ネロに関わる大人たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:02 UTC 版)
「フランダースの犬 (アニメ)」の記事における「ネロに関わる大人たち」の解説
ハンス 声 - 村松康雄 コゼツ家の商業使用人。コゼツ家の事業の手伝い、風車小屋の管理、ネロの家を含む貸家管理等をしている。村で2番目に金持ちだが守銭奴で、ほとんどコゼツの腰巾着となっている。 底意地の悪い性格であり、相手が自分より弱い立場だと傲慢な言動をするが、相手から毅然とした態度や正論で返されると途端に逃げ腰になる。コゼツの頼みを忘れたりするなどかなりルーズな一面もある。風車の調子が悪くてもその作業を明日に回してしまうなど、怠慢且つ杜撰で風車に対する愛情は皆無。 息子のアンドレを将来アロアと一緒にしようと企んでおり、アロアと仲の良いネロに対して冷酷な仕打ちを行う。何か問題が起きると根拠もなしに全てネロの仕業であると公言したり、ネロに対価に見合わないような仕事を依頼しておきながら賃金を支払わずに「次の家賃から引いておけ」と言ったり、自分の落ち度での不始末をネロに八つあたりしたり、コゼツに虚偽の報告をしてネロに罪をなすりつけるなど、大人としての常識性すら満足に持ち合わせていない厚顔無恥な卑劣漢である。 また、ジェハンが亡くなった直後に家賃の取り立てに現れ、支払いが遅れれば追い出すと言い放つが、劇場版ではそのやり口を後に改心したコゼツにも咎められている。 風車小屋の火事でも何の証拠もなくネロが放火したと真っ先に疑い出したが、前述のとおりネロの放火は無実のうえ、火事の真の原因は自分とコゼツの過失だった。火事の原因は、注油や掃除を怠ったまま風車を使い続けたため、溜まったホコリが軸の摩擦熱により発火し、それが小麦袋に燃え移ったことによるもの。ノエルにネロの風車小屋への放火の濡れ衣を指摘された際も、最初は「そんな噂もちらほら」とはぐらかしていたが、これが結果的にノエルに更に怒りを募らせることとなり、怒鳴りつけられた。 最終的には自分のこれまでの行いを反省して改心し、ネロ探しの際にも「俺が悪かった。もう意地の悪いことなんか金輪際しないからアンドレと仲良くしてくれ」と泣き叫びながら探していたが全ては後の祭りであり、結果として自身の行いがネロの死という悲劇を招いた一因となってしまった。 本作品には登場しないが、原作にはアニメ版でのハンスの役回りに当たる人物として、ネロの家の大家としてコゼツの家に週一で通う「欲の深い冷酷な金好き(新潮文庫55ページより引用)」の靴屋が登場している。この靴屋はジェハンの葬儀の翌日に家賃を滞納したネロから家財道具一切を取り上げて追い出すなど、ハンスに輪をかけて情のない人物である。 ヌレット(Nulette) 声 - 遠藤晴 ネロの家の隣に一人で住んでいる老婆。 非常に人がよく、ネロの母親代わりのように接するが体を壊し、娘夫婦に引きとられて遠くに引っ越すことになる(これがネロ達との今生の別れになることを知る由もなかった)。その際、ネロにクリスマスには戻ってくると約束、52話で再登場し、ネロが姿を消したことに最初に気付く。そして、ミシェルにジェハンの死を知らされその場に泣き崩れる。ネロの家に向かう際パトラッシュとすれ違うも事情を知らなかったため、「(ネロとずっと一緒にいる)パトラッシュがこんな所にいるはずない」と解釈してしまい、これがネロが命を落とす引き金ともなった。 原作では名前のみ登場。寝たきりになったジェハンの様子見をしてくれていたらしい。 ミシェル 声 - 雨森雅司 森の中で一人で生活している木こり。ジェハンの古き友人でネロの数少ない理解者の一人。 銃声が嫌いで、ハンスが銃を撃ったことがわかった時、彼に対して怒鳴っている。 怪我で働けなくなった際に幼いネロが一人で注文の木材を切り出したことで彼を木こりにしようと思うようになる。ジェハンの死を知った後、一人ぼっちになったネロを引き取ろうとするが、コンクールの結果が出るまではジェハンと生活した家にいたいというネロの願いを優先した。最終話でネロを引き取ろうと家に迎えに来るが、全てに絶望したネロは既に家を出てしまっていた。その際、先に来ていて現状を知らないヌレットにジェハンの死を知らせた。そして、ヌレットからネロがいないことを教えられるとヌレットと共にネロを探した。 字幕や台詞ではミシェルになっていたり、ミッシェルになっていたりと統一されていない。原作では名前のみの登場だが、コンクールに提出された絵の題材はミシェルである。 ノエル 声 - 永井一郎 腕の良い風車職人の老人。頑固で大層変わり者だが、実は常識人で、ネロのことを正しく評価して理解を示す。 縦笛で陽気な曲を吹きながらロバ公と呼ぶロバと共に風車のある土地を周っている。 酒好きで、革袋に入れた酒を仕事終わりなどに飲んでいる。 普段は温厚な性格だが、最終話でネロを犯人扱いしたハンスに激怒し、「馬鹿者!あの風車を火事にした犯人はお前だぞ!」と怒鳴り散らし、火事の真の原因を作ったコゼツとハンスにその詳しい原因を説明した後、「それをネロが火をつけたなどと言いふらしたのは一体誰なんだい⁈」とハンスを徹底的に責め続けた。その後、ネロを探すのに協力した。 アンソール 声 - 飯塚昭三 パトラッシュの元の飼い主で、髭面で乱暴な金物屋。商品が売れると酒を飲んでばかりいる。 水も飲ませず酷使していたパトラッシュが瀕死の状態になると、死んだと思って捨ててしまった。しかし、恢復したパトラッシュとアントワープで再会するや所有権を主張し奪い去ろうとする。 ジェハンと話し合いの末、分割払いで3フランで売ることに同意する。ジェハンからの支払いがタイミング悪く受けられなかったことに怒り、パトラッシュを強奪するが、途中で逃げられる(第19話、第20話)。 第19話でジェハンが、金物屋が常連として通っている飲み屋の主人に「金物屋さんが来たら渡してください」と3フランを預かってもらった。 第21話以降登場しないため、その後どうなったのかは不明。 放映時には、その素行の悪さから視聴していた子どもたちやその親から嫌悪され、金物商に対する職業蔑視や嫌がらせ行為などが起こり、社会現象ともなった。 原作では、酔った勢いで起こした喧嘩が原因で死亡している。 貴婦人 声 - 北浜晴子 第28話で登場する親切な貴婦人。 息子を亡くした悲しみを癒すため旅行に来ていたアントワープで、荷車が壊れて立ち往生していたネロと出会った。ネロに亡くした息子の面影を見出し優しく接する。大聖堂にルーベンスの絵があと2枚あることを教えてくれた。 第30話でネロと偶然再会し、イギリスへの帰国前にルーベンスの2枚の絵を一緒に見る約束をするも、ネロがジェハンの急病とハンスの嫌がらせによって遅参したために果たせぬままイギリスへと帰って行った。
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