《出汁》の正しい読み方
「出汁」の正しい読み方
「出汁」は「だし」と読む。「でじる」と読むのは誤りである。「出汁」の意味解説
「出汁」とは、昆布や干しシイタケなどの食品を煮て出す汁のことである。料理にうまみや風味を加えるために用いられており、煮出す食品によって、グルタミン酸などのアミノ酸や、イノシン酸などのうまみ成分を料理に加えることができる。出汁の種類は植物性と動物性に分けることができる。植物性の出汁は主に昆布や干しシイタケ、かんぴょうなどを煮出して作り、動物性の出汁は、かつおや鯖などの魚介や、鶏がらなどを煮出して作る。一般的に、和食では昆布やかつお節を用いることが多い。それぞれのみだけでだす出汁や、昆布とかつお節を合わせて作る合わせ出汁と呼ばれる出汁があり、料理の特性に合わせて用いられる。昆布とかつお節を合わせて作る出汁を一番出汁と言う。
昆布のうまみ成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸に、かつお節のうま味成分であるグルタミン酸とイノシン酸を加えることによって、昆布出汁にかつお節のうまみと風味をプラスすることができ、それぞれ単体の出汁よりもしっかりとした出汁を出すことができる。
また、一番出汁で用いた昆布とかつお節を用いて、煮出したものを二番出汁と言う。一番出汁に比べて、うまみがしっかりしており、多くの料理に用いられる。また、精進料理においては、肉や魚を出すことができないため、出汁にはかつお節や煮干しなどを用いることができない。そのため、昆布や干しシイタケなどの乾物などの出汁が用いられる。
煮干しやあごで取る出汁は、かつお節から取れるものよりも魚のくせが強い出汁になる。味噌汁や煮物のほかに、ラーメンに用いられることも多い。
なぜ「出汁」と読むのか・理由
「出汁」は「だし」と読むが、一般的に「出」は訓読みをすることによって「だ」と読むことはできても、「汁」は「し」と読むことはできない。しかし、「出汁」は熟字訓であるため、「出汁」と書いて「だし」と読むことができる。熟字訓とは、漢字自体の読み方を考慮したものではなく、二文字以上の漢字の組み合わせである熟字自体に読み方が当てられたものであり、特殊な読み方をするケースが多い。「出汁」の類語・用例・例文
「出汁」の類語として、だし汁、煮汁、煮出し汁、一番出汁、二番出汁、ブイヨン、煮出しなどが挙げられる。「出汁」を用いた例文として、「昆布とかつおで取る出汁は料理に使いやすい」や「イタリアンやフレンチなどの洋食でも出汁が使われることがある」のような文章ができる。「出汁」の英語用例・例文
「出汁」は英語で「broth」や「dashi broth」と表現することができる。「broth」を用いた例文として、「I made dashi broth from kelp and bonito flakes.(昆布とかつお節の出し汁を作った)」のような文章ができる。《出汁》の正しい読み方
「出汁」の正しい読み方
「出汁」は「だし」と読む。あるいは「だしじる」と読むこともある。「出汁」の意味解説
「出汁」は「煮出し汁」の略とされる。昆布・鰹節・椎茸などを煮た汁のことである。煎った大豆などを水に浸して出汁を取ることもある。出汁にはアミノ酸や核酸などのうま味成分が含まれている。出汁そのものは食品に由来する風味がわずかに含まれているが、他の食品に加えることでその食品の風味を引き出し、深みをもたらす。日本をはじめとする東アジア圏ではうま味成分が少ない野菜類が食事の中心だったため、うま味を補う目的で出汁を取る風習が定着した。原初の出汁は魚介類や穀類を発酵させて作った醤油に似た液体で、現役のまま、あるいは水で薄めて食品にかけていた。やがて昆布などうま味成分を多く含む食品を煮て出しを取る方法が確立したのである。
日本ではイノシン酸を含む魚介類、グアニル酸を含むしいたけで出汁を取るのが一般的であり、江戸時代には出汁の取り方を記したレシピが広く知られていた。明治時代に肉食が浸透すると出汁の取り方も多様化し、鶏肉やすっぽん、豚や牛の骨も使うようになった。出汁は西洋料理では「ブイヨン」、中華料理では「湯」と呼ばれ、それぞれ日本の出汁と似た方法で作られる。日本料理に西洋の出汁であるブイヨンを使うなど料理の作り方が多様化すると、それぞれの出汁を区別する意味で「和風出汁」「西洋出汁」と呼ぶようになった。
なぜ「出汁」と読むのか・理由
「煮出汁」を略して「出し(だし)」と呼ぶようになり、読み方が「だし」となった。しかし表記上「出し」は分かりにくいため、便宜的に「出し汁」→「出汁」と書くようになった。こうして「出汁とかしてダシと読む」語彙が成立した、と考えられる。「出汁」の類語・用例・例文
「出汁」の類語には「うま味」「隠し味」「ブイヨン」などがある。「うま味」は「うまみ」と読み、出汁の成分の一般的な名称である。「隠し味」は「かくしあじ」と読み、主に出汁を意味するが本来は他人が知らない自分だけの味付けの方法である。そのため、必ずしも出汁のことを隠し味と呼ぶとは限らない。「ブイヨン」は西洋料理、特にフランス料理で使われる出汁の一種で、肉とセロリなどの香味野菜を煮詰めて作る。例文
「かつおと昆布のあわせ出汁が味の決め手」「うま味を含む食品は出汁取りに最適」「隠し味に手作りの味噌を入れる」「ブイヨンを固形にした物を安価で販売する」。「出汁」の英語用例・例文
「出汁」の英語表記は「soup stock」、あるいは日本語読みをそのまま英語にした「dashi」である。例文
The taste of miso soup is determined by the soup stock.(味噌汁の味は出汁で決まる)make dashi from kelp(昆布から出汁を作る)
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