ピアノ・ソナタ第7番
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
チェルニー(ツェルニー):ピアノ・ソナタ 第7番 ホ短調 | Sonate für klavier Nr.7, e-moll Op.143 | |
ジャコブ:ピアノ・ソナタ 第7番 | Sonate pour piano No.7 | 作曲年: 1943年 |
アレクサンドロフ, アナトーリイ:ピアノ・ソナタ 第7番 | Sonata for piano No.7 | |
カプースチン:ピアノ・ソナタ 第7番 | Piano Sonata No.7 Op.64 | 作曲年: 1991年 |
ヴァイゼ:ピアノ・ソナタ 第7番 イ短調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ヴァイゼ:ピアノ・ソナタ 第7番 イ短調 | Piano Sonata No.7 in A minor |
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第7番 ニ長調 | Sonate für Klavier Nr.7 D-Dur Op.10-3 | 作曲年: 1797-98年 出版年: 1798年 初版出版地/出版社: Eder |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
|
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 1.Satz Presto | 6分30秒 |
![]() |
2 | 第2楽章 2.Satz Largo e mesto | 10分00秒 |
![]() |
3 | 第3楽章 3.Satz Menuetto e Trio-Allegro | 3分00秒 |
![]() |
4 | 第4楽章 4.Satz Rondo-Allegro | 4分00秒 |
![]() |
作品解説
ブロウネ伯爵夫人アンナ・マルガレーテに捧げられた3つのソナタ(作品10)の最後に位置する。
第1楽章はプレスト、ニ長調の2分の2拍子でソナタ形式による。ニ長調の第1主題とイ長調の第2主題との間に、ロ短調のはっきりとした中間主題をおいている。この中間主題は、再現部でホ短調で再現される。また、第1楽章がプレストによるソナタは、この他には第25番作品79のト長調のソナタにしかみられない。
第2楽章はラルゴ・エ・メスト、ニ短調の8分の6拍子で、展開部にまったく新しい主題が現われる変則的なソナタ形式による。また、再現部では第1主題も第2主題も縮小された形で再現される。
第3楽章はメヌエット、アレグロ、ニ長調の4分の3拍子で、3部形式による。主部の優雅なメヌエットは、左手の跳躍音型が特徴的なトリオと対照を成す。
終楽章はロンド、アレグロ、ニ長調の4分の4拍子で、副主題を2つ持つロンド形式による。1つ目の副主題が、主調と同じニ長調によりながら、主要主題とは異なる雰囲気を醸し出していることは興味深い。この副主題は、第1楽章の第1主題に通じるものが感じられる。
このように、一見するとソナタ形式、緩徐楽章、メヌエット、ロンドというソナタとして伝統的な構成を持つように思われるが、その中でベートーヴェンは様々な試みを行っていることがうかがえる。また、ソナタ全体としては、第2楽章にみられる減7の和音や半音階の多用が、他の楽章に比べ、深みのある悲哀のような雰囲気を醸し出している。
ミャスコフスキ:ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
ミャスコフスキ:ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 | Sonata for piano No.7 in C major Op.82 | 作曲年: 1949年 出版年: 1950年 初版出版地/出版社: Muzgiz |
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第7番 ハ長調 | Sonate für Klavier Nr.7 C-Dur K.309 K6.284b | 作曲年: 1777年 出版年: 1781年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
|
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro con spirito | 5分30秒 |
![]() |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante un poco adagio | 6分30秒 |
![]() |
3 | 第3楽章 Mov.3 Rondo-Allegretto grazioso | 6分00秒 |
![]() |
作品解説
1777年10月、モーツァルトはパリへ向かう旅の途中、アウグスブルクにてシュタインの楽器工房に立ち寄り非常に質の高いフォルテピアノと出会った。このことは、少なからずモーツァルトの(フォルテ)ピアノ・ソナタ創作に影響を与えたと考えられる。
アウグスブルクを経て10月下旬にマンハイムへ到着したモーツァルトは、当地の宮廷音楽家たちと交流を深めた。ことにクリスティアン・カンナビヒとは親しくなり、11月4日付けで父親へ宛てた手紙の中には、彼の娘ロジーナのためにソナタを作曲している旨が伝えられている。
ただし、このソナタがローザのために作曲されたものと本当に同一のものか、確固たる証拠はない。モーツァルトは、ザルツブルクの父親宛てにこのソナタを送付しており、当地で写譜されたことも確かである。郵送に際して折り目がついたであろう自筆譜が、モーツァルトの他のどのソナタにも残されていないので、自筆譜の消失しているこのソナタがそれに当たる可能性は勿論あり得る。しかし最近の研究では、このソナタが作曲されたのは11月から12月にかけてであり、10月から11月にかけて作曲されたとされるK.311の二長調ソナタのほうが、これに当たるという説もある。
いずれにせよ、このK.309とK.311はマンハイムでほぼ同時期に作曲された。両ソナタには、それを裏付けるように様式面での親近性が認められる。
第1楽章 ハ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
オーケストラのトゥッティを想起させるような力強い冒頭と、それに呼応して流れ出す弱奏のメロディーによる主要主題、属調での軽快な副次主題(第35小節~)もつ。
後半(展開部)が属調の平行短調による主要主題で開始されるのは、モーツァルトの常套手段である。主要主題とコーダの動機を素材として、二短調、イ短調を経て主要主題の主調再現(第94小節~)を迎える。
副次主題の主調再現(第129小節~)を経て、コーダにおいて、冒頭動機がふたたびあらわれて楽章を締めくくる。
第2楽章 ヘ長調 4分の3拍子
付点リズムが特徴的な主題による変奏曲。最初の変奏(第17小節~)では前打音や32分音符によって装飾が施される。属調のエピソード(第33小節~)をはさみ、第2の変奏(第45小節~)では主題の付点リズムが逆転し、音階パッセージによる装飾的変奏が施されるほか、旋律がオクターヴ化されて華やかさを添えるが、後半部分が省略されて属調のエピソード主題の変奏(第53小節~)となる。トリルをともなった付点リズムや16分3連音符によるバス声部による推進力にある変奏に続いて、さらに技巧的なパッセージを織り込んだ最後の主題変奏(第65小節~)となる。
第3楽章 ハ長調 4分の2拍子 ロンド
単純な和声の分散和音に支えられた、軽快な主題によるロンド。しかし形式的には非常に自由であり、あたかも即興演奏の中から生み出されたようである。ロンド主題の回帰は、すぐに16分3連音符によるパッセージや、属音のトレモロを背景とするクープレ主題へと接続され、ロンド主題そのものよりも、むしろ即興的なパッセージの披露と、さまざまな動機の展開に主眼が置かれているようである。
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第7番 変ホ長調
英語表記/番号 | 出版情報 | |
---|---|---|
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第7番 変ホ長調 | Sonate für Klavier Nr.7 Es-Dur D 568 Op.122 | 作曲年: 1817年 出版年: 1897/1892年 |
楽章・曲名 | 演奏時間 | 譜例![]() |
|
---|---|---|---|
1 | 第1楽章 Mov.1 Allegro moderato | 9分30秒 |
![]() |
2 | 第2楽章 Mov.2 Andante mol | 6分30秒 |
![]() |
3 | 第3楽章 Mov.3 Menuetto: Allegretto | 4分30秒 |
![]() |
4 | 第4楽章 Mov.4 Allegro moderato | 9分00秒 |
![]() |
作品解説
シューベルト初期のソナタ。ニ長調で書かれたD567の異稿である。D567とD568をともに「ソナタ第7番」とするもの、あるいはD567を「第7番」、D568を「第8番」とする表記の二通りがあるので、注意が必要。なお初版時(1829年)のタイトルは「グランド・ソナタ第3番 作品122」であった。D567は1897年の旧全集出版時に初めて印刷された。なお、D.567の作曲時期は1817年。変ホ長調のD568がいつごろ書かれたのかは定かではないが、1820年代の中ごろ以後と推定されている。
この二作品は単なる移調ではない。第三楽章のメヌエットが新設されるなど、変更や改良が加えられていることから、シューベルトの作曲技術の成長や変遷、さらには時代ごとの音楽趣味の変化を観察するにも格好の素材といえる。多くのシューベルト作品と同様、古典的な典雅とロマン的な情緒が並存する佳作である。
ピアノソナタ第7番
「ピアノ・ソナタ 第7番」の例文・使い方・用例・文例
- ピアノ・ソナタ第7番のページへのリンク