雑種犬ホーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 03:49 UTC 版)
「ドリトル先生シリーズの登場キャラクター」の記事における「雑種犬ホーム」の解説
ジップが先生の広大な庭に設けられた「動物園」の一角で主宰する雑種犬のための共同施設。純血種の犬は原則として入会を許されないが、その理想的環境から雑種でない純血種の飼い犬が入居を希望して飼い主とトラブルになることも多く、実際に純血種の犬が少なくとも3匹は特例で入会を認められている(1匹は後に退会)。後述の『ネズミ・クラブ物語』と同様に、ホームの会員である犬たちの体験談をまとめた『雑種犬ホーム物語集』という本も作成されており、この本には『郵便局』で披露された、ジップが「骨貸し屋」を開業し画家のジョージ・モーランドと再会した際のエピソードも収録されている。 トビー(Tobby) 『サーカス』で初めて登場した、ガブガブがお気に入りの人形劇に出演している小柄なプードル。「パドルビーのパントマイム」ではハーレクイン役を演じる。サーカス団の解散後は飼い主のヘンリーと別れてジップを頼り、ドリトル家の一員となってジップや親友のスイズルと共にホームを創設した。 スイズル(Swizzle) 『サーカス』で初めて登場した、道化師・ホップの飼い犬。サーカス団の動物たちの間ではムードメーカー的な役割を担っていた。「パドルビーのパントマイム」では警官役を演じる。サーカス団の解散後はホップと別れ、親友のトビーと共にジップを頼ってドリトル家に身を寄せ、ホームを創設した。 クリング(Kling) 『動物園』と『楽しい家』の「気絶した男」に登場するベルギー出身のテリア。周囲からは「探偵犬」と呼ばれているが、クリング自身はそう呼ばれることを余り好んでいない。靴フェティシズムで、「噛むと心が落ち着く」との理由でボタン留めの茶色い革靴が特に好き。最初は詐欺師に飼われて金持ちに売られたふりをして屋敷の間取りを覚えて泥棒の手引きをしていたが、牧師の飼い犬に説教されて悔悛しブリュッセルで警察犬として働くようになる。いくつもの事件を解決し、「犬の名探偵」として名を馳せたが、刑事稼業が肌に合わず犬舎を脱走して渡英、空腹の余りネズミを食べて中毒を起こした所をジップに保護されてホームに住み着いた。『動物園』のムアスデン荘園火災事件と『楽しい家』のオニユリ号失踪事件では「探偵犬」の二つ名に恥じない名推理を披露する。 ブラッキー(Blackie) 『キャラバン』で、ツインクが保護されたハリスの店で売られていた猟犬。店が廃業した後、先生が買い取ってサーカス団に加わる。サーカス団の解散後はドリトル家に身を寄せ、ホームの一員となった。 グラブ(Grab) ハリスの店で売られていた雑種のブルドッグ。ハリスが盗品売買に関わっていることを先生に教えて不法侵入容疑で警察に突き出される危機を救った。店が廃業した後、ブラッキーと同様に先生が買い取ってサーカス団に加わる。サーカス団の解散後はブラッキーと共にドリトル家に身を寄せ、ホームの一員となった。 ケッチ(Qetch) 『月からの使い』第1部に登場する「教授」の二つ名を持つホーム会員のテリア。トビーの旧友で、スコットランドの農家に生まれた。子犬の時に引き取りを希望した相手が気に入らず農場を飛び出し、ジプシーの馬車に帯同したり牧羊犬や修道院の飼い犬、森での野犬生活などを経てパドルビーへたどり着き、旧友のトビーと再会してホームに入会する。ドアの把手やコウモリ傘、様々な動物の骨など人間から見たらガラクタとしか思えないようなものを多数コレクションしており、ホームに設けられた体育館の一角に「犬の博物館」を開いた。 ローバー(Rover) 『楽しい家』の「船乗り犬」に登場する、話し上手で他のホーム会員からの人気が高い犬。ある船でマスコットとして飼われていたが規則にうるさい船長から邪険に扱われて逃亡を試み、海に落ちたところを船員のスヌーキー(Snooky)に救助される。その後、スヌーキーはローバーを他の船員に見つからないよう匿っていたが犬の失踪を巡って船員の間で疑心暗鬼が巻き起こった末に船が座礁してしまう。ローバーは孤島で他の船員とはぐれたスヌーキーと共に行動し、他の船員が自力で海へ漕ぎ出した後もスヌーキーはローバーを置いて行けず島に留まったが、結果としてこの判断が功を奏してスヌーキーもローバーも通りがかった客船に救助された。 ぶち(Dapple) 『楽しい家』の「ぶち」に登場する、雑種ではなく血統書付きのダルメシアン。猟犬の自分を甘やかす飼い主のオズワルド夫人に辟易し、狂犬病を発症したように装って暴れ回りドリトル邸へ逃げ込んで来た。なお、ジップと旧知の画家・モーランドが飼っていた犬も井伏訳では「ブチ」と言う名前に意訳されているが、原文では"Spot"と言う別の名前である。 フリップ(Flip) 『月から帰る』に登場するアイリッシュ・セッター系の雑種。ごみの山を漁っていた野良犬として生活していた所をジップが見かねて月から帰って来た先生に紹介し、先生が月世界へ行っている間に多くの犬が去って寂れてしまったホームの再興に際して中心メンバーとなる。 スキッブ(Squib) 『月から帰る』に登場する、血統書付きのコッカー・スパニエル。狩りをしたことは無いが猟犬の血筋である自覚が強く、飼い主がチンのような愛玩犬として自分を扱うことに不満を抱いてホームへ身を寄せ、引き取りに来た飼い主を先生が説得して正式にホームの一員となった。捕まえ方は知らないが、一度は猟犬らしく鹿を追ってみたいと思っている。 プリンス(Prince) 『秘密の湖』第1部に登場する、血統書付きのアイリッシュ・セッター。先生達がアフリカへ旅立つ少し前、ジップの薦めでホームに入るが雑種でないことから他の犬からは敬遠されていた。また、猟犬としての誇りを持っているが当然ながら先生の庭では狩りが禁止されており、そのことを「ウサギ・ホテル」に出入りするウサギから嘲笑される生活に我慢が出来なくなったことからスタビンズに新聞広告を出してもらい、広告を見た新たな飼い主に引き取られて行った。本人及び血統書によれば祖父もコンテストで名を馳せた名犬。
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