2代目 YD2型(2006-2013年)
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「アキュラ・MDX」の記事における「2代目 YD2型(2006-2013年)」の解説
2006年4月、ニューヨーク・モーターショーにてデザインコンセプトモデル「MD-Xコンセプト」が出展され、9月に生産車が発表された。また、この代より日本での販売が行われていない。 先代に比べ、トレッド、ホイールベースを拡大した。ボディは衝撃吸収構造を持つACE(Advanced Compatibility Engineering)、コンパティビリティ対応ボディとなった。ニュルブルクリンクにて走行テストが繰り返し行われており、乗り心地やハンドリング特性などのチューニングに役立てている。 エンジンは、初採用となるJ37A型 3.7L V型6気筒 SOHC VTECで、シーケンシャルモード付きの5速ATが組み合わせられる。先代のエンジンに比べ排気量が拡大、シリンダライナーは鋳鉄からシリコンアルミニウム合金となったほか、インテークポートやバルブ形状変更により、圧縮比は10.1から11.0に高められ、バルブタイミングや、吸排気系の改良により、SAEの新計測法で300hpを発揮する。その他マグネシウム合金のヘッドカバー、2ピースマグネシウムダイカストのデュアルステージ・インテークマニホールドなどにより、軽量化も達成している。 駆動方式も、VTM-4からレジェンドに初搭載されているSH-AWDに変更された。アキュラ・RDX同様、2段増速機構が廃止された軽量仕様で、従来のVTM-4に比べ7%の軽量化を果たしている。常時1.7%増速され、直進状態での前後輪の回転差は、左右の多板クラッチによって吸収している。継続してわずかなスリップが起こるため、クラッチや摩擦材は高耐久な専用設計のものを使用している。RDXと同じくクルージング時には駆動力を最大90%前輪に配分するインテリジェント燃費モードを採用している。コーナリング時の前後配分は50:50と抑えられている。EPAの燃費評価は15/20mpgである。格納式の3列目シートを持ち、最大で7名が乗車できる。 「スポーツ」「テクノロジー」の2種類のパッケージオプションがあり、さらに「エンターテイメント」パッケージを追加できる。「エンターテイメント」は先代ではツーリングモデルでの独立したパッケージであったが、2代目は単独での選択はできない。 スポーツパッケージには、アクティブダンパーシステムが搭載される。路面状況に応じて電磁石によりダンパーに封入された磁性流体の粘性をコントロールし減衰力を動的に連続変化させるBWI Group製のMagneRideシステムを利用し、MDX用の設計とアキュラ独自のチューニングがされている。センターコンソール上のスイッチでスポーツ/コンフォートの切替が可能。スポーツパッケージはその他、5スポークアルミホイールやパンチングレザーシート、テクノロジーパッケージの装備が含まれる。 テクノロジーパッケージはアキュラ/アルパイン製のXM NavTrafficによるリアルタイム交通情報を持つアキュラリンク対応のDVDサテライトナビゲーションシステムを搭載。410WのXM Satellite Radio付きアキュラ/ELS DTSサラウンド、リアビューカメラ機能も付属。 エンターテイメントパッケージにはフリップダウン9インチモニタや2つのワイアレスドルビーデジタルヘッドフォン、2列目シートヒーター、センターコンソールのシルバートリム、パワーテールゲートなどが装備される。パワーテールゲートはキーからの遠隔操作、ゲートハンドル、運転席のドアのスイッチで開閉が可能。全モデル、ヘッドライトのロービームにHIDランプが装備される。 カナダ仕様には、1列目だけでなく2列目もシートヒーターが標準装備となる。ヘッドライトウォッシャーも特徴の一つとなっている。パッケージ設定は「テクノロジー」と「エリート」の2つのみでテクノロジーパッケージはアメリカ仕様と基本的に同等で、エリートパッケージははスポーツとエンターテイメントパッケージが合わさったものとなっている。ただし、アキュラリンクによるXM NavTrafficを利用したリアルタイム交通情報は利用できない。 製造は、引き続きカナダのHCMであるが、他のホンダ車と独立した品質管理と検証プロセスを持つアキュラクオリティラインが設けられている(2007年モデルのMDXとRDXが初)。 2009年モデルではナビゲーションシステムのアップグレードが行われ、ボディカラーが2色追加された。 2010年モデルではフェイスリフトを受けた。エクステリアはフロント、リアデザインがアキュラの最新共通デザインに合わせて変更。ボンネットやテールパイプも変更された。18インチホイールはデザインが変更され軽量化もされた。エンジンは新型3.7L V6エンジンで、最高出力は変わらないがトルク特性が改良されている。シリンダーブロックの強化やコンロッドなどの高耐久化がされ、圧縮比は11.0から11.2になり、冷却性能も向上した。VTECは2ロッカーアームの新タイプになり、高速カム時のリフト量が拡大した。EGRシステム、スパークプラグ、吸気バルブスプリング、オイルパン、オイルポンプなどその他多くのパーツが改良されている。 トランスミッションは新型の6速ATでアキュラ初搭載となる。従来の5速ATと比較し1速から5速までが大幅にローレシオ化されており、加速性能が向上した。ロックアップ機構には多板クラッチを用いて広範囲でロックアップが作動するようになっており、ローレシオ化と合わせて燃費性能も向上している。シフト制御ではコーナリング中に機能するGシフトロジックコントロール加わった。コンソールのストレートゲートシフトと共にパドルシフトもあり、オートマチックモード2種類とマニュアルモードが選択できる。エンジンやトランスミッションの改良により、EPA燃費は16/21mpgに向上した。 シャシーではリアトレーリングアームのスティフナーを強化し、剛性、静寂性が向上された。 インテリアではステアリングホイールやスピードメーター、ボタン類も改良された。リアビューカメラが標準装備となり、自動減光ルームミラーも搭載される。 「テクノロジーパッケージ」ではナビゲーションが8インチVGA仕様にアップグレードされ、マルチビューリアカメラや音声認識機能が強化されている。ミラノレザーの使用域が増え、1列目、2列目シートはフルグレインのミラノレザーシートとなる。 「スポーツ」パッケージに変わり「アドバンス」パッケージが新設されアルゴリズムが改良されたアクティブダンパーシステムや19インチホイールが装備される。インテリアはシートがパンチングミラノレザーとなる。後方死角の情報を表示するブラインドスポットインフォーメーションシステムやアダプティブクルーズコントロール(ACC)、追突軽減ブレーキ(CMBS)も用意される。「エンターテイメント」パッケージも引き続き用意されリアエンターテイメントシステム(RES)は新しくなった。
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