パドルビーの人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/11 09:38 UTC 版)
「ドリトル先生シリーズの登場キャラクター」の記事における「パドルビーの人々」の解説
先生やスタビンズの故郷である沼のほとりのパドルビー(Puddleby-on-the-Marsh)の住人たち。 マシュー・マグ(Matthew Mug) ペットの餌用に屑肉を売る猫肉屋を稼業とする男。毎年、クリスマスの時期だけ必ずリウマチを発症して先生に薬を調合してもらい6ペンスを支払っている。ジプシー(ロマ)の血を引く気のいい男で、文盲ながら機転も利くが、裏の顔は手癖の悪い札付きの密猟者で、ムアスデン荘園の火災の際には混乱に乗じてダイヤモンドを盗み出した(先生の指示で白ネズミが気づかれないように戻した)。窃盗の現行犯で何度も逮捕・投獄されており、ジェントリで曲がりなりにも紳士の先生と親友である事は司法当局からも訝しがられている。サーカス団時代は天才的な司会能力を発揮し、副団長として先生をサポートした。 テオドシア・マグ(Theodosia Mug) マシューの夫人。夫と違って学のある人物で、字が読めない夫に先生の著書を読み聞かせたりしている。サーカス団時代は動物を含む団員の衣装と日誌を担当していた。『月から帰る』では、スタビンズは自分を「坊っちゃん」扱いするテオドシアを苦手とする様子が描写されている。 ジェンキンス(Jenkins) ジョージ3世の治世(1760年 - 1820年)に流行した様式の大きな邸宅を構える地主。先生の元患者だが『アフリカゆき』で先生が自宅で動物を飼うようになってからはハリネズミの上に腰かけてしまったリウマチのおばあさんと同様に「あの家には絶対に近寄らない」と公言していた。その後は『サーカス』や『楽しい家』の「気絶した男」で時折、名前が出て来る。名馬・オニユリ号を始め何頭もの馬を飼っており、厩舎では多くの厩務員が働いている。 貝ほりのジョー(Joe, the mussel-man) 『航海記』と『秘密の湖』に登場。沖合の岩にへばりつく貝やロブスターを採って生計を立てている漁師。傘から凧を作るなど、手先が器用でスタビンズと仲が良く、ドリトル先生と出会うきっかけを作った。先生の一行が航海に出る為の船を少なくとも2回、調達しており『航海記』では3人乗りのダイシャクシギ号(Curlew)を、『秘密の湖』ではダイシャクシギ号よりも小回りの効くスループ船のアホウドリ号(Albatross)を用意している。 ベロス大佐(Colonel Bellowes) 『航海記』と『月からの使い』に登場。スタビンズ靴店の常連客の1人だが、威張り散らしている為に周囲の人望は余り無いらしく、トミーも『航海記』でベロスに時間を訪ねた際に寒いからと懐中時計を取り出すのを拒んだ態度を、その直後に出会ったドリトル先生との対比で「嫌な大人」の典型と評している。『月からの使い』ではジップとクリングに花壇を荒らされ、チューリップの球根を持ち去られて追いかけるが取り返せなかった。その球根は雑種犬ホームの「犬の博物館」に展示されている。 世捨て人のルカ(Luke the Hermit) 11年ほど前にパドルビー郊外へ移り住み、普段は人目を避けて生活していることから「世捨て人」と呼ばれている中年男性。英語名に即した発音は「ルーク」だが、河合訳が原文通りに「ルーク」としているのを除いて井伏訳など大半が"Luke"に対応したイタリア語名"Luca"を採って「ルカ」としている。 先生とスタビンズの共通の知人であるが、クモザル島への航海に際して手配された船が3人でないと操れない為に2人で航海への同行を要請に行ったところ、ルカは15年前にメキシコで起きた殺人事件の容疑者として逮捕されて巡回裁判に掛けられる所であった。先生がルカの飼い犬・ボッブの目撃証言を通訳した結果、無罪となり事件後に別れていた妻とも復縁するが裁判の顛末が有名になり過ぎてパドルビーでの生活が息苦しくなったため、夫婦で密航しペンザンスで降ろされた。 シドニー・スログモートン(Sidney Throgmorton) 先生の邸宅からほど近い場所に在るムアスデン荘園の地主・スログモートン家の当主。1年前に亡くなった父のジョナサンと不仲で、イギリス各地に在る所有地を回ることも無くムアスデン荘園の屋敷に留まっており先代からの使用人も全て解雇してしまった。先生が屋敷の地下室に住むネズミから火事を知らされ、ムアスデン荘園の屋敷へ駆け付けて消火に当たった際も全く感謝すること無く「不法侵入で訴える」と高圧的な態度を取り、気性が荒く屋敷へ侵入した泥棒を噛み殺したことも有るマスティフのダイナとウルフをけしかけたが、2匹は先生の指示に従って退却してしまった。 先代の当主・ジョナサンは口の悪いスズメのチープサイドが一目置くほどの好人物で、動物に対しては特に深い思いやりを持っていたが、一人息子であるシドニーとの関係は上手く行っていなかった。ジョナサンの遺言書が発見された後、その遺言によって全ての遺産がシドニーには継がされず動物愛護団体や福祉団体に贈与されることが確認され、全財産を失いオーストラリアへ移住することになってしまう(荘園の火災は、在り処の分からない遺言書を屋敷ごと無き物にしようとしたシドニーの放火が疑われている)。 オバディア・シンプソン(Obadiah Simpson) 『月から帰る』に登場。マシューが猫用の餌として売る肉を卸している精肉店・シンプソン親子商会の店主。計算が苦手で悪筆の為、伝票の扱いを巡って顧客とのトラブルが多く動物を養う為に仕事を探していたスタビンズがマシューの紹介で代わりに伝票整理の仕事を引き受ける。
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