1号機、2号機の廃炉と6号機の新設計画とは? わかりやすく解説

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1号機、2号機の廃炉と6号機の新設計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 14:33 UTC 版)

浜岡原子力発電所」の記事における「1号機、2号機の廃炉と6号機の新設計画」の解説

1号機2001年11月全熱除去配管破断に伴い原子炉停止したその後2002年4月より第19回定期検査開始した2号機2004年2月第20回定期検査開始したその後1、2号機共2008年3月一杯までの予定炉心シュラウド交換工事耐震裕度向上工事計画された。耐震補強工事2,3,4号機含め数百億円の計画2005年着手された。 この補強工事内容は主に冷却水関係の配管サポート増強排気塔は地盤強化し振動吸収する大型油圧機構設け内容であり、後に完了予定時期2011年3月延期された。 この間2001年夏より3年後策定目標に国の原子力安全委員会耐震指針検討分科会にて、耐震設計指針見直し作業開始されていたが、確率的安全性評価採用の是非などを巡って地震学者工学者意見対立し策定されたのは2006年であった。そのため、中部電力指針改定待たず指針策定前の2005年1月自主的に平地震動1000ガルGal)に耐える仕様とすることを決断した結局指針では浜岡基準地震動800ガルとなったが、1000ガルという数字根拠は「従来600ガルと言う数字2 - 3割増と言う上の意味しかなかった」と言う。 なお、1000ガルと言う数字目標には政治的な意味合いもあったことが指摘されている。それは先進国特有の「「何が起きてもまったく問題がない」と周辺住民納得する水準まで引き上げねばならないと言う事情である。また中部電力はある雑誌取材に対して浜岡原発差し止め訴訟判決10月26日にあるだけに、一審敗訴となると逆転ができなくなることもあるわけで、全電力のためにも敗けるわけにはいかないでしょう裁判に勝つために1000ガルにも耐え得る大規模な耐震補強をしているのです」と述べている。この点は反対派側の推量とも一致している。 この計画に従って3号機以降は必要とされる部位耐震補強工事実施し2008年完了したしかしながら1、2号機は経済性観点から採算合わないとされて計画変更となり、2008年12月従来継続使用に代わって6号機新設によるリプレース取り替え計画変更された。 問題1000ガルという数字大きさにあった1、2号機の場合800ガルまでならば、補強工事の期間、費用ともに限定的であり、採算上も実行可能であったが、1000ガル場合費用がひとつ跳ね上がることが検討通じて判明した。特に大きな費用要するのが、原子炉建屋免震構造化であり、1000ガル対応のためには必要不可欠分かってきたのは2008年7月頃のことだった。免震化のためには建屋横から穴を掘削して土台構築する必要があった。中部電力独自の強度試算では、1000ガル地震動であっても1,2号機の主要な原子力機器には問題生じないとの結論得ていたが、結局下記のような経済性比較から、リプレース決定した1,2号機原子炉建屋補強工事:各1500億円、計約3000億円内訳免震化建屋補強工事1500億円、縦揺れ対策補強工事1200億円、シュラウド交換工事300億円 6号機新設コスト:約3500億円 1,2号機廃炉コスト:約900億円(原子力発電施設解体引当金より拠出) その他、ABWR基本設計とする6号機出力1,2号機の合計出力ほぼ等しい点、2機→1機に統合設備近代化によって運転員数削減できる点などがリプレース案を有利なものとしていた。 (参考3-5号補強工事費:1機当たり数10 - 100億円 日本経済新聞などによればこのようなリプレース計画の背景には運営費の面から見た経済的問題と、立地候補失ったという2つ問題影響与えている。 中部電力業界平均比較し原子力発電比率低位推移しており、火力発電にて年間発電電力量の7割以上を賄わなければならず、それが業績の不安定要素として重くのしかかっており、2000年代後半原油価格高騰影響を受け、2008年7月29年振り赤字転落した中部電力浜岡補強計画していた2000年代に、珠洲原子力発電所計画芦浜原子力発電所計画中止しており、他に候補地無くなったまた、発電所建設費不要となったことでリプレース資金的折り合いはついた。 法的な強制力こそ無いものの当然のことながら、「(1000ガル公約した基準引き下げることは企業として困難」という事情もあったことを日経新聞記事報じている。 このリプレース計画について、朝日新聞地震発生域での建設であること踏まえCO2削減など環境上の要請認めつつも、「他社原発から調達する電力量増やしたり、新たな立地模索したり、といった代替策広く検討すべきだ」などと述べた日本経済新聞も「原発比率をさらに高めるためには、浜岡以外の立地検討課題となる」と述べている。

※この「1号機、2号機の廃炉と6号機の新設計画」の解説は、「浜岡原子力発電所」の解説の一部です。
「1号機、2号機の廃炉と6号機の新設計画」を含む「浜岡原子力発電所」の記事については、「浜岡原子力発電所」の概要を参照ください。

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