生物学関連の使用例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/02 01:51 UTC 版)
「2乗3乗の法則」の記事における「生物学関連の使用例」の解説
体重と脚の筋力 生物学においてバイオメカニクスの観点から、断面積に比例する(最大)筋力と、体積に比例する質量(地上では重量・重力)とが比較されることがある。例えばある昆虫を100倍に拡大したと仮定すると、体重は体積に比例すると考えられるので3乗の1,000,000倍だが、脚の筋力はその断面積に比例することから2乗の10,000倍に過ぎず、同一比率の足の太さではジャンプどころか体重を支えることも不可能になりかねない。よって大型の動物では、体躯に比して脚が太くなる傾向があり、筋肉の利きが悪い外骨格(特に歩行関連部位)構造は稀になる。 熱産生と体表からの放熱 恒温動物について考えると、体内の発熱量は肉体の容積に比例するが、体外への放熱量は体表の表面積に比例すると考えられる。したがってたとえば体長が2倍になれば発熱量は8倍になるのに対して放熱量は4倍にしかならず、体温が上がりすぎないように保つのがそれだけ難しくなる。たとえばゾウは巨大な耳介を発達させることで必要な体表面積をなんとか確保している(この耳介には、外気によって血液の温度を下げるための血管網が張り巡らされている)。 また逆に小型動物では、単位体重あたりの表面積が大型動物と比較して大きいため熱として散逸するエネルギーが非常に大きく、体温を維持するために体重にくらべて膨大な量の食物を摂る必要があり、「数時間食べないと餓死してしまう」などと言われる種も多い。 このように、恒温動物の大型化・小型化にはいずれも限界がある。 酸素消費と鰓 水中では浮力が働くため、動物の大型化には有利な環境だが、魚類のような鰓呼吸では体長が2倍になれば体重は8倍になるのに対し、鰓の表面積は4倍にしかならないので単位体重あたりの摂取できる酸素量は1/2になるため、大型化には自ずから限界があるとされる。
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