長方形
矩形(角ダクト)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 22:43 UTC 版)
直管 同じサイズで、ただまっすぐのダクト。定尺の鉄板からそのまま取れるものは定尺ダクトと呼ぶ。鉄板の素材コイル幅が6フィート(1828mm)を標準としているため、角ダクトの接続面間の長さは共板工法の場合1740mm、フランジ工法の場合1815mmが標準である。部材接合用のはぜを4箇所用いる4枚取りの他に、Lの字型に折り曲げて2箇所で済ませたり、1枚板を折り曲げて1箇所で済ませるファブリと呼ぶ取り方もある。 エルボ(elbow) まがったダクト。角度は90度が標準であるが、任意の度数まで何度でも製作は可能。カーブしながら変形したり、ねじれを加えたりもできるが、断面積が少なくなると抵抗が増す。内側アールの円弧の中心から接続面の中心までが、そのダクトの幅サイズと等しい場合を1アールと呼び(用語的には丸ダクトの用語であり、角ダクトの場合通常は、内Rを指定して製作依頼する必要がある)、そのエルボの内アールの標準としている。標準以下になる場合は内部にガイドベーンを取り付けて、圧力損失=抵抗が増えないようにする必要がある。また、内Rによっては製作ができない場合もあり、この場合は「内角」や「テーパー」などで対応する。また、建物の壁面を沿って登ってゆく縦管などでは、135°エルボの一体物で製作(無論、90°と45°の組み合わせも可能)し、最後を網で終える形が多い。 ホッパー(hopper) 入り口と出口のサイズが違うダクト。普通は面間が平行だが、角度やねじれのついたものも製作可能。有効寸法が取れていないと騒音の元となる。拡大、縮小の角度は仕様書により指定されるが15度から30度が普通である。 Sカーブ(S管とも) 面間は平行のまま振れたり上下するダクト。Sの字状。拡大、縮小を兼ねる場合もある。 分岐管 二股、三つ股など接続口が3つ以上あるダクト。分岐、集合に用いる。最近ではドン付け、直付けといって本管に開口して接続する場合がほとんどである。分岐管として製作する場合は、「ダキ」とも呼ばれ、2つの分岐の場合が多いが、3分岐での製作ももちろん可能である。 フード(hood) 厨房内において、火気を使用する調理器具などの上部に設置され、調理の排気を効率的に捕捉するためにつけられる下部が開放された箱。[箱型]、[山型]や美観と性能を兼ね備えた[二重]などの形がある。下部には油受けとなる折り返しが付いている場合がほとんどであり、その油受けに油抜きのためのドレンコックが設置される場合もある。排気は側面または上面からされることが多い。また、フライヤーの上に設置して油煙を排気する場合は、バッフル板などが備えられたグリスフィルターの設置が義務付けられており、そこを通過した油煙はフィルターを構成するステンレス鋼板に衝突して通過する間に油分を濾し取られオイルカップに排出されるため、ダクト内への油分侵入を防いでいる。また、火災防止の観点から、FS[ファイアーシャッター]や、フードからの排気ダクトにFD[ファイアーダンパー]が備えられる。指定温度以上になるとシャッターや羽根が閉止されて、高温の空気がダクトに流れて延焼するのを防ぐ。逆に、食洗機やコンベクションの上に設置するフードには、基本的に油分が含まれないことから、FSのみでグリスフィルターを設けない場合が多い。材質は亜鉛めっき鉄板やステンレス鋼板(SUS)が多いが、国土交通省の仕様書では「1mm以上のSUSに限る」となっている、亜鉛めっき鉄板で作ると錆が食品に落ちる可能性があるのでステンレス鋼板で作るのが基本。SUS304での指定が多いが、防錆力の劣るSUS430での製作も近年増してきている。また、美観からBA[ビーエー]などの光沢のある表面仕上げのステンレス鋼板を使用する場合も多いが、近年、No.4[ナンバーフォー]などの、多少くすみがかった仕様も多くなってきている。また高級店などでは、連続した研磨目が整って見栄えも良好なHL[ヘアーライン]の指定が多い。 チャンバー(chamber) 気流の分岐や合流が必要な場所に、複数のダクトを突っ込み、大きなサイズのボックスを取り付けることがある。このボックスをチャンバーと呼ぶ。用途によって混気チャンバーなどと呼称されることもある。空調機の吹き出し側に大きな箱を作り、風速を一定にしたりするために作られる物を給気チャンバー、還ってきた空気を一定の風速静圧で吸い込むための物を還気チャンバーとして空調機に隣接させることもある。 角丸(かくまる) 一方の口が円形で、他方の口が矩形のもの。丸ダクトと角ダクトの接続に用いる。 閉止板(フサギ、メクラとも) 配管されたダクトの末端を閉鎖するときに用いる鉄板。将来のリニューアル工事などでダクトを延長できるように、角ダクトの接続面を残して蓋をする。共板工法 - 鉄板の4辺を10mm折り曲げ、立ち上がった面を外側にして4隅をボルトで締め、その立ち上げにダクトクリップをかける。 フランジ工法 - ダクトのフランジと同じサイズのフラットバーに鉄板を取り付けて、ボルトで締めて取り付ける。 高速ダクト等には必要に応じてリブ補強やアングル補強を入れることもある。 共板・フランジ共に、長さ50mmほどの閉塞した蓋を作って実質的に閉止板とすることもある。俗に弁当箱と言われる形状となる。
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