コードバとは? わかりやすく解説

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コードバ

名前 Cordova

コードバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/28 08:34 UTC 版)

コードバ

Cordova
コードバ市
City of Cordova
愛称: 
アラスカの交差点
(The Crossroads of Alaska)
コードバの位置
座標:北緯60度32分37秒 西経145度45分07秒 / 北緯60.54361度 西経145.75194度 / 60.54361; -145.75194座標: 北緯60度32分37秒 西経145度45分07秒 / 北緯60.54361度 西経145.75194度 / 60.54361; -145.75194
アメリカ合衆国
 アラスカ州
国勢調査地域 チュガック国勢調査地域
法人化 1909年7月8日[1]
政府
 • 市長 デイヴィッド・アリソン[2][3]
面積
[4]
 • 合計 75.14 mi2 (194.62 km2)
 • 陸地 61.35 mi2 (158.89 km2)
 • 水域 13.80 mi2 (35.73 km2)
標高
82 ft (25 m)
人口
2020年[5]
 • 合計 2,609人
 • 密度 35人/mi2 (13人/km2)
等時帯 UTC-9 (AKST)
 • 夏時間 UTC-8 (AKDT)
ZIP code
99574
電話番号 907
FIPS code 02-17410
GNIS feature ID 1421215
ウェブサイト CityofCordova.net

コードバ(Cordova)とは、アメリカ合衆国アラスカ州チュガック国勢調査地域に属する、太平洋岸に存在する港町の1つである。

概要

コードバの町は、おおよそ北緯60度32分37秒、西経145度45分07秒付近に位置しているものの、町の気候は高緯度の割には温暖である。町の人口は、1910年から1970年頃までは概ね1000人程度、1980年以降は2000人程度で推移している [6] 。 町の面積は約195km2であるものの、このうちの約19%に当たる約35km2は水域であり、陸上の土地は約159km2である。この町の昔からの基幹産業としては漁業は挙げられ、この町で魚の加工場が最初に作られたのは1887年のことである [7] 。 この町で漁獲を行う主な魚は、特に付近の河川(Copper River)に戻ってくるサケである。また、その養殖場、加工場なども存在する。この他、野生生物では渡り鳥がやってくる場所としても知られていて、毎年5月には「The Copper River Delta Shorebird Festival」という祭りも開催されている。なお、この町でよく見られる鳥は、海岸付近に住むことで知られているイソシギなどが挙げられる。その他の鳥類も見られるので、夏季には野鳥観察を目的に町を訪れる観光客も見られ、観光客向けの野鳥観察ツアーや講習会なども開催している。さらに夏季には、シーカヤックを楽しむ観光客も見られる。そして冬季には、古くからスキーが盛んに行われてきた場所であり、付近の山(Mount Eyak)には、2009年現在、北アメリカ大陸で現役で使用されているスキー用リフトの中では最古とされるリフトが存在している [8] [注釈 1] 。 また、ヘリコプターでリフトの設置されていないような場所にまで運んでもらって、そこからスキーで滑降してくるといったことも、スキーの技量が十分であれば可能であり、そのためのヘリコプターを運用している企業(Points North Heli-Adventures Inc)も存在している。なお、観光客は船か飛行機でこの町に来るのが一般的である。


歴史

政治

気候

コードバの町は、高緯度に位置している割には温暖な気候である。これは付近にアラスカ海流暖流)が赤道方向からの熱を輸送してきていることの効果である。夏季は最高気温の平均が15℃程度と冷涼であるものの、北緯60度に位置していながら、冬季の最低気温の平均ですら-9℃程度である [9] 。 また、この町よりも少し内陸側にはチュガチ山地(Chugach Mountains)などの山地群があるために、この太平洋からの湿った空気が山々に当たって上昇してを作り、そのためも比較的降りやすい。年間の平均125日程度は降水があり、年間の平均降水量は約2260mm。降雪があるのは、北緯60度に位置していながら、だいたい12月から3月の冬期間だけである。ただし、この間の降雪量は平均約323mと比較的降雪が多い。なお、コードバの町の付近で公的な気象観測が行われているのは、町から約17.7kmほど離れた所に存在するマール・K(マッドホール)スミス空港であるものの、コードバの町の天候は、この空港とさして変わらない。

以下表は weatherbase.com 2010年4月5日閲覧[9]より。

最高気温の平均 (℃) 最低気温の平均 (℃) 1ヶ月間の降水量合計の平均 (mm)
1 -1 -9 170
2 1 -8 127
3 3 -7 104
4 7 -3 109
5 11 2 147
6 14 6 94
7 16 8 185
8 16 7 229
9 13 4 358
10 8 0 323
11 3 -4 229
12 0 -8 193

漁業について

コードバの町の基幹産業は漁業である。漁を行う者と海産物の加工などに関わる者を含めた漁業関係者は、この町の概ね半数の世帯に及ぶ。この町にとって特に重要な魚はサケであり、太平洋を巡った後に付近の川(Copper River)に戻ってくるサケの成魚を、この川の三角州などで漁獲している。ただし、サクラマスだけは漁獲していない。また、海産資源保護のために、この町の漁師はある一定の規制の元で操業を行っている。この他、サケの養殖場も存在しており、稚魚の放流も行っている。

人口の推移

アメリカ合衆国 国勢調査[6]より。

時点(年) 人口(人)
1910 1152
1920 955
1930 980
1940 938
1950 1165
1960 1128
1970 1164
1980 1879
1990 2110
2000 2454
2010 2239
2020[5] 2609

施設

コードバの町には、小学校、中学校、高校までが存在している。この他、この町には元々図書館は存在していたものの、2010年末にコードバセンター(Cordova Center)なる、図書館、博物館講堂、会議場などを備えた施設が完成した。

交通機関

陸路・海路

コードバの町へは、船か飛行機で来ることが一般的となっている。と言うのも、この町は他の町との道路が整備されておらず、どこの町とも道路がつながっていないからである。かつて、鉄道でもコードバに来ることができたものの、1964年の地震Good Friday Earthquake)によって橋(Million Dollar Bridge)が破壊されたために、以降鉄道は不通のままとなっている。また、この町から約79.7kmほど伸びているCopper River Highwayも、コードバの北17.7km付近までは舗装されているものの、その先は未舗装のまま放置されており、地震で破壊されたMillion Dollar Bridgeの所で断絶していてどこにもつながってない。このため、乗用車やトラックはフェリーを使ってこの町にやってくる。

空路

コードバ付近には2つの空港が存在する。このうち町から約17.7kmほど離れた所に存在するマール・K(マッドホール)スミス空港は、アラスカ航空(Alaska Airlines)が就航していて、約2286mのアスファルトで舗装された滑走路を持つ規模の大きな空港である [10] 。 もう一方は、町から約1.8kmほどの所に存在するコードバ地方空港だが、これは約550mの未舗装で砂利の敷き詰められた滑走路があるだけの小さな空港である。こちらは、主に個人所有の小型機が利用する空港である [11] 。 なお、コードバ地方空港では隣接するイヤク湖を利用して水上機の発着も行われている。

マスコミ

新聞

1914年に地元の新聞社(Alaska Newspapers, Inc.)による地元紙(Cordova Times)が創刊された。これは毎週木曜日に発行される週刊紙であった。しかし、これは2011年を以って廃刊となってしまった [注釈 2]

ラジオ

コードバで放送を行っているラジオ局は3局存在する。AM放送を行っているのが、1954年から放送を行っているKLAM(1450Hz)で、主に昔ながらのロックカントリーを流す音楽番組、ニュース番組、トーク番組を放送している [12] 。 残り2局はFM放送である。まず、1997年から放送を行っているKCDV(100.9MHz)は、主に1980年代や1990年代に流行した音楽を流している [13] 。 なお、このKLAMとKCDVは共にBayview Communications Incが運営している。もう1つのFM放送局は、KCHU(88.1MHz)だが、こちらは近隣の町のバルディーズ(Valdez)で放送している番組を、コードバでも放送しているという形を取っている。このように地元で放送しているわけではないものの、KCHUはコードバの公共放送番組も放送している [14]

注釈

  1. ^ ちなみに、このスキー用リフトの椅子は1人がけである。なお、この他、このスキー場にはロープをスキー客に持ってもらうことによって、スキー客を引き上げる装置(rope tow)も設置されている。
  2. ^ ただし、2012年からは、地元有志による非公式な「Cordova Times」であれば発行されてはいる。

出典

  1. ^ 1996 Alaska Municipal Officials Directory. Juneau: Alaska Municipal League/Alaska Department of Community and Regional Affairs. (January 1996). p. 43 
  2. ^ 2023 Alaska Municipal Officials Directory. Juneau: Alaska Municipal League. (January 2023). p. 60. https://www.akml.org/wp-content/uploads/2023/01/Cordova.pdf November 12, 2023閲覧。 
  3. ^ City of Cordova”. 2024年11月28日閲覧。
  4. ^ 2020 U.S. Gazetteer Files”. United States Census Bureau. October 29, 2021閲覧。
  5. ^ a b 2020: DEC Redistricting Data (PL 94-171)”. アメリカ合衆国国勢調査局 (2020年). 2024年11月28日閲覧。
  6. ^ a b "American FactFinder" アメリカ合衆国の国勢調査のデータより
  7. ^ "An Historical Narrative Of Fishing In The Prince William Sound/ Copper River Area." Cordova District Fishermen United. 2010年4月15日閲覧
  8. ^ Moore, Greg. "Carry me home...Sun Valley's early chairlifts keep on chugging." 2009年11月14日閲覧。
  9. ^ a b "Weatherbase: Historical Weather for Cordova, Alaska, United States of America." 2010年4月5日閲覧
  10. ^ "FAA Airport Master Record for CDV" (Form 5010
  11. ^ "FAA Airport Master Record for CKU" (Form 5010
  12. ^ "History of KLAM" 2010年4月12日閲覧
  13. ^ "History of KCDV" 2010年4月12日閲覧
  14. ^ "Station Profile" KCHU websiteより 2010年4月12日閲覧

外部リンク


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