生物工学における利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/23 16:16 UTC 版)
「Tiプラスミド」の記事における「生物工学における利用」の解説
「アグロバクテリウム#バイオテクノロジーへの利用」も参照 アグロバクテリウムが持つ植物細胞へDNAを輸送する能力は、植物ゲノムのエンジニアリングの新たな扉を開き、遺伝子組み換え植物(トランスジェニック植物)の作出を可能にした。T-DNAの移行の媒介に関与するタンパク質は、まずT-DNA領域の境界配列を認識する。そのため、目的の配列に隣接してT-DNAの境界配列を配置してプラスミドへ挿入し、アグロバクテリウムの細胞へ導入する。アグロバクテリウム細胞内では境界配列が輸送装置によって認識され、T-DNAと同様の方法で目的の配列が標的の植物細胞へ輸送される。このようにT-DNAの境界配列だけをプラスミドに残しておくことによって、腫瘍形成を引き起こすことなく植物ゲノムを編集することができる。この手法は、イネ、オオムギ、コムギを含むいくつかの作物を改変するために利用されている。さらなる研究により、アグロバクテリウムの標的は菌類やヒト細胞株にまで拡張されている。
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