5代目 GT/GK系(2016年 - )
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「スバル・インプレッサ」の記事における「5代目 GT/GK系(2016年 - )」の解説
5代目は新世代プラットフォームである「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を初めて採用。これにより操舵応答性と操舵安定性が飛躍的に向上するとともに、衝突時のエネルギー吸収量を先代モデルの1.4倍としたことで乗員保護性能を高め、ボディ構造の最適化と高張力鋼板の適切配置により重量の増加を抑えながら全方位(前面・後面・側面)においての衝突安全性も向上した。併せて、ボディはフレームワークの一新、プラットフォームと上屋骨格の結合強化、リアフレームとサイドシルの結合構造の見直し、構造用接着剤などを行い、サスペンションはフロントにおいてクロスメンバーの構造を変更し、リアにおいてはサブフレームブッシュの形状変更を行ったことでボディやサスペンションの剛性を大幅に向上。温度空間の均一化と静粛性の向上を実現するため空調ユニットにヒーターブロアユニット一体型を採用した。キャビンスペースも拡大され、ステアリングのチルト・テレスコストロークを拡大したほか、フロントシートの構造も刷新している。 ボディサイズは、「インプレッサSPORT」、「インプレッサG4」ともに、先代モデルに対して全長は+40 mm、全幅は+35 mm、ホイールベースは+15 mmとそれぞれ拡大。また、全高は「インプレッサSPORT」が+15 mm、「インプレッサG4」は−10 mmとなった。なお、最小回転半径は先代と同様、5.3 mを維持している。 安全性能では、日本車で初採用となる「歩行者保護エアバッグ」を全車に標準装備。バンパー内部の圧力センサーにより歩行者との衝突事故を検知し、瞬時にフロントガラスとAピラーの下端をエアバッグで覆うことで、歩行者の頭部へのダメージ軽減を図る装備である。また、先代モデルでは一部グレードにメーカー装着オプションとしていたSRSサイドエアバッグ+SRSカーテンエアバッグに加え、前面衝突時にドライバーの下肢への被害軽減を図るた運転席SRSニーエアバッグを初採用。デュアルSRSエアバッグと合わせ、合計7つの乗員保護用エアバッグを標準装備とした。 運転支援システム「EyeSight (ver.3)」は、前輪駆動車にも拡大展開し全車標準装備とした。新たに「車線中央維持機能」を採用するとともに、ACC(全車速追従機能付クルーズコントロール)の機能強化を実施している。 また、自車の後側方から接近する車両を検知し、ドライバーに注意を促すことで安全運転をサポートする「スバルリヤビークルディテクション」(後側方警戒支援システム)、ステレオカメラで先行車や対向車などの灯火を検知して、ハイビームとロービームを自動で切り替える「ハイビームアシスト」を新採用。これらは「アドバンスドセイフティパッケージ」として、全グレードにメーカー装着オプションとした。 そのほか、コーナーや交差点で、ステアリング操作に合わせてヘッドランプ光軸を左右に動かす「ステアリング連動ヘッドランプ」(2.0i-S EyeSightに標準装備、その他のグレードにメーカー装着オプション)、コーナリング時でのライントレース性を向上する「アクティブ・トルク・ベクタリング」(2.0i-S EyeSightに標準装備)も新採用した。 エンジンは先代モデルから継続搭載となる、水平対向4気筒1.6 Lの「FB16」型と、同2.0 Lの「FB20」型を採用。 2.0 Lエンジンの「FB20」型は燃料システムを直噴化し、約80%の部品の設計を見直すとともに、先代比約12 kgの軽量化を実現したことで、燃費と実用域トルク両方の向上を実現。また、エンジン本体の高剛性化と固定点の追加によって振動騒音を低減した。最高出力は、3 kW (4PS) 向上し、113 kW (154PS) を発生。なお、最大トルクの数値は196 N・m (20.0 kgf・m) で、先代からの変更はない。 1.6 Lエンジンの「FB16」型は出力性能を維持したままで環境性能の向上、振動騒音の低減、大幅な軽量化を行い、静粛性と操縦安定性、燃費向上を実現している。最高出力、最大トルクの数値は先代と同一の数値であるが、それぞれの発生回転数の数値が異なっている。 トランスミッションは、先代モデルの1.6 L・四輪駆動車に設定されていた5MTを廃止し、全グレードがリニアトロニックのみの設定となった。構造は全面的に改良され、チェーンのさらなるショートピッチ化とレシオカバレッジ(変速範囲)の拡大 (6.28 → 7.03) によって発進加速性能と高速巡航時の燃費を向上させた。さらに、トルクコンバータの小型化とケースの肉厚最適化により、先代モデル比約7.8 kgの軽量化を実現した。また、マニュアルモードは先代の6速から、7速に多段化している。 デザインにおいては新デザインフィロソフィーである「DYNAMIC × SOLID」をスバルの量産モデルで初めて全面採用。「インプレッサSPORT」はサイドのフロントガラスを傾斜させるとともにルーフ後端を下げ、ウィンドウのショルダーラインとドア下部のキャラクターラインに加えて、前後のフェンダーから流れる「ダイナミックブレード」と呼ばれる新たなキャラクターラインを採用。リアはリアコンビランプを左右に大きく張り出し、大型ルーフスポイラーや翼端板の採用、リアバンパーをフィン形状にすることで空力性能も高めた。 一方、「インプレッサG4」は、クーペの様な流麗なルーフラインとハイ&ショートデッキの組み合わせ優れた空力性能とスポーティさを備えたセダンフォルムを実現。リヤスタイルは、キックアップしたトランクリッドやリヤバンパーによるシャープなシルエットにより、スポーティセダンらしいデザインとした。 インテリアでは、インパネにステッチを施し、加飾パネルをはじめ、コンビメーターやステアリング、シフトノブ、ベルトリングなどの重要なパーツの周囲を金属調のパーツで囲う「ケーシングモチーフ」を採用した。 なお、本モデルより、北米仕様は北米スバル オブ インディアナ オートモーティブ インク (SIA) で現地生産されることとなった(※下記の年表の「2016年11月2日」にて詳説)。北米仕様ではBピラーにテーラーロールドブランク(TRB)材が使われている。
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