はん‐ちゅう〔‐チウ〕【範×疇】
読み方:はんちゅう
1 《「書経」洪範の「天乃ち禹に洪範九疇を錫(たま)う」から》同じような性質のものが含まれる範囲。カテゴリー。「コメディーの—に属する映画」「趣味の—を出ていない」
2 哲学で、あらゆる事象をそれ以上に分類できないところで包括する一般的な基本概念。
㋐アリストテレスで、あらゆる存在者がその下に包摂される最高類概念。実体・量・質・関係・場所・時間・位置・状態・能動・受動の10項目。
㋑カントで、純粋理性概念(理念)から区別された純粋悟性概念。思惟能力としての悟性の先天的形式で、これによって悟性は対象を認識へと構成する。量(単一性、数多性、総体性)、質(実在性、否定性、制限性)、関係(付属性‐自存性、原因性‐依存性、相互性)、様相(可能性‐不可能性、現存在‐非存在、必然性‐偶然性)の4項12目。
樊伷
ハンチュウ |
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南陽の人で、古い名族だった《潘濬伝》。「樊胄」とも書かれる《襄陽記》。 樊伷は武陵郡の部従事を務めていたが、異民族たちを誘い入れて武陵郡をこぞって劉備に味方しようとしていた。これより先、関羽が殺されたとき郡県はみな孫権に帰服したが、その中に零陵北部尉の習珍という者がいて、密かに樊伷と盟約を結んだ《潘濬伝・襄陽記》。 章武元年(二二一)七月、劉備が秭帰に進出すると武陵の諸県や蛮民が彼に呼応したので、孫権は陸遜・潘濬らに鎮圧させたとある《先主・呉主伝》。樊伷が挙兵したのはこのときのことであろうか。 現地の官吏は「一万人を預けて督を派遣してくれ」と訴えたが、孫権は聞き入れず、特別に潘濬を呼んで訊ねてみた。潘濬「兵士五千人もあれば生け捕るに充分です」、孫権「卿はなぜ軽視なさるのか?」、潘濬「樊伷は口先が達者ですが実は弁論の才能がありません。臣がそれを知っているのは、樊伷はむかし州の人々を食事に招いたことがあり、真昼になっても食事ができず彼自身で十回以上も立ち上がるということがあったからです。これこそ俳優は一節を見れば分かるというものです」。孫権は大笑いした《潘濬伝》。 潘濬は孫権の命を受けて兵士五千人を率いて出撃、樊伷は敗れて斬首された《潘濬伝》。ほどなく習珍も潘濬によって平定された《襄陽記》。 【参照】関羽 / 習珍 / 孫権 / 潘濬 / 劉備 / 荊州 / 南陽郡 / 武陵郡 / 部従事 / 零陵北部尉 / 督 |
樊稠
樊胄
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