D 567(変ニ長調)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/13 02:11 UTC 版)
「ピアノソナタ第7番 (シューベルト)」の記事における「D 567(変ニ長調)」の解説
第1楽章 アレグロ変ニ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。 冒頭はAs-F-As-Des-F-Asの単純な主題。ユニゾンの力強い低音によるもの。変ニ長調は黒鍵が多く、ピアノ演奏に都合がよい。後のショパンによるピアニズムの先駆けともいえる調の選択である。第2主題は属調変イ長調の優雅なもの。展開部は簡単に済ませている。 第2楽章 アンダンテ嬰ハ短調、4分の2拍子。 3連符の多い緩徐楽章。 第3楽章 アレグレット変ニ長調、8分の6拍子、ソナタ形式。 ロンドにも近い繊細な楽章。皆川達夫に弦楽四重奏にも似た典雅さを評されている。ベートーヴェンの初期作品にも似て短調と長調の対比が美しく、そこにロマン的半音階を入れた秀作。 作者はあまり高速に弾き飛ばされるのを恐れたのか、随所に右手中声部のコードを入れて演奏者に負担を強いている。
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