2巻:ユートピアについての談話とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 2巻:ユートピアについての談話の意味・解説 

2巻:ユートピアについての談話

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 00:52 UTC 版)

ユートピア (本)」の記事における「2巻:ユートピアについての談話」の解説

モアユートピア位置新世界設定し実生活におけるアメリゴ・ヴェスプッチ発見の旅を、ラファエルの旅に結び付けた。彼は、ラファエル24人いたヴェスプッチ1人設定し1507年4度目の旅で、ブラジルのカーボ・フリオに半年滞在したとしている。ラファエルはそこからさらに遠くへ出かけて、ユートピアにたどり着き、その地の人々慣習観察して5年過ぎたのだという。 モアによればユートピア島の様子次のようなものである。 「 ……中央部分は最も広い所で幅200マイルで、似たような幅が続いたあと、両端向かって徐々に細くなっている。両端丸く曲がって円周500マイルの円を描き三日月形の島を形作って新月のようになっている。 」 島は当初半島だったが、コミュニティ創設者ユートパス王により15マイル幅の水路掘られ本土から切り離されることになった。島には54の町があり、それぞれに約6,000戸が住んでいる。首都アーモロートは、三日月形の島のちょう中央位置している。各家庭30戸ごとグループ化され、「 Syphograntus 」( Styward )によって管理される。Styward は10グループごとに、「 Traniborus 」( Bencheater )の監督下に置かれるそれぞれの町の町長は、Bencheater の中から選ばれる。各家庭には1016人の大人生活し家庭町の人口が均等になるよう配置しなおして人数調整する島の人口が過剰になったときには本土植民地用意されるまた、こういったユートピア植民地にいったん入植した本土在住者も、希望すればコロニーを出ることができる。 人口不足になった場合は、コロニー入植者呼び戻されるユートピアでは個人資産所有認められておらず、人々が必要とする品々倉庫保管される家々ドアにも鍵は設置されておらず、住む家も10年ごとの輪番で決まる。島で最も重要な仕事は、農業である。男女共に農業学び2年間田園地帯に住んで農耕従事する義務がある。これに並行して全ての市民は、織物業女性中心)、木工業鍛冶石工など他の重要な商業少なくとも1つ、学ぶ義務がある。これらの商業意識的に簡素化されている。例えば、同じデザインシンプルな服を全ての人々着用し凝った服を作る業者存在しない健康な市民には勤労の義務があるため、失業根絶され労働時間最短となっている。人々が働かなければならないのは一日につき6時間だけだが、多くそれ以上働くことも厭わないモアは、自身考えたユートピア社会の中で、行政当局聖職者には学者採用し人々初期教育に当たらせている。他の市民全員余暇時間学習勤しむことが奨励されている。 奴隷ユートピアでの生活に必須であり、全ての家庭2人ずつ配置されているという。奴隷は、他国出身のこともあれば、ユートピア出身の元犯罪者のこともある。元犯罪者は、金製の鎖に繋がれている。金はこの国の国有財産1つで、犯人拘束したり、寝室用便のような上品でないものに使ったりするなど、市民は金を嫌悪し質素な価値観損なわれないようにしている。財産にはほとんど重要性がなく、諸外国から必需品購入したり、互いに戦う国家買収するために役立てるだけである。行いがよい奴隷は、定期的に解放されるユートピア革新性には、他にも重要なものがある。医療費無料化などの福祉制度国家認め安楽死既婚聖職者離婚の他、婚前性交渉対す罰則生涯独身生活姦通場合身分奴隷落とされた。食事地域食堂でとり、配膳仕事輪番で家ごとに回された。全員が同じメニュー食べるが、ラファエル説明では、老人行政官によい食べ物回されるという。島内旅行するには許可証だけでよいが、許可証なしが発覚すると、1度目猶予されても2度目には奴隷落とされるという。加えて弁護士存在せず、法はあえてシンプルに制定されているために全員理解されており、善悪判断に迷う必然性がない。 島には、太陽崇拝、月崇拝惑星崇拝祖霊信仰唯一神教など複数宗教布教されているが、それぞれ他の宗教寛容である。無神論許されてはいるが、国家対す脅威と見なされ、彼らだけは軽蔑されている。なぜなら死後の天国地獄も全く信じていない者には、ユートピア共産主義的人生共有しようとする理由もなく、自身利益のためには法をも破るからである。無神論者は、追放はされないでも、自分たちの誤った信条について聖職者討論し間違い気付くようにすることが奨励されるラファエルによれば自分伝えたことによって、キリスト教ユートピア浸透し始めていたという。ユートピア宗教他宗教の信仰にも寛容で、1度祈祷式でユートピア住民全て出席する。 「 ……しかし仮に、彼らが間違っていたり、政府がもっとしっかりしていて、もっと神の意に適う宗教があれば、彼らは主の御心について知りたいと思うだろう。 」 恐らく、今日的感覚でいえば、女性には社会的平等が与えられていない。妻は夫に服従し家庭仕事従事するよう制限されている。わずかな数の未亡人のみが聖職者になっている全員徴兵義務がある一方女性はまだ男性より下位置かれており、月に一度、夫に自分の罪を懺悔する。しかしユートピア女性振り分けられる役割は、現代見地からみて、よりリベラルといえるかもしれないユートピアでは、ギャンブル狩猟化粧占星術全て禁止されている。

※この「2巻:ユートピアについての談話」の解説は、「ユートピア (本)」の解説の一部です。
「2巻:ユートピアについての談話」を含む「ユートピア (本)」の記事については、「ユートピア (本)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「2巻:ユートピアについての談話」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「2巻:ユートピアについての談話」の関連用語

2巻:ユートピアについての談話のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



2巻:ユートピアについての談話のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのユートピア (本) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS