バーベム財団
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一色真(いっしき まこと) 声 - 関俊彦 / 幼少:朴璐美 地球連合監察官で20話以降はTERRA臨時司令。バーベム財団から送り込まれた人間で、エリート意識が強く高慢な物言いをする。そのため、周囲からは「白ヘビ」と揶揄されていた。現在では性格は歪んでいるが、本来はとても優しい性格である。また、ドラマCDではバレンタインデーにチョコレートを欲しがるコミカルな一面を見せている。 樹、ヘレナと共に奏者候補として育てられたが、2人よりもランクが低い奏者(ランクD)であることがトラウマ、特に「D」という言葉に強い拒絶反応を示す。ランクDは量産型(デザイナーズチルドレン)の意。であり、15話「子供たちの夜」で登場した「先生」やシュバルツァーのパイロットは、全て彼と同じ顔をしている。その中でも、彼は寿命が延びた最新型のバージョン "3.20" で、幼少の頃に知らぬまま実験用ドーレム(15話)と同調し、奏者としての資質の片鱗を見せる。自分の素顔を晒すことも許されていない、その他大勢のDシリーズ達の中で唯一、固有名を与えられ英才教育を受けた彼は、確かに「選ばれた種」(15話より)であったはずだった。 結局、奏者にはなり得ず、それ以降は、常に自分の存在価値と意味を模索して生きてきた。事あるごとに神名綾人に対して苛立ち威圧高に詰るのは、つまるところ奏者としての価値を無くした自らの、劣等感の裏返しに過ぎない。また、樹の幼馴染として、彼の苦悩も充分熟知しているために、なおさら、その存在が許せず、嫌悪感に拍車をかけた様子。 その後、神名綾人逃亡の責任追及から功刀仁を更迭し、TERRA臨時司令となり、全精力を賭けTOKYO JUPITERを消滅させる「ダウンフォール作戦」を実行。TOKYO JUPITER自体は消滅したものの、それによってMUの戦力が世界に拡散する (この時世界中の上空にヒラニプラが現れる描写がなされた) という事態を招き、結果的にダウンフォール作戦は失敗に終わる。この作戦は敢えてそうなるように周囲(イシュトリの精神操作、および八雲達の情報隠蔽、そして障壁消滅のための捨石にするというバーベムの目論見)によってあらかじめ仕組まれていたものだった。そして最初で最後の作戦名もまた「D」作戦だった。 ダウンフォール作戦失敗が原因でTERRA臨時司令の任を解かれた後、唯一心を開いていた樹に裏切られた(と真は解釈している)上に財団からも見捨てられたことから、遂に精神の均衡を崩す。解任後は艦艇に監禁されていたが、25話で連行しに来た兵士達を殺害し脱走、さらにシュバルツァーのパイロットの生き残り3名と執事およびバーベム卿を射殺(この時既にバーベム卿の魂はヘレナの体に移っていたため、肉体のみで実際には殺せていないが)するも、直後に侍女のライラと相討ちとなり、凄惨な最期を迎えた。劇場版 「功を焦り功刀に対抗意識を燃やす戦術部長」として数シーン登場したのみであった。 ゲーム版 アニメ準拠編ではリーリャ・リトヴァク艦内でヘレナに射殺されるが、エンディングによっては本来の優しい男として家族と幸せに暮らす世界に調律出来る。バーベム傾向編では最期まで憎まれ役のまま、TERRA本部の爆発に巻き込まれて死亡する。 ヘレナ・バーベム 声 - 兵藤まこ エルンスト・フォン・バーベムの秘書的な存在で、よく彼のそばにいる。 かつて樹や真とともにランクBの奏者候補として育てられていた。バーベム卿に狂信的な愛情に近い忠誠心を持っており、最後は彼に自身の肉体を精神の器として差し出す。 当初は白いブラウスに黒いスカートという服装だったが、バーベム卿が彼女の肉体に乗り移ってからはブラウスの色が白から黒に変わった。漫画版 玲香の全快祝いパーティーのシーンにてモブキャラとして登場。 ゲーム版 ルートによってはバーベムを裏切って綾人側に付くこともある。 エルンスト・フォン・バーベム 声 - 家弓家正 TERRAを財政面、技術面で支援するバーベム財団の当主で、世界を裏から牛耳っている。一万年以上も生きていると噂されており、また何代も前から外見が変わっていないため「メトセラ」や「ノスフェラトゥ」(吸血鬼の総称で、ここでは「不死」の意)などの呼び名を持つ。 正体はラーゼフォンシステムの開発者であり、麻弥や久遠からは「ナーカルの兄弟」と呼ばれるMU世界を追放された生粋のムーリアン。自らを「創造主」とまで誇称する。外見が何代も前から変わらなかったのは、何万年も前から自分の意識をクローンに移し変えて生きてきたためである。ラーゼフォンの覚醒、そしてラーゼフォンによる世界の調律にのみ興味があり、奏者候補を生み出すなど長年にわたって準備を整えてきた。 物語後半で自分の肉体を捨て、ヘレナの肉体に精神を移す。彼の計画が最終段階を迎え、ラーゼフォンシステムが世界を調律する瞬間を目の当たりにし歓喜するが、その直後に歓喜の中で弐神=十文字によって射殺された。劇場版 かつて調律に失敗してMU世界を破滅させたことに何の反省もなくまた自分勝手な調律を行わせようとし、そして綾人の父を殺害させた「諸悪の根源」扱いで、己の意に反する予想外の調律に動揺した所を功刀によって射殺される。 TV版では、自身の作り上げた「ラーゼフォンシステム」の調律結果は、どのようなものであれ喜ばしいことと述べていたが、劇場版では「ムー世界への調律」を望んでいた。 ゲーム版 バーベム傾向編では最後は自らドーレムを駆り、ラストボスとして綾人と戦う。
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