アジアイネと系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:45 UTC 版)
イネは狭義にはアジアイネ (Oryza sativa)を指す。アジアイネにはジャポニカ種とインディカ種の2つの系統があり、これらの両者の交雑によって生じた中間的な品種群が数多く存在する。アジアイネ(アジア種、サティバ種)の米は、ジャポニカ種(日本型米、ジャポニカ・タイプ)、インディカ種(インド型米、インディカ・タイプ)、そして、その中間のジャバニカ種(ジャワ型米、ジャバニカ・タイプ)に分類されている。それぞれの米には次のような特徴がある。 ジャポニカ種(日本型、短粒種、短粒米) 粒形は円粒で加熱時の粘弾性(粘り)が大きい。日本での生産は、ほぼ全量がジャポニカ種である。主な調理法は、炊くか蒸す。他種に比べ格段の耐寒冷特性を示し、日本の他では朝鮮半島や中国東北部で生産されている。 インディカ種(インド型、長粒種、長粒米) 粒形は長粒で加熱時の粘弾性(粘り)は小さい。世界的にはジャポニカ種よりもインディカ種の生産量が多い。主な調理法は煮る(湯取)。 日本のジャポニカ種は中国大陸江南から伝搬したと言う説が有力であるが、江南地域自体は、10世紀頃にインドシナ半島を経由して流入したインディカ種の一種である占城稲(チャンパ米)が、旱害に強く、早稲種で二期作が容易などの理由から普及し、江南をはじめとした中国大陸南部はインディカ種の生産地域となっている。 ジャバニカ種(ジャワ型、大粒種) 長さと幅ともに大きい大粒であり、粘りはインディカ種に近い。東南アジア島嶼部で主に生産されるほか、イタリア、ブラジルなどでも生産される。 なお、日本型とインド型に分類した上で、このうちの日本型を温帯日本型と熱帯日本型(ジャバニカ種)として分類する場合もある。
※この「アジアイネと系統」の解説は、「米」の解説の一部です。
「アジアイネと系統」を含む「米」の記事については、「米」の概要を参照ください。
- アジアイネと系統のページへのリンク