アジア・アフリカの独立
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「近代から現代にかけての世界の一体化」の記事における「アジア・アフリカの独立」の解説
詳細は「第一次中東戦争」、「第二次中東戦争」、「アルジェリア戦争」、「アフリカの年」、および「ビアフラ戦争」を参照 大戦中、日本に占領された東南アジア諸地域では、戦後つぎつぎに独立国が誕生した。 抗日運動がもっとも活発だったフィリピンは、1946年フィリピン共和国として独立した。オランダ領東インドでは、1945年8月、国民党のスカルノを指導者としてインドネシア共和国の成立が宣言された。オランダは武力介入を行ったが敗退し、インドネシアは1949年に独立を達成してスカルノが初代大統領となった。仏領インドシナでは、ベトナムのほか、1954年にカンボジアが完全独立をはたし、ノロドム・シハヌークのもとで中立政策をすすめた。ラオスも1953年に正式に独立したが、左右の政治勢力の対立は内戦に発展した。 イギリス植民地でも、インド・ミャンマーなどが民衆運動により独立を達成した。インドでは1947年にインド独立法が制定され、インド連邦とパキスタンに分離独立したが、そのためヒンドゥー教徒とイスラーム教徒の対立が各地で激化し、両教徒の融和を説いたガンディーは、狂信的なヒンドゥー教徒によって暗殺された。インドは初代首相ジャワハルラール・ネルーのもとで、1950年カーストによる差別禁止など社会の近代化をめざす憲法を発布し、連邦共和国となった。スリランカは、1948年、イギリス連邦内の自治領となり、ミャンマーは同年、イギリス連邦から離れて独立した。マレー半島は、1957年にマラヤ連邦となり、さらに1963年シンガポールおよび英領ボルネオと合体してマレーシア連邦となったが、1965年には中国系住民が多数を占めるシンガポールが分離独立した。 パレスティナでは、ヨーロッパから移住したユダヤ人が1948年にイスラエル国の独立を宣言すると、アラブ連盟に結集して統一行動をめざしていたアラブ諸国とのあいだでパレスティナ戦争(第一次中東戦争)が起こり、約100万人のアラブ系住民が土地を追われてパレスティナ難民となった。 エジプトでは、1952年、ムハンマド・ナギーブやガマール・アブドゥン=ナーセルらの指導する将校団が王制を倒し、翌年に共和国を樹立するエジプト革命がおこった。ナギーブとナーセルの対立ののちナーセルが政権を握ると、積極的中立政策をとなえて社会主義国に接近する姿勢をとり、英米はエジプトへの経済援助を停止した。ナーセルは1956年、アスワン・ハイ・ダムの建設資金をえるためスエズ運河の国有化を宣言したが、これに対しイギリス・フランス・イスラエルが武力干渉を行い、スエズ戦争(第二次中東戦争)となった。ナーセルはこれをしりぞけ、米ソも3国の軍事行動に警告したので3国は撤退、エジプトは運河の国有化を断行し、アラブ民族主義において指導的役割を果たすこととなった。 その後、アラブ諸国では民族主義と反帝国主義の運動がひろまり、1958年にはイラクでも自由将校団による革命がおこって王政がたおされた。また、1960年にはアラブ産油国を中心として、石油輸出国機構(OPEC)が結成された。 フランス支配下の北アフリカ地域では、1956年にモロッコ、チュニジアが独立した。アルジェリアでは、独立に抵抗するピエ・ノワールとよばれたヨーロッパ系入植者や現地軍人と、アルジェリア民族解放戦線(FNL)とのあいだでアルジェリア戦争がつづいたが、1962年に独立が達成された。 1950年代後半には、脱植民地化の波はサハラ砂漠以南のアフリカにもおよび、1957年にクワメ・エンクルマを指導者とするガーナが最初の自力独立の黒人共和国となった。1960年にはナイジェリアやカメルーンなど17の独立国家がいっきょに誕生してつぎつぎに国連に加盟し、この年は「アフリカの年」とよばれたが、ベルギー領コンゴでは独立直後にコンゴ動乱とよばれる紛争が起こった。1963年、アディスアベバでひらかれたアフリカ諸国首脳会議には30か国が参加し、アフリカ統一機構 (OAU) を結成して、アフリカ諸国の連帯と新植民地主義との対決をめざした。 また、1960年に独立したナイジェリアでは1967年産油地帯である東部州に基盤を持つイボ族が石油利権の委譲を求め、受入れられなかったことなどからビアフラ共和国の独立を宣言した。ナイジェリア政府はこれを認めず軍事制圧を図り、1970年に降伏させた。
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