KY宣言編
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緒島 ケンタ(おしま けんた) タレント。人気テレビ番組「KY宣言」司会。本名は蔵野健市。通称「オッシー」「オシケン」。KY宣言編の主要人物。 色黒で快活な壮年の男性。自身の冠番組「KY宣言」において、「空気を読まずに真実の報道を」というキャッチフレーズで世に起こっている犯罪の内情を報道、ぞんざいな口調で犯罪者を糾弾することから国民的人気を誇る人物。実は3年前に飲酒運転から自身がひき逃げ事件を起こしており、自身が犯罪を隠蔽している矛盾に悩んでいる。この事件自体は事務所社長が警察に隠蔽を頼んだことでバレずに済んでいる(そのため、Lファイルに記載されていた)。 KY宣言編において、Lファイル経由でひき逃げ事件の真相を知った貘に脅される形で、彼の屋形越えの「搦手」を手に入れる計画に巻き込まれてしまう。「KY宣言」の生放送中に始まったマキャベリストゲームにおいては次々とコメンテータ達の犯罪が暴かれていく中、自身の罪も暴かれることに戦々恐々としながら番組の司会進行を強制される。だが、ゲームを通して自らの罪悪感と向かい合い、最終的にはむしろ自身の罪を告白する覚悟を決める。しかし、明かされたひき逃げ事件の真相は盟友でもあるチーフプロデューサーの金子が真犯人という内容であり、金子と共に堕ちる道を選び、自ら番組内で轢き逃げ事件を隠匿したことを明らかにする。 金子 島夫(かねこ しまお) 「KY宣言」チーフプロデューサー。 緒島とは「オシ」「金子ちゃん」と呼び合う懇意の中。緒島との共同企画で「KY宣言」を創りあげた番組のもう一人の功労者。貘に嵌められた結果「生放送で出演者の犯罪を暴く」という前代未聞の番組を指揮させられる羽目になり、さらに緒島のひき逃げ事件のことを知り、彼を守るために番組を強制終了させるべく奔走する。 実はひき逃げ事件の真犯人であり、(泥酔して記憶のない)緒島に濡れ罪を着せた。それでも証拠は残していたため逮捕される覚悟をしていたが、警察によって揉み消されたために追及されず、不思議に思いながらも放置していた。そのため、放送終了への奔走は「友人のためではなく、単に自分の保身」だったとし、最後に緒島に糾弾される。 みーちゃん 「KY宣言」アシスタント。本名不明。 黒髪ロングの女性。番組において緒島のパートナーであると同時に私生活でも肉体関係を持っている。普段の言動は頭が弱いように見えるものの意外と洞察力が高く、すぐに番組の意図に気づいて緒島を守るための行動を起こす。貘に暴行を加えて失神させる、カメラの前で上半身のヌードを晒して放送事故で番組を強制終了させようとする、などするものの、弥鱈にすべて防止され、最後には倉庫に拘束・監禁される。番組の終盤で貘の手で解放され、緒島がひき逃げ事件の真相を求めていることを知らされると共にパネル操作の機械を貘に託される。その後、緒島の望みを叶えようと該当のパネルを開き、轢き逃げ事件の真相が明かされることとなる。 鹿臣 高司(かおみ たかじ) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。「犯罪人相学研究所」所長兼名誉会長。 バンダナにサングラスのHIPHOPスタイルの男性。その正体は緒島を守る条件でゲストに送り込まれた梶で、名前は梶隆臣(かじ たかおみ)のアナグラムとなっている。マキャベリストゲームではゲスト達に共闘を呼びかけて誰の罪も暴かれないことを目指し、後半では正体が判明した鴉山を倒すために策を練る。 横井やフロイドなど、番組の内幕に気づいた者は、鹿臣こと梶に注目しており、後に梶と直接会った際には2人とも梶を高く評価している。 鴉山 貴志(からすやま たかし) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。元総務官僚・山口県知事。48歳。KY宣言編の主要人物。 ほとんど表情を変えることがない厳しい顔つきの男性。ゲストの中でもひときわ冷徹な雰囲気を持ち、番組中で一番凶悪な「沖縄リゾートカップル神隠し事件」の犯人。ゲスト中で屈指の知能を持ち、他の参加者達を騙まし討ちにしながら、自らの安全を図る。 官僚時代に用意周到な計画を練って私欲のために同僚家族を殺害し、後に「沖縄リゾートカップル神隠し事件」と呼ばれる事件を起こす。その後、警察に隠蔽を頼み、賭郎によってアリバイを取り立てられた人物が犯人に仕立て上げられたために、一般には解決された事件となっていた。そのため、賭郎側でも事件の真相を明かされまいとして、能輪巳虎が派遣されるなど対抗策が立てられる。 密かに隠し持ったカードで梶の策略を逆手に取った上に「全員のカードをチェックする」という行動を装ってカードを奪い取るなど、ゲームを優位に進める。カード枚数が一枚ではなかったためゲストから殺人犯であることが判明すると本性を現し、事実上、梶との一騎討ちとなる。自分の勝利を確信していたが、梶の策に騙されて敗北、事件の真相がすべて明かされてしまう。警察による意図的な冤罪事件という部分も含めて、番組は最大の盛り上がりを見せることとなる。 吉野 秀樹(よしの ひでき) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。弁護士。37歳。 元検事で、被害者への強い共感意識で人気を集めるタレント弁護士。強姦事件の犯人に対し怒りを露にしていたが、実は自分がその犯人だった。最初に見せしめとして罪が暴かれて逃亡を図るものの、賭郎の実力行使に阻まれ醜態を放送される。 ニトロ・優(ニトロ・まさる) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。総合格闘家。 粗暴な男。格闘家として暴力には自信があるが立会人には及ばない。暴力訴訟を数多く抱えている。番組冒頭で自身の担当弁護士でもあった吉野の犯罪が暴かれたことで怒りを示して彼と共に番組から降りようとするが、弥鱈の蹴りの一撃で昏倒させられ、そのままマキャベリストゲームに参加させられる。1ターン目は気絶したままであったが目を覚ましてからはゲームの内容を瞬時に理解すると共に上手く立ち回り、ただ一人罪が暴かれずに番組を終える。 松山 仙吉(まつやま せんきち) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。SNSベンチャーCEO。38歳。 常に皮肉めいた言動の男で、マネーゲームを勝ち抜くことには絶対の自信を持つ。かつて「Mr.ローリー」と呼ばれた裏AV男優で、多くの少女達を手に掛けた性犯罪者。過去を暴かれるのを防ぐため「KY宣言」を放映する集英テレビの筆頭株主である集英新聞社を買収することで番組を強制終了させることを目論む。しかし貘は前もって別働の策を働かせており、500億円を横取りされる(この500億円は貘の屋形越え資金になる)。買収策を諦めゲームで身を守ろうとし、鴉山の策略に気付いてからはニトロや梶と結託して鴉山を潰そうとするが、力およばず罪を暴かれる。 武田 和重(たけだ かずしげ) 「KY宣言」緊急特番ゲストの1人。トレーダー、投資顧問。 マキャベリストゲームの最初の敗北者。かつてデリバティブの失敗から多額の損失を抱え、その発覚を防ぐためにクライアントである資産家の老女宅に強盗に押し入った過去を持つ。罪を暴かれまいとマキャベリカードの投票操作のためにゲスト勢に自らの資産のほとんどをバラ撒くが、金子の策と疑心暗鬼に囚われた末、自滅する。番組演出では前半で強盗殺人で老女を殺害したかのように報じられたが、最終的に明かされた内容は襲ってきた番犬を返り討ちにして殺しただけで、老女は事件の失意の中での自殺だった。
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