をフリクスクールに開設した。新開発の自動織機を導入し、当時ジュート織物産業が盛んだったスコットランドから呼んだ労働者ら数十人で操業を開始した工場は、事業の急成長とともに規模を拡大した。 インドから船と鉄道で輸入される黄麻を原料とするジュート繊維は19世紀当時のヨーロッパにおける新素材で、ジュート製の麻袋はその丈夫さから、農業や各種工業における輸送用などに需要が急伸していた。サンフレール社はさらにソンム川流域を中心に工場を買収するなどし、19世紀末から20世紀初めにかけて国産麻袋の30%のシェアを誇るフランス最大のジュート製品メーカーとなった。サンフレール社は本作発表後の1896年、パリに本社を移し、梱包用や防水などの各種カンバスやカーテン、ラグ、ロープの総合メーカーとして、最盛期には国内に13工場を持った。引き続き経営管理部門が置かれたフリクスクール工場では、防水加工、製袋、仕上げ工程が行われ、本作発表後の1900年には7200人、1913年には1万4000人が働いていた。 サンフレール社は同時代のシュナイダー製鉄所やミシュラン社などの国内大企業と同様に、経営パターナリズム(経営家族主義)的カトリック社会主義に基づいた労務施策を徹底した企業としても知られる。フリクスクール市街ではサンフレール社の手で1870年から工員用宅地の造成が続けられ、上水道や教会、生活協同組合店、休暇施設などを整備。1907年には工場電化にあわせ、一般住宅への配電事業も行われた。また実業学校や薬局を開設し、1935年には保育所、1938年には産院も設置した。 サンフレール社の麻袋は北部鉄道向けなどの大口需要に加え、第一次世界大戦中にはフランス軍向けの軍需品にもなって生産量を伸ばしたが、1930年代に入ると、新型の環状織機導入などによる生産の省力化と効率化を進めたにもかかわらず業績が悪化。合成繊維による袋が普及して麻袋の需要がなくなった1950年代末にジュート事業を取りやめた。フリクスクール工場は操業終了後、用地が売却され、地元農業協同組合施設を経て一部は食品パッケージおよび工業用のフィルム製造工場などに転用されているが、サンフレール社時代のレンガ積みの工場施設の一部は現存しているほか、サンフレール社創業家が建設したナヴェット城(Château de la Navette)をはじめとする邸宅や村内に整備した労働者社宅街などが往事の威容を伝えている。 フリクスクール市街を貫くソンム川支流のニエーヴル川沿いには同じくサンフレール社の工場があった上流側のサン・トゥアン村(Saint-Ouen)にかけて池沼が点在する。マロークール最寄りの鉄道駅や病院の所在地として作中に登場するピキニー(Picquigny)はフリクスクールから南東に約6キロ離れている。ビキニ-のあるソンム川南側の対岸には1847年、アミアン・ブローニュ鉄道が開業している。1851年に北部鉄道に統合され、1937年の国有化に伴いフランス国鉄へ編入された。
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作品舞台のモデル
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「ああっ女神さまっ」の記事における「作品舞台のモデル」の解説
「猫実」と言う地名は千葉県浦安市に猫実(ねこざね)という名で実在し、千葉県習志野市には実籾(みもみ)という地名が実在している。また習志野市には、千葉工業大学の津田沼校地、日本大学生産工学部の津田沼キャンパスなどが所在している。 原作コミックスにて「猫実工業大学」として描かれているキャンパスは、「早稲田大学理工学部」ならびに周辺の風景が描かれている(コンクリートの筋交いをデザインに用いている「51号館」の他、同大学同学部校舎に隣接している「新宿区立スポーツセンター」の姿も見られる)。アニメ版では「中央大学多摩キャンパス」を彷彿とさせるシーンが登場しているほか、港や海浜公園などに山下公園や横浜マリンタワー・横浜ベイブリッジなど横浜市の風景が散見される。劇場版では大学に通学する際に西武新2000系に似た車両に乗車し鉄橋を渡っているシーンが登場しているが、実際の西武鉄道の主要路線には大きな鉄橋はない。またTVアニメ版でも西武鉄道の配色に似た黄色の車両が登場している。 原作コミックス版にて「猫実臨海水族館」として描かれている建物は、学校法人桐蔭学園の「鵜川メモリアルホール」と呼ばれる多目的ホールの外観を模している。 TVアニメ版 第2期(『ああっ女神さまっそれぞれの翼』)の第22話で描かれている高校の校舎は北海道釧路北陽高等学校校舎である。
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