伝奇ロマン・架空戦記とは? わかりやすく解説

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伝奇ロマン・架空戦記

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 01:29 UTC 版)

荒巻義雄」の記事における「伝奇ロマン・架空戦記」の解説

1973年ノン・ノベル発刊した祥伝社伊賀弘三良に、S-Fマガジン編集長だったの森優推薦半村良『黄金伝説』のような伝奇推理執筆依頼されて『空白十字架』を執筆し以後伝奇ロマン作品数多く発表した一方でスペースオペラ「ビッグウォーズシリーズ」やジュブナイルSF時間監視員シリーズ」などを執筆する荒巻2度インド旅行仏教ヒンドゥー教関心持ち渡辺照宏の『不動明王』を読んで不動明王シヴァ神説話ヒント得て殺意明王』を執筆した続編の『悪魔議定書』では日本的な伝奇ロマンに対して舞台国際化目指し新書版合った創作手法として劇画プロット構成法参考にし、ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエ化学の結婚』の構成指標として執筆した。さらに、シリーズ3作目妖獣王子』では世界情勢近未来問題組み入れるという試み土地高騰現象経済恐慌題材にした。 1986年当時米ソ対立の中で、シミュレーションゲームから着想得たシミュレーション小説構想し在住している北海道舞台箱庭的な世界作ろうとして、ニセコ山系舞台選んだ近未来戦記『ニセコ要塞1986』三部作執筆続いて十和田阿蘇琵琶湖舞台にした連作長編となった。これを皮切りに架空戦記執筆するようになり、1990年代以降架空戦記小説ブーム始祖とも言える作品であった1994年には、架空戦記作家宣言とも言える評論シミュレーション小説発見』を発表する。「世界模擬実験装置としてのシミュレーションにこそ、小説未来がある」として、以降架空戦記小説多数発表する一時期は、日本SF作家クラブをも脱退していた。 2001年の「富嶽要塞Ver.1」の完結以降架空戦記新作発表されずに経済シミュレーション小説プラグ』(2002年)や、アトランティス舞台にしたSFファンタジー・シリーズ『アトランティス大戦』『火星アトランティス』等を書いていた。 2007年8月行われた世界SF大会 Nippon2007では、「スチームパンク歴史改変パネル参加(他の参加者は、荒巻のほかに高野史緒宇月原晴明永瀬唯新戸雅章)。また、2007年12月翻訳家増田まもる創設したサイトspeculative japanニューウェーヴ/スペキュレィティヴ・フィクション・サイト)」にはメンバー一員として参加し盛んにSF評論発表している。2008年12月から2011年12月にかけて日本SF作家クラブ主催行われている日本SF評論賞第4回から第7回選考委員長を務め石和義之、岡和田晃高槻真樹らを輩出した。 「SFへの回帰」が目立っていたが2010年5月10年ぶりの架空戦記小説新刊ロマノフ帝国野望』が発売され話題呼んでいる。巻末には最新地政学関係の文献リストアップされている。 荒巻60年安保挫折経た後に、建築仕事経験によって職人技術身体の延長としての道具文学にするという考え持ち、それを「術の小説論」にまとめており、マニエリスム志向していると述べている。美術素材とした作品に、ボスの『快楽の園のような惑星への旅を描く『神聖代』、エッシャーの絵のような都市舞台にした『カストロバルバ』などがある。伝奇ロマンとしては、超古代史テーマとする『空白十字架』などの「空白シリーズ」、『ソロモンの秘宝』を始めとする秘宝シリーズ、『古代かごめ族の陰謀』などの「陰謀シリーズ」、「埋宝シリーズ」などのSFミステリーがある。高校時代からヴァン・ダイン愛読しており、黄金シリーズ読んだ山村正夫から推理小説を描くように勧められ浦島伝説題材とした伝奇推理小説天女密室』、フリーメイソン扱った『石の結社』を執筆、これらは画家條里嶋成を主人公として、美術に関する造詣生かされている。澁澤龍彦影響大きいと自身語っており、そのマニエリスム志向ヨーロッパにおける神秘思想秘教に代わって、超古代文明などをテーマとした伝奇SFとして表されていると笠井潔指摘しており、巽孝之も、荒巻架空戦記もまたマニエリスム作品評している。 なお、荒巻長く札幌時計台ギャラリー」のオーナー務め北海道美術家作品多数所持する美術コレクターとして著名であり、コレクション多く札幌芸術の森美術館寄贈されている。 2014年11月より月刊ペースで、彩流社より入手困難初期SF作品集成した『定本 荒巻義雄メタSF全集』(全7巻+別巻)が刊行開始された。編集委員SF評論家で慶應義塾大学教授巽孝之が、SF研究家で元北海道新聞文化部長の三浦祐嗣がそれぞれ担当した

※この「伝奇ロマン・架空戦記」の解説は、「荒巻義雄」の解説の一部です。
「伝奇ロマン・架空戦記」を含む「荒巻義雄」の記事については、「荒巻義雄」の概要を参照ください。

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