遊佐の小正月行事とは? わかりやすく解説

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遊佐の小正月行事

名称: 遊佐の小正月行事
ふりがな ゆざのこしょうがつぎょうじ
種別1: 風俗習慣
保護団体名: 遊佐のアマハゲ保存会
指定年月日 1999.12.21(平成11.12.21)
都道府県(列記): 山形県
市区町村(列記): 飽海郡遊佐町女鹿・滝ノ浦・
代表都道府県 山形県
備考 1月1日3日6日
解説文: 山形県遊佐町女鹿【めが】・滝ノ浦・地区は、鳥海山西麓山形県秋田県県境位置し日本海岸に面した海沿い半農半漁ムラである。女鹿には水田がない。
 この地域では正月アマハゲと呼ぶ行事が行われている。現在は滝ノ浦が一日女鹿三日崎が六日と別々の日に行われているが、昭和十二年ころまでは三集落とも旧暦一月十五日に行われていた。期日その後一月三十一日一月六日変化し昭和五十年代初めから現在の期日となった
 かつて三集落では、アマハゲ行事とともにホンテ焼き行事鳥追い行事が行われており、崎では現在も地区行事として行われている。
 アマハゲの役はかつてはムラ若者務めるものであった女鹿かつてはワカゼという若者組織が、現在では高校生から三〇歳くらいまでの青年会務める。滝ノ浦では消防団主体となり、崎でもかつては一五歳から二五歳までのワカゼが務めたが、その後消防団へと主体移り、現在では集落挙げて行事となっている。
 アマハゲ衣装は、女鹿では赤鬼・青鬼ジオウ(翁)・カンマグレ・ガンゴジなどの番楽面、滝ノ浦ではジジメンまたは赤鬼・青鬼というアマハゲ専用の面、崎では岩倉笠森壺という山の名前付けたアマハゲ専用の面を被り着物または下着の上ケンダン幾重にも巻く。履き物黒足袋藁沓を履いたが、現在は滝ノ浦を除いて黒足袋下駄を履いている。ケンダン相撲のさがり状に長く編んで作ったのである。                                                                                                    行事当日女鹿白旗神社、滝ノ浦は大鳥神社崎は三上神社夕刻前までに集合し神前に面を飾り拝礼してからケンダン着ける。女鹿は面開き神事を行う。
 夕刻になると女鹿・滝ノ浦ではムラ下手から上手へ、崎では逆に上手から下手へと各戸訪問する。以下、平成九年の行事を例にとると、以下のとおりである。
 女鹿アマハゲ五体で、数人交代で面をつけ家々訪問するケンダン着けた者七人太鼓打ち一人一団となって歩く。アマハゲは家に入ると横一列並んで神棚拝み家長新年祝い交わした後、身体揺すりながら「ウオーウオー」と声をあげ子ども・娘・嫁・婿などを威嚇し太鼓の音を合図に終わる。その後、嫁が酒の酌をして接待し、餅を二個渡すと、アマハゲはその一つ受け取り残り一つ護符として家に残す。
 滝ノ浦のアマハゲは二体で、太鼓打ち一人鈴振り一人、籠持ち一人アマハゲ身の回り世話をするもの数人一団となって一切無言で各家に向かう。家の入り口入り太鼓打った後、アマハゲだけが家に入る。太鼓打ち太鼓連打すると、アマハゲはこれに合わせて左右の足を強く踏みしめながら座敷入り供えられた餅を見えないように素早く懐にするその後、子ども・娘・嫁・婿などを威嚇したり、年寄りには肩を叩いたり腰を揉んだりして、戻り太鼓の音を合図引き上げる。
 崎のアマハゲ三体で、ケンダン着た一〇人が交代務め、他に太鼓打ち一人鈴振り一人が加わる。家に着くと、太鼓打ち鈴振り入り口太鼓、鈴を打ち鳴らしアマハゲ年頭祝い述べるなどする。各家では酒食もてなし丸餅二個を差し出す。最初の家では一個残し二軒以降全部受け取って袋に入れ、よその家の餅一個を渡す。              三集落ともケンダン屑をコモジといって神聖視し、女鹿では福の神といって神棚供え、滝ノ浦ではたくさん落ちると五穀豊穣になるという。崎では堆肥塚に乗せたり年寄り与える。      鳥追いはヨンドリ・ヨナカドリ・ヨアケドリ・アサドリの四回行われるこのうちヨンドリはアマハゲのすぐ後に続いてまわる。滝ノ浦ではヨンドリとヨアケドリは青年が、ヨナカドリとアサドリ子ども組が行ったという。現在行われている崎では子どもたち行事で、太鼓合わせて鳥追い唄歌いながら集落内をまわっている。
 ホンテ焼きは、女鹿では以前子どもたち、現在は青年達が門松注連縄とともにケンダン焼いている。滝ノ浦では家ごとに行っており、崎では子どもたち上ノ山ホンテ焼き場門松・古類とケンダン焼いている。
 遊佐のアマハゲ男鹿のナマハゲ系の行事であるが、包丁などは持たず新年祝福豊作約束し護符の餅をやりとりするなどの特色有するとともに、滝ノ浦のように無言で独特の所作を行うなどの地域的な特色有している。

アマハゲ

(遊佐の小正月行事 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/08 22:29 UTC 版)

アマハゲは、山形県飽海郡遊佐町吹浦の浦通り地区(女鹿、滝ノ浦、鳥崎)に伝わる小正月伝統行事遊佐の小正月行事(ゆざのこしょうがつぎょうじ)の名称で1999年(平成11年)12月21日に国の重要無形民俗文化財に指定されている[1]




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