ジュート繊維
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 03:09 UTC 版)
以下、コウマとシマツナソの両方をジュートと扱い、ジュート産業について述べる。 ジュート繊維は伸びる度合いが小さいために安定しており、毛羽もあるために保温性に富む。この安定した性質から、導火線・カーペット基布や畳表・ひも・袋やバッグなどを作るのに使われる。逆に耐久性には乏しいため、ロープには適さない。ジュート製の袋は南京袋といわれて親しまれる。ジュートの生産過程で出る廃棄物の処理が環境にかけるコストは少なく、ジュート製品自体の生物分解性が高いことからも、近年は環境への負荷が少ない素材としても注目されている。主要生産国である南アジアが最貧国であることも手伝い、ジュート製品を用いたフェアトレード事業も行われている。 ベンガル地方を中心とするインドでのジュート繊維の生産は、すでに18世紀以前より手工業で行われていた。しかし、ジュート産業の本格的な工業化はイギリスによる植民地化と産業革命の影響を受けてからである。かつてはスコットランドでもジュート繊維の加工が行われたが、現在のジュート加工の中心は各生産国にある。 現在のジュートの生産量は年間約300万tほどで推移しており、そのほとんどが南アジアおよび東南アジアで生産される。生産国の上位はインド(約60%)、バングラデシュ(約25%)、中国(約4%)である。ジュート加工はインドやバングラデシュの主要産業の1つであり、コルカタ、チッタゴン、クルナなどの貿易港はジュート輸出港としても知られる。 ジュート
※この「ジュート繊維」の解説は、「コウマ」の解説の一部です。
「ジュート繊維」を含む「コウマ」の記事については、「コウマ」の概要を参照ください。
- ジュート繊維のページへのリンク