長野県方言
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長野県方言(ながのけんほうげん)、または信州弁(しんしゅうべん)は、長野県で話される日本語の方言の総称である。方言区画上の分類としては、東海東山方言に属す。山梨県の方言(甲州弁)や静岡県の方言(静岡弁・遠州弁・伊豆弁)とあわせて「ナヤシ方言」と総称されることもある(都竹通年雄(1949年)の説)。
注釈
- ^ 正確には、畑美義は南信方言のうち旧奈川村、旧楢川村を東日本方言に、残りの地域を西日本方言に位置付けている。また矢島満美は木曽地域のみの研究であるが、旧奈川村、旧楢川村、木祖村小木曽を東日本方言に位置付け、木祖村、王滝村、旧開田村、旧新開村、対立地帯とし、残りの地域を西日本方言に位置付けた。福沢武一は矢島の研究を支持しつつ、伊那地域についても調査を行い、宮田村以北を東日本方言、旧伊那村を対立地帯、旧中沢村、旧赤穂町以南を西日本方言とする論文を発表したことがあるが、福沢は後に撤回している)
- ^ 2005年以前の史料には旧山口村も含まれる。
- ^ 飯田市街地周辺では融合しないが、市街地から少し離れた地域では融合する場合も多い
- ^ 『上伊那誌 民俗篇下巻』によれば、1960年生まれ以降では長野や松本の市街地ではB型化が進んでいる。上伊那では調査当時B型化は進んでおらず、そのほかの地域は不明。
- ^ 「長野県史 方言編」(馬瀬)には平板型とあるが、実際の発音は尾高型。
出典
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