1956年のテレビ (日本)とは? わかりやすく解説

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1956年のテレビ (日本)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/21 20:54 UTC 版)

1956年のテレビ(1956ねんのテレビ)では、1956年昭和31年)の日本におけるテレビジョン放送全般の動向についてまとめる。

主なできごと

NHKが4地域で、民放が大阪と愛知で初の開局。


日本テレビが日本初の早朝放送を開始。

8月19日午前6時30分から開始。その際、自社のテレビ画面に初めて時分テロップ表示を入れる


日本の映画会社5社の「五社協定」が、テレビへの劇映画提供打ち切り等にも及ぶ。

同協定を締結している邦画5社(東映東宝松竹大映新東宝)がテレビの影響力を恐れ、10月1日、テレビへの劇映画提供を打ち切ると同時に、各社専属俳優のテレビ出演を制限。このため、テレビ各局は アメリカ合衆国テレビ映画を購入する方向へと向かうこととなる。


テレビ番組


技術
  • NHK放送技術研究所が、NTSC方式によるカラーテレビ放送の一般公開を実施。10月初旬には初めてスタジオカラーカメラを使ったカラー生番組の伝送公開を行ったり、12月20日には同方式でのUHFカラーテレビ実験局を開局。翌年12月28日には日本テレビと共に、通常のVHFテレビ放送を使っての同実験局が開局する。
  • 北海道放送にて、テレビ局開局の前に、有線によるテレビ放送を実施。


その他

3月3日東京愛宕山旧東京放送局跡地に、恒久施設NHK放送博物館」が開館


できごと

1月
2月
  • 17日 - 郵政省、「テレビジョン放送用周波数の割当計画基本方針」を決定、6チャンネル制によりテレビの全国普及を目指す(当時VHF1、2チャンネルは米軍専用)。[2][3]
  • 月内 - 日本テレビがニュースフィルム専用現像所を完成。[2]
3月
  • 1日 - 日本テレビが株式の店頭売買を開始。[2][3]
NHK放送博物館開館(東京愛宕山、2005年撮影)
4月
『テレビぴよぴよ大学』(KRテレビ)
  • 26日 - KRテレビ、自社のラジオ番組『ぴよぴよ大学』がテレビと同時生放送となり、『テレビぴよぴよ大学』として放送開始( - 1960年3月25日)。
  • 28日 - KRテレビ、米テレビ映画『カウボーイGメン(原題:Cowboy G-Men)』放送開始。日本で放送された最初の外国テレビ映画となる[2]
  • 月内 - NHK、全国120の幼稚園・小学校・中学校に、テレビ学校放送番組の研究を委嘱。[2]
5月
6月
  • 1日 - 日本テレビ、一昨日のNHKに続き、歌舞伎座から京劇公演を中継。[2]
  • 4日 - NHK、テレビ番組改定。番組内容の充実をはかり、定時放送時間が5 時間40分となる。[2]
  • 14日 - 民放連が「日本民間放送連盟放送基準」改正(取扱い要領を吸収)、翌7月に施行。[2][12]
  • 23日 - 日本テレビ、トーク番組『雨・風・曇』放送開始。1959年11月からは番組名が『春夏秋冬』に変更され、1982年3月28日まで続く長寿番組となった。[2][12]
7月
  • 1日 - NHK、米CBS制作のテレビ映画 『口笛を吹く男』放送開始( - 1957年4月30日 全39回)。[2][13]
  • 3日 - NHK、同月8日に投票が行われる第4回参議院議員通常選挙のキャンペーン放送をテレビで初めて実施。[2]
  • 6日 - 民放連、テレビチャンネルプランに対する要望書を郵政大臣に提出。[2]
  • 810日 - NHK及び民放、第4回参議院議員通常選挙の開票速報を行う。NHKでは全国区を自治庁発表の得票数により、地方区は自主取材で速報を伝える。[2]
  • 17日 - NHK、同月9日にNHKが招へいして来日した、視聴覚教育の権威である米オハイオ州立大学エドガー・デール教授を招き、特別番組『エドガー・デール博士と視聴覚教育』を放送[14]。同教授は来日中に放送教育研究会全国連盟と共催し、同月19日から翌々月(9月)13日まで全国8都市で講演会を行った。[2]
  • 23日 - 日本テレビ、自社の第4スタジオが完成。翌日まで同スタジオ完成記念番組として、豪華ショー『唄う超特急』と舞台劇『大尉の娘』を放送。[12]
8月
  • 12日 - NHK、戸田漕艇場(戸田コース)から放送の『第34回全日本競漕選手権大会実況 - 京大対慶大』[15]にて、携帯カメラ(NHK技研製 ウオーキールッキー)を自動車上に据え付け、移動撮像を実施。[2]
  • 19日 - 日本テレビがこの日の午前6時30分から、日本初のテレビ早朝放送を開始。その際、自社のテレビ画面に初めて時分テロップ表示を入れる[2][12]
9月
10月
11月
中部日本放送(CBC)テレビ放送開始(12月1日。写真は放送開始前日に完成したCBC会館(名古屋市新栄)、2005年撮影)
12月
  • 1日
  • 2日 - KRテレビ、日曜夜の単発ドラマ枠東芝日曜劇場』放送開始(2025年現在は連続ドラマ枠『日曜劇場』として継続中)。第1回作品は『舞踊劇 戻橋』。[2][4][27]
  • 18日 - 郵政省、「テレビジョン放送用周波数の割当計画基本方針」の修正案等を電波監理審議会に諮問。テレビのチャンネル数を6チャンネル制から11チャンネル制にすることや、NHKテレビの全国普及を第1とし、これに民放テレビの並立を策定するのが主な内容。[2]
  • 20日 - NHK放送技術研究所が、日本初のUHFテレビ局であるNTSC方式のカラーテレビ東京実験局を開局(周波数:671Mc、出力 映像:80W)。[2]
  • 22日 - NHK札幌放送局でテレビ局が開局(呼出符号:JOIK-TV 出力 映像:5kW)。[2]
  • 31日 - 日本テレビ・KRテレビ・OTV・CBCの民放4局で、精工舎(後のセイコーホールディングス)一社提供の大晦日特番ゆく年くる年』第1回放送(この年はKRテレビが制作)[2][4]。以後毎年の恒例となり、1988年度まで続いた。


開局・放送開始


テレビ番組

テレビドラマ

特撮番組

バラエティ番組

音楽番組

報道・情報番組

教養・ドキュメンタリー番組

トーク番組


参考文献

など


脚注

注釈

  1. ^ この当時は、未だ人工衛星を使った海外からの(宇宙)中継もないばかりか、この年の4月16日にアンペックス社が発表したばかりのモノクロの2インチVTRも実用化されていない為、日本での海外からの映像の放送は、フィルム撮影の輸送による放送しかなかった。しかしラジオでは既に短波を使った海外からの長距離による生中継が確立されており、NHKもそれを利用して実況中継を行った。
  2. ^ OTVは1959年にそれ以前ラジオのみだった朝日放送と合併し同社がテレビ・ラジオ兼営局となり、それに伴い呼出符号も「JONR-TV」へ変更された(なお「JOBX-DTV」は2015年現在大分朝日放送が使用している)。そして2018年4月1日、朝日放送の持株会社移行による会社分割でテレビ放送部門は朝日放送テレビ株式会社に分社化され、これに伴いコールサインも「JOAY-DTV」に再度変更される。
  3. ^ 2014年4月1日に中部日本放送が放送持株会社に移行したのに伴い、テレビ放送事業を株式会社CBCテレビに承継。これに伴い、呼出符号も「JOGX-DTV」に変更。ちなみに中部日本放送は5年前の1951年9月1日に民放では最初にラジオ放送を開始しており、東海地区においてはテレビ・ラジオともに民放第1局であったが、ラジオ事業は2013年4月1日に株式会社CBCラジオに放送免許を承継している。
  4. ^ 1954年から放送された『シルエットクイズ』が、三菱電機から花王石鹸(後の花王)に提供が変更されたのに伴い改題。
  5. ^ 初の牛乳石鹸共進社一社提供番組。
  6. ^ のちの『春夏秋冬』。

出典

  1. ^ 東京放送 社史編集室『東京放送のあゆみ』東京放送、1965年5月10日、585頁。NDLJP:2508112/595 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am an ao ap aq ar as at au av aw ax ay az ba bb bc bd be bf bg bh bi bj bk bl bm bn bo bp bq 「放送史年表 -詳細版- 1956年」(NHK放送文化研究所)(2025年5月30日閲覧)
  3. ^ a b c d e 日本テレビ放送網(株)『大衆とともに25年. 沿革史』(1978.08) 15ページ (渋沢社史データベース)(2025年5月31日閲覧)
  4. ^ a b c d e f g 株式会社東京放送『TBS50年史 資料編』株式会社東京放送、2002年1月、328頁。 
  5. ^ 番町スタジオ”. 日本音声製作者連盟. 2021年12月20日閲覧。
  6. ^ アニメ界この1年 ニュースで振り返る2011”. WEBアニメスタイル (2011年12月28日). 2020年10月7日閲覧。
  7. ^ NHKクロニクル『ウィーナー博士とサイバネティックス』アナログ総合 1956年04月10日(火) 午後06:30 〜 午後06:50
  8. ^ NHKクロニクル『主婦のための憲法教室 ―最高裁判所講堂― 「憲法と婦人の地位」』アナログ総合 1956年05月02日(水) 午後01:20 〜 午後02:20
  9. ^ NHKクロニクル『第一回世界柔道選手権大会実况 ―蔵前国技館―』アナログ総合 1956年05月03日(木) 午後01:20 〜 午後05:00
  10. ^ NHKクロニクル『ドラマ「人形の家」 ―国際演劇月参加作品―』アナログ総合 1956年05月19日(土) 午後07:30 〜 午後09:00
  11. ^ NHKクロニクル『京劇中継 ―歌舞伎座― 「三岔口」 「貴妃酔酒」』アナログ総合 1956年05月30日(水) 午後08:00 〜 午後10:00
  12. ^ a b c d 日本テレビ放送網(株)『大衆とともに25年. 沿革史』(1978.08) 16ページ (渋沢社史データベース)(2025年5月30日閲覧)
  13. ^ NHKクロニクル『口笛を吹く男 第一話 「五通の脅迫状」』アナログ総合 1956年07月01日(日) 午後08:30 〜 午後09:00
  14. ^ NHKクロニクル『エドガー・デール博士と視聴覚教育』アナログ総合 1956年07月17日(火) 午後09:30 〜 午後09:50
  15. ^ NHKクロニクル『第三十四回全日本競漕選手権大会実況「第二日」 京都大 対 慶応大 ―戸田コース―』アナログ総合 1956年08月12日(日) 午前11:00 〜 午前11:10
  16. ^ NHKクロニクル『第三十二回日本学生選手権水上競技大会実況「第二日」 ―神宮プール―』アナログ総合 1956年09月08日(土) 午後03:15 〜 午後06:00
  17. ^ a b NHKクロニクル イタリア歌劇団 1956年
  18. ^ 日本テレビ放送網(株)『大衆とともに25年. 沿革史』(1978.08) 17ページ (渋沢社史データベース)(2025年5月31日閲覧)
  19. ^ NHKクロニクル『ハイウェイ・パトロール(1) ―脱獄者―』アナログ総合 1956年10月09日(火) 午後08:43 〜 午後09:10
  20. ^ NHKクロニクル『日ソ国交回復と今後の日本』アナログ総合 1956年10月19日(金) 午後09:45 〜 午後10:25
  21. ^ NHKアーカイブス 放送史『お笑い3人組』(2025年6月2日閲覧)
  22. ^ NHKクロニクル『お笑い三人組 「目下執筆中の巻」』アナログ総合 1956年11月06日(火) 午後08:30 〜 午後09:00
  23. ^ NHKクロニクル『南極観測船「宗谷」出港式実況』アナログ総合 1956年11月08日(木) 午前10:00 〜 午前11:30
  24. ^ NHKクロニクル『文部省芸術祭参加番組 ドラマ 「どたんば」』アナログ総合 1956年11月10日(土) 午後08:00 〜 午後09:30
  25. ^ NHKアーカイブス 放送史『どたんば』(2025年6月2日閲覧)
  26. ^ a b 日本テレビ放送網株式会社 社史編纂室『大衆とともに25年 沿革史』日本テレビ放送網、1978年8月、87頁。NDLJP:11954641/56 
  27. ^ a b 株式会社東京放送『TBS50年史』株式会社東京放送、2002年1月、104頁。 



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