コゼツ家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 10:02 UTC 版)
「フランダースの犬 (アニメ)」の記事における「コゼツ家」の解説
アロア・コゼツ(Alois Cogez) 声 - 桂玲子(#1#2話麻上洋子、#12のみ松尾佳子) ヒロイン。ネロの幼なじみで白い三角巾を被った8歳の少女。勝ち気で天真爛漫な性格をしている。ネロが大好きでとても信頼しており、仲が良くいつも一緒に遊んでいる。好奇心旺盛で、ネロが何かをしていると自分もやりたがり、ネロの心配をよそに「へいきよ~」と少々危なっかしい行動をすることも多い。ネロに会えないと元気を無くしてしまう程、彼女にとってネロは掛け替えの無い大事な存在となっている。ネロの絵に関しても好意的で、コンクールでは落選してもヘンドリック・レイがネロの才能を見出し迎えに来たことで、「ネロ、あなたが描いた絵は誰にも負けやしなかったのよ」と最終話で語っていた。ネロが風車小屋の放火の疑いをかけられた時も、絶対無実だと最後まで信じ切っていた。 一時期行儀見習としてイギリスに留学させられるが、ほどなくして心を病んで戻ってきた(これは、ネロとアロアを引き離したいと言うコゼツの下心もある様子でもあった)。その後寝たきりとなってしまうが、ネロの励ましで回復し、またネロに会えることを喜んだ(それでも父はネロを認めるまでには至らず、懲りずに再度イギリスに行かせようとしたがバートランド先生に止められる)。 ネロに冷たく当たる父と衝突することがしばしばあり、その強い姿勢が最終的に父を改心させることになるが時既に遅く、ネロは闇夜の吹雪の中に消えてしまっていた。最終回でネロが家を出て行ってしまった時はネロを誰よりも心配し、「どうして行ってしまったの?ネロ、お願い帰ってきて」と涙する。両親や親友、村人がネロを捜索する中、自分はネロの家に残り「マリア様、お願いです。私は死んでもいいから、ネロを助けてください」と祈るがそれも虚しく、終盤ではネロの死を感じ取るかのように吹雪の中外へ飛び出して、ネロの名を悲しみながら大声で呼び続けたがネロは天に召され、クリスマスに最愛の友を喪うという悲しい結末を迎えることとなってしまった。 劇場版では成人して修道院でシスターとなっており、子供達の世話をしながらネロとの想い出を見つめ直している。 トレードマークである三角巾にエプロン姿は、フランダース地方の習俗に馴染みが薄い日本人のために、オランダの民族衣装を元にデザインされたものである。 バース・コゼツ(Baas Cogez) 声 - 大木民夫 アロアの父親。村一番の金持ち。 原作では粉屋だが、アニメ版では村の土地の殆どを所有する大地主で事業家になっている。アロアを溺愛しているが躾には厳しい。 貧しい家に生まれながらも苦学して一代で財をなした努力家ではあるが、成金特有の傲慢さや善悪基準の疎さがある。その為、自身の貧乏育ちを省みず、身分の低い者に対して無理解な態度を取るなど、人間としての器の小ささが目立っていた。加えて、アロアに対する躾の厳しさがアロアを苦しめていることにも気付いていないなど(ネロとの交流を禁じる、行きたくもないイギリスに行かせる等)、独善的な思考をしている。 貧乏人であるネロを見下しており、彼がアロアと仲良しでいるのが気に入らない。そのため、ネロに対して「馬鹿げた夢を見ている怠け者」と見做して冷酷な態度で当たる。上記の事からネロが働き者であることすら知らない。アロアに関わる悪いことが起きると、ハンスが何の確証もなく思い込みで発言した「きっとネロの仕業に違いない」などの言葉を鵜呑みにするなど、暗愚で大人げない思想の持ち主。 風車小屋の火事でもネロが放火したというハンスの思い込みの言葉に惑わされてネロに対する(身勝手な)怒りを爆発させ、情け容赦なく罵倒した。大地主であるコゼツに逆らう者はおらず、結果としてネロは村八分にされることになる。 後に自らが紛失した二千フランが戻ってきた際、アロアからネロが届けたものと知らされると、今までネロにしてきた仕打ちを深く後悔し、その罪の重さと己の愚かさ・弱さを実感すると同時にネロの優しくて正直な気持ちを初めて知る。さらにはネロの風車小屋の放火は無実のうえ、火事の真の原因は自分とハンスの過失(後述)にあることをノエルから聞かされると、今までのことも含みネロに謝罪し償いとして我が家に迎え入れアロアと同じようにどんな勉強でもさせてあげようと決心するも、ネロは既に家を出て行ってしまった後であった。村人に協力を要請して、自身も「帰ってきて、このわしを許すと言ってくれ」と泣きながら探すが手遅れに終わり、生涯償いきれないほどの大きな罪と深い深い後悔の念を背負って行く運命となった。 クレジット表記は「コゼツ」で、また周囲からも「コゼツの旦那」とのみ呼ばれており、「バース」という本名は劇中では一度も登場したことがない。 エリーナ・コゼツ(Ellina Cogez) 声 - 中西妙子 アロアの母親。 非常に思いやりがあり、両親のいないネロに対しても親切を惜しまない。しかし、その親切をいつも夫にとがめられるため、密かにネロを支援する。綺麗なチューリップの花畑を所有している。 最終回で家を出て行方不明になってしまったネロを探す際、一緒に探しに行こうとしたアロアに「いけません。あなたが出て行ってもどうなることではないんです。皆さんがきっとネロを探し出してくださるわ。あなたまでこんな雪の中に出て行ったらどんなことになるかわかりません。心配しないで待っているのよ」と制して「私たちが悪かったのよ。お願いアロアも心配してるから姿を見せてちょうだい」とネロを探したが、結局ネロを救うことは叶わずアロアとの約束も果たせぬまま終わってしまった。
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