D 568(変ホ長調)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 02:11 UTC 版)
「ピアノソナタ第7番 (シューベルト)」の記事における「D 568(変ホ長調)」の解説
第1楽章 アレグロ・モデラート変ホ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。 ほぼD 567と同様。ただ再現部でシンコペーションをつけるなどわずかに修飾している。楽譜の読解は簡単であるが、ピアノ演奏としてはD 567のほうが運指が簡単。 第2楽章 アンダンテ・モルトト短調、4分の2拍子。 ほぼD 567に同様。 第3楽章 メヌエット:アレグレット変ホ長調、4分の3拍子。 この楽章だけはD 567にはなく、結果として3楽章ソナタから4楽章のそれへと規模を拡大させている。意表をつく転調が多く、作曲者特有のロマン的和声が多い。中間部は変イ長調。 第4楽章 アレグロ・モデラート変ホ長調、8分の6拍子、ソナタ形式。 ほぼD 567と同様。しかし中間部に左手の華麗なパッセージを新たに挿入し、和声の調整を図っている。変ホ長調では非常に演奏が難しく、D 567よりも形式としては完成されていながら、演奏者には負担を強いる。もっとも作者はこうした事情は了解していて、変ホ長調なのは主題とその周辺くらいでしかなく、他は変ロ短調、変ホ短調などピアノ奏者にも一定の配慮をした調の選択をしている。 なおハワード・ファーガソンによると「8分の6拍子であっても、不当に速いテンポで演奏することなく、リリックな主題を大きく歌い上げるべき」である。
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