生物学者
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雇用
生物学者はほかの職種と同じような通常の勤務時間で働くことが多いが、イレギュラーな場合それより長時間の労働時間になることも珍しくない。研究の分野にもよって、実験室やその他の場所(特にフィールドワークにおける野外)で時間外の労働を要することがある。
多くの生物学者は自身の研究の資金を助成金に頼っている。新規もしくは延長の予算を得るためのプロポーザルを準備する間、締め切りに合わせ厳格な様式の助成金申請書類を準備する負担が大きくなっている[35]。
フィールドに出ることの多い分野、例えば海洋生物学者は様々な労働環境に遭遇する。研究室での労働もあれば、調査船上での労働のほか、水中で鋭いサンゴ礁や危険な海洋生物に囲まれながら安全なダイビングを習得して活動することを要する時もある。それでも海から直接標本を入手する海洋生物学者は一部で、多くは研究室のオフィスで実験を行い、結果を記録しデータを解析している[36]。ほかにも植物学者、生態学者、動物学者の一部は激しい身体活動や原始的な生活を伴うフィールドワークを行うことがある。こうした研究は寒暖の気候や天候を問わずあらゆる環境下で行われている。
生物学者は常に安全でなく健康を害す可能性のある状況に晒されるわけではない。それでも、危険な生物や毒性のある物質を扱う研究者は、コンタミネーションを起こさないための安全基準を遵守する必要がある。
栄誉と賞
生物学者にとっての最高の栄誉は1901年から続き、現在カロリンスカ研究所が選考しているノーベル生理学・医学賞がある。もう1つの重要な賞は、1980年から続くクラフォード賞の生物分野で[37]、他にも医学などより細かい関連分野ごとに最高栄誉とされる賞が存在する。
関連項目
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