近代的な国民国家の形成とは? わかりやすく解説

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近代的な国民国家の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 05:03 UTC 版)

日清戦争」の記事における「近代的な国民国家の形成」の解説

憲法発布1889年)、部分的な条約改正1894年日英通商航海条約領事裁判権撤廃)、日清戦争(1894 - 95年)の3点セットは、脱亜入欧第一歩であったとりわけ近代的戦争遂行とその勝利は、帝国主義時代国際社会大きな意味をもった。ただし、欧米大国で、日本の「公使館」が「大使館」に格上げされるのは、日露戦争後である。また開戦きっかけに、国内政局大きく変わった衆議院内閣弾劾上奏案可決する等、伊藤内閣への対決姿勢をとってきた対外硬六派なども、同内閣戦争指導全面的に支援した。つまり、歴代内閣反政府派議員とが対立してきた帝国議会初期混沌とした政治状況一変したのである戦時下政治休戦戦後1895年11月伊藤内閣藩閥)と自由党提携し第九議会日本勧業銀行法をはじめ、懸案民法典第一編 - 第三編など重要法案を含む過去最多93法案成立)。 もっとも世間では、清との開戦困惑緊張をもって迎えられた。なぜなら、歴史的に中国崇め(あがめ)ても、見下すような感覚がなかったためである。明治天皇清との戦争逡巡しゅんじゅん)したように日清戦争勃発戸惑う国民少なくなかった。しかし、勝利の報が次々に届くと、国内大い湧き戦勝祝賀会などが頻繁に行われ、「帝国歳」が流行語になった戦後凱旋行事も盛んであり、しばらくすると各地記念碑建てられた。戦時中男児遊び戦争一色となり、少年雑誌戦争情報があふれ、児童清国人小石投げ事件起こった。ただし、陸奥宗光のように、制御難し好戦的愛国主義排外主義)を危ぶむ為政者もいた。 国民向けて最も多く戦争報道をしたのが新聞であった新聞社は、費用増が経営のしかかったものの、従軍記者を送るなど戦争報道強かった大阪朝日新聞』と『中央新聞』が発行部数伸ばし逆に戦争報道弱かった郵便報知新聞』『毎日新聞』『やまと新聞』が没落したまた、忠勇美談西南戦争以前異なり徴兵された「無名兵士英雄化)など、読者熱狂させた戦争報道は、新聞・雑誌世界認識する習慣定着させるとともに報道機関発達促した。その報道機関は、一面的な情報増幅して伝える等、人々価値観単一にしてしまう危険性をもった。たとえば、新聞と雑誌は、清が日本よりも文化的に遅れている、とのこと繰り返し伝えた開明的近代国家として日本礼賛)。国民の側も、そのような対外蔑視記事求めた日清戦争は、近代日本初め経験した大規模な対外戦争であり、この体験通して日本近代的な国民国家脱皮した。つまり、檜山幸夫指摘した国民」の形成である(戦争統合作用)。たとえば、戦争遂行過程国家人々に「国民としての義務貢献要求しその人々は国家軍隊日常的に意識するとともに自ら一員であるとの認識強めた戦争統合作用重要な役割果たしたのが大元帥としての明治天皇であり、天皇大本営広島移転は、国民天皇親征強く印象づけた。反面、清との交戦とその勝利は、日本人中国観に大きな影響与え中国蔑視風潮見られるようになった戦場からの手紙に多様な中国観が書き記されていたにもかかわらず戦後多く人々記憶残ったのは、一面的差別的な中国であった。なお、国内日清戦争興奮していたとき、上田万年漢語世界から脱却した国語確立唱道し、さらに領土拡大台湾取得)などを踏まえ標準語創出提起した

※この「近代的な国民国家の形成」の解説は、「日清戦争」の解説の一部です。
「近代的な国民国家の形成」を含む「日清戦争」の記事については、「日清戦争」の概要を参照ください。

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