鳥追いとは? わかりやすく解説

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とり‐おい〔‐おひ〕【鳥追い】

読み方:とりおい

農作物害鳥追い払うこと。また、その仕掛け鳥おどし

農村小正月行事の一。関東東北地方などで行われる多くは、子供たち鳥追い歌うたって、鳥追い棒と称する杓子(しゃくし)や棒などでを追うしぐさをする。

門付けの一。新年門口で、扇で手をたたきながら祝言述べ米銭施し得たもの。江戸初期京都悲田院与次郎始めたという。たたき。たたきの与次郎

門付け芸の一。江戸中期以降新年女太夫たちが、新し着物日和下駄編み笠姿で三味線などを弾きながら、鳥追い歌歌って家々回ったもの。《 新年》「—やうき世の袖袂/万太郎


鳥追い

作者由子

収載図書狐狸幻夢
出版社近代文芸社
刊行年月1996.10


鳥追い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/17 17:06 UTC 版)

鳥追い(とりおい)とは、小正月1月14日 - 15日)に行われる年中行事のひとつ。また、正月の祝い芸として各戸を回って鳥追い唄を歌う門付芸人のことも指す。

農村行事として

主に東日本の農村において行われる行事で、田畑をの被害(食害)から守ることを祈念して行われる。この行事は、主に子どもが主役となって行われ、地域によってやり方は異なるが、正月に使われた注連縄などで小屋をつくり、その小屋を小正月の夜に燃やすものや、子どもたちが鳥追いの歌を歌いながら村の中を回ったり、村境まで行くものなどがある[1]

新潟県上越市の俗信として、隣町と鳥追い歌を歌い合うが、隣町より早く歌わないと害鳥が全て来てしまう、また、鳥追いに出る時は騒いで行くが、帰りは静かに帰らないと鳥が戻って来るとされた[2]福島県では子供達が拍子木を用いて村外れまで行き、その後、隣部落の子供達と雪合戦石合戦をする行事となっている[3]

鳥追いに扮した尾上菊五郎と中村清三郎。石川豊信18世紀)画。江戸時代

門付芸として

阿波踊りの女性の衣装

阿波踊りの女性の扮装はこの鳥追い女の風俗がもとになっている[4][5]

京都では物乞いが人家の門口で扇を叩きながら祝いの歌を歌い、金銭を乞う[6]

民話・伝説

静岡県浜松市寺島町(寺島八幡地)の伝説として、享保3年(1718年)、秋の収穫期になるとスズメの大群が稲穂を荒らし、これに困った農民が村の地蔵尊に願うと、翌朝、田んぼには一羽も見当たらず、地蔵の足が泥だらけになっていた。そのため、地蔵がスズメを追い払ったとして、以来、「鳥追地蔵」として手厚く祀られるようになった[7]

関連項目

脚注

  1. ^ 「年中行事事典」p550 1958年(昭和33年)5月23日初版発行 西角井正慶編 東京堂出版
  2. ^ 怪異・妖怪伝承データベース、「俗信」「鳥追い」で参考文献含めて検索可能。
  3. ^ 怪異・妖怪伝承データベース、「鳥追い」で参考文献含めて検索可能。
  4. ^ 『女性芸能の源流: 傀儡子・曲舞・白拍子』脇田晴子、角川学芸出版, 2001 
  5. ^ 『古語辞典 第八版』(旺文社)p.886.女芸人が編み笠をかぶって門前で三味線を用いて歌い、金銭を乞うとある。
  6. ^ 『古語辞典 第八版』(旺文社、1994年)pp.885-886.
  7. ^ 『浜松城物語-家康から現代まで-』(読売新聞浜松支局編、1978年)p.152.当著では、搾取していた地主をスズメにたとえた、高免に苦しんだ農民の哀話かもしれないとする。

外部リンク


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