デジタル‐けいたいでんわ【デジタル携帯電話】
読み方:でじたるけいたいでんわ
デジタル携帯電話
【英】digital cellular phone
デジタル携帯電話とは、デジタル方式による変調・復調により通話を行う携帯電話のことである。
デジタル携帯電話では、音声を送信側で符号化(変調)して送信し、受信側でアナログ信号に戻す(復調)。また、エラーを訂正しやすいために伝播損失に強く、暗号化して送受信するために盗聴されにくいのも特長である。
デジタル携帯電話の当初の規格であるPDCやGSMは、多重化方式として同じ周波数帯域を一定時間ごとに分割して共有するTDMA、同時送受方式として周波数帯を半分に分割するFDDを採用している。また、その次の規格であるCDMA2000やW-CDMAなどは、音声信号に発信者固有の符号を付与することで周波数効率の良い通信方式であるCDMAを基にしており、現在のデジタル携帯電話の主流である第3世代携帯電話で採用されている。
アナログ携帯電話と比較して高い周波数と広い周波数帯を使うため、一度に送ることができるデータ量を増やすことができ、リッチコンテンツ、音楽や映像配信など、大容量かつ高速なインターネット端末化を容易にした。また、デジタルカメラやGPS、PCサイトを見ることができる機能を搭載した端末も豊富である。
なお、日本ではNTTドコモやソフトバンクモバイル、イー・モバイルがW-CDMAを、au(KDDI)がCDMA2000を採用している。
デジタル携帯電話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/23 07:27 UTC 版)
デジタル携帯電話は、自動車電話の端末を小型化したものであるため、コードレス電話として開発されたPHSとは異なり、電波の出力も強く(基地局の出力はPHSが最大0.5Wに対し、携帯電話では最大25W)、利用可能なエリアも広い。 反面、周波数帯域利用効率が劣るため、音声符号化方式に圧縮率の高いものを使用しているため音質が悪く、大都市の大きな鉄道駅(ターミナル駅)の周辺や繁華街など人通りの多い場所では、利用者に対して通話用のチャネル数が少なく、輻輳が生じやすいなどの欠点も有する(日本においては、3G《第三世代携帯電話》は2G《第二世代携帯電話》と比較して、エリアはそれほど広くなく、また、利用者数には余裕があり、逼迫等の問題は起きていない。)。 Gは世代 (Generation) を表す。 第二世代携帯電話 (2G) と呼ばれている、デジタル携帯電話がある。 FDD-TDMA方式の比較略称搬送波変調方式音声(ハーフレート)特徴利用地域・事業者間隔(kHz) (インタリーブ)伝送速度(kb/s)チャネル(ハーフレート)伝送速度(kb/s)符号化方式GSM400 (200) 270.833 8 (16) GMSK 22.8 (11.4) ACELP, RPE-LTP(EVSELP) 多重化チャネル数が多いため基地局設備が安価。 2005年現在、210以上の国や地域で使用されているデジュリスタンダード(日本・韓国・北朝鮮は不使用) EDGE812.5 3π/8 8PSK 6.60 - 23.85 (1.95 - 12.65) AMR-WB(AMR-WB, AMR-NB) GSMの拡張。高音質 オプション 3G。2007年1月時点全世界196サービスされている「IMT-2000」規格のデファクトスタンダード PDC50 (25) 42 3 (6) π/4 DQPSK 11.2 (5.6) CS-ACELP, ACELP, VSELP(PSI-CELP) 多重化チャネル数が少ないため、端末の瞬時最大空中線電力を小さくでき、電池の容量当たりの待ち受け・通話時間を長くすることが容易。 日本 : 第3世代携帯電話への移行が急速に進み、2003年3月にau、2008年3月にツーカー、2010年3月にソフトバンクモバイルがそれぞれサービスを終了。唯一回線を提供していたNTTドコモが2012年3月にサービス終了し、PDC方式のサービスはすべて終了。 D-AMPS60 (30) 48.6 13 (6.5) ACELP, VSELP(CELP) AMPSと周波数帯域を共用できる。(IS-136/IS-54) 北米 第三世代携帯電話 (3G) と呼ばれている、通信速度が速く、周波数帯域利用効率の良いものもある。高速データ通信の拡張規格も開発されている。 FDD-CDMA方式の比較略称帯域幅(MHz)チップレート(Mcps)フレームガードバンド基地局の精密同期チャネル分離拡散符号電力制御(回/秒)変調方式音声制御・端末位置登録特徴利用地域・事業者長(ms)スロット数伝送速度(kb/s)符号化方式cdmaOne (IS-95)1.25 1.2288 20 16 要 Walsh Code (128) M系列のLong PNとShort PNとを組み合わせ 800 π/4 DQPSK 1.2 - 9.6 EVRC, SMV, VMR-WB ANSI - 41 米国クアルコム開発の2.5G 米国・韓国・香港イスラエル・ベネズエラ日本 : au(KDDI/沖縄セルラー) CDMA2000 (IS-2000)3G W-CDMA5 3.84 10 15 不要 Orthogonal Variable Spreading Factor Code Gold 系列 1500 1.95 - 12.2 GSM - AMR - NB GSM - MAP 3G 欧州・日本 : NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルサービス中。第三世代への世代交代が進むなか、新たなデジュリスタンダードになりつつある。 6.60 - 23.85 GSM - AMR-WB 高音質 オプション TDD-CDMA方式の比較略称帯域幅(MHz)チップレート(Mcps)フレーム端末間の精密同期特徴利用地域・事業者長(ms)スロット数TD-CDMA 5 3.84 10 15 不要 慶應義塾大学理工学部中川正雄教授を中心に開発 TD-SCDMA 1.2288 要 中国・電信科学技術研究院、ドイツ・シーメンスなどが開発 中国規格 TD-SCDMA (MC) マルチキャリア・米Navini Networksのシュー・グアンハンが提案 ※DECTも第三世代携帯電話 (3G) に属する。(IMT-FT)
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