コードページ437
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/13 07:24 UTC 版)
コードページ437とは、オリジナルのIBM PC(パーソナルコンピュータ)の文字セットである。CP437やOEM-US、OEM 437[1]、PC-8[2]、DOS Latin USとしても知られる[3]。32番から126番のASCIIコード、アクセント付き文字(ダイアクリティカルマーク)の拡張範囲のコード、ギリシア文字がいくつか、アイコン、線を引くための記号、これらが含まれている。「OEMフォント」や「high ASCII」、「拡張ASCII」[2](同様に互換性のないASCII拡張の1つ)として言及されることもある。
- ^ a b c 0、32 (20hex)、255 (FFhex) ではすべて空白が表示される。IBM PC向けにデザインされたワードプロセッサではU+00A0のノンブレーキングスペース (NBSP) にあたる255が使われている。
- ^ ギリシア文字の大文字のデルタ[U+0394, Δ]として127 (7Fhex) も時々使われた。
- ^ 225 (E1hex) はIBMによってラテン文字の「小文字の鋭いs」[10][U+00DF, ß]として識別されているが、OEMフォントではギリシア文字の小文字のベータとして表示されることがある。
- ^ 227 (E3hex) はIBMによってギリシア文字の「小文字のパイ」[U+03C0, π]として識別されているが、OEMフォントではギリシア文字の大文字のパイ[U+03A0, Π]やN項の総乗記号[U+220F, ∏]として表示されることがある。
- ^ 228 (E4hex) はIBMによってギリシア文字の「大文字のシグマ」[U+03A3, Σ]として識別されているが、N項の総和記号[U+2211, ∑]としても使われる。
- ^ 230 (E6 hex) はIBMによってギリシア文字の「「小文字のミュー」[U+03BC, μ]として識別されているが、マイクロ記号[U+00B5, µ]として使われることもある。UnicodeやIBMのギリシア文字のGCGID表[11]ではこのコードページのこの文字はこのギリシア文字に対応付けられているが、例えばPythonではマイクロ記号に対応付けられている。
- ^ 234 (EAhex) はIBMによってギリシア文字の「大文字のオメガ」[U+03A9, Ω]として識別されているが、オーム 記号[U+2126, Ω]としても使われる。Unicodeではオーム記号は大文字のオメガと同じであるとみなされており、後者をどちらの状況でも使うことを推奨している[12]。
- ^ 235 (EBhex) はIBMによってギリシア文字の「「小文字のデルタ」として識別されている。また非公式的に小文字のエズ[U++00F0, ð]や偏微分の記号[U+2202, ∂]としても使われた。
- ^ 237 (EDhex) はIBMによってギリシア文字の「「小文字の(閉じた形の)ファイ」[U+03D5, ϕ、または斜体の数学用英数字記号であるU+1D719, 𝜙]として識別されているが、 (Pythonのコーデックライブラリなど[13])一部のコーデックは開いた(または緩い)字形[U+03C6, φ]でUnicodeに割り当てられている。IBMのギリシア文字のGCGID表[11]とUnicodeのギリシア文字のチャート[14]を見比べると、Unicodeへの対応付けを行うときにどこで開いた形と閉じた形をIBMは逆にしたかなどが分かる。この文字は空集合の記号[U+2205, ∅]や、直径記号[U+2300, ⌀]、ストローク付きの0[U++00D8, ØとU++00f8, ø]として使われることもある。
- ^ 238 (EEhex) はIBMによってギリシア文字の「「小文字のエプシロン」[U+03B5, ε]として識別されているが、OEMフォントでは属する記号[U+2208, ∈]として表示されることがある。後に非公式的にユーロ記号[U+20AC, €]として使われた。
- ^ チェックマーク[U+2713, ✓]として251 (FBhex) も時々使われた。
- ^ 西ヨーロッパやアラブ、アジアの国でのシステムでは異なる文字セットがよく使われる。「OEM」という名称は「他社ブランドの機器製造メーカー」を意味し、ROMで提供される「ネイティブ」なハードウェア文字セットは製造メーカーによって異なる市場に沿うように変えられるということを示す。
- ^ “OEM 437”. Go Global Developer Center. マイクロソフト. 2016年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年9月22日閲覧。
- ^ a b “OEM font”. Encyclopedia. PCmag.com. 2011年11月15日閲覧。
- ^ Kano, Nadine. “Appendix H Code Pages”. Globalization and Localization : Code Page 437 DOS Latin US. マイクロソフト 2011年11月14日閲覧。
- ^ a b c “Glossary of Terms Used on this Site”. マイクロソフト. 2018年8月17日閲覧。
- ^ Murray Sargent. “Entering Unicode Characters – Murray Sargent: Math in Office”. 2018年8月17日閲覧。
- ^ “ALT+NUMPAD ASCII Key Combos: The α and Ω of Creating Obscure Passwords”. 2018年8月17日閲覧。
- ^ “Insert ASCII or Unicode Latin-based symbols and characters - Office Support”. マイクロソフト. 2018年8月17日閲覧。
- ^ “SBCS code page information document CPGID 00437”. Coded character sets and related resources. IBM (1986年). 2016年6月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年11月14日閲覧。
- ^ Steele, Shawn (1996年4月24日). “cp437_DOSLatinUS to Unicode table” (TXT). Unicodeコンソーシアム. 2011年11月14日閲覧。
- ^ “Code Page (CPGID): 00437” (TXT). Coded character sets and related resources. IBM (1984年). 2017年2月25日閲覧。
- ^ a b “Graphic character identifiers: Alphabetics, Greek”. Coded character sets and related resources. IBM. 2017年2月25日閲覧。
- ^ Unicodeコンソーシアム (2003-05-21). “Chapter 7: European Alphabetic Scripts” (PDF). The Unicode Standard 4.0. Addison-Wesley (2003-8発行). p. 176. ISBN 0-321-18578-1 2016年6月9日閲覧。
- ^ “cpython/cp437.py at master · python/cpython · GitHub”. 2018年8月17日閲覧。
- ^ “Greek and Coptic: Range: 0370–03FF” (PDF). The Unicode Standard, Version 9.0. Unicodeコンソーシアム. 2017年2月25日閲覧。
- ^ “Origins of the ASCII Smiley Character: An Email Exchange With Dr. David Bradley” (2015年11月6日). 2016年11月27日閲覧。 “[…] If you look at the first 32 characters in the IBM PC character set you'll see lots of whimsical characters — smiley face, musical notes, playing card suits and others. These were intended for character based games […] Since we were using 8-bit characters we had 128 new spots to fill. We put serious characters there — three columns of foreign characters, based on our Datamaster experience. Three columns of block graphic characters […] many customers with Monochrome Display Adapter would have no graphics at all. […] two columns had math symbols, greek letters (for math) and others […] about the first 32 characters (x00-x1F)? […] These characters originated with teletype transmission. But we could display them on the character based screens. So we added a set of "not serious" characters. They were intended as display only characters, not for transmission or storage. Their most probable use would be in character based games. […] As in most things for the IBM PC, the one year development schedule left little time for contemplation and revision. […] the character set was developed in a three person 4-hour meeting, and I was one of those on that plane from Seattle to Atlanta. There was some minor revision after that meeting, but there were many other things to design/fix/decide so that was about it. […] the other participants in that plane trip were Andy Saenz — responsible for the video card, and Lew Eggebrecht — the chief engineer for the PC.”(訳注: 引用の翻訳: [...]IBM PCの文字セットの最初の32文字を見たらスマイリーフェイスや音符、トランプのスートなど、たくさんの変わった文字があることがわかります。これらは文字ベースのゲームに使うためのものでした。[...]8ビット文字を使っていたため新たに128この空きがありました。データマスターでの経験をもとにして重要な文字、外国語の文字を三桁にわたりいれました。ブロックの表示文字を三桁にわたりいれました。[...]MDAを持っている多くの顧客はグラフィックはまったく使えなかったでしょう。[...]残りの2桁には数学記号や(数学用の)ギリシア文字などがありました。[...]最初の32文字(x00からx1F)はどうしましょうか。[...]これらの文字はテレタイプの送信から来ていますが、文字ベースの画面に表示できました。なので「重要ではない」文字を加えました。文字を表示するためであって通信や保管のためではありませんでした。一番ありそうな使い方は文字ベースのゲームでしょう。[...]IBM PCに関してほとんどのことはそうでしたが、1年間の開発スケジュールではよく考えたり、修正を行う時間はほとんどありませんでした。[...]その文字セットは3人での4時間の会議中に開発されました。またそのシアトルからアトランタへの飛行機の中で会議を行った人の1人は私です。会議の後ちょっとした改訂のようなものがありましたが、そのために設計や修正、決定することがほかにもたくさんありました。[...]その飛行機に乗っているときにいたほかの関係者としてビデオカードの責任者のAndy Saenz、そのPCの主任技術者のLew Eggebrechtがいました。)
- ^ Programmer's Guide to PC & PS/2 Video Systems: Maximum Video Performance Form the EGA, VGA, HGC, and MCGA (1st ed.). Microsoft Press. (1987-12). ISBN 1-55615-103-9. 978-1-55615-103-3
- ^ Mike Jacobs. “MS LineDraw font family - Typography | Microsoft Docs”. Microsoft typography. マイクロソフト. 2018年8月17日閲覧。
- ^ Staff (2013年10月26日). “WD97: MS LineDraw Font Not Usable in Word”. Microsoft. マイクロソフト. 2016年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月1日閲覧。
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