調査研究の経過とは? わかりやすく解説

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調査研究の経過

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 10:14 UTC 版)

南硫黄島原生自然環境保全地域」の記事における「調査研究の経過」の解説

人間による開発の手及ばず手つかず原始の自然が残され南硫黄島は、やがてその貴重な自然環境注目されるようになった1930年昭和5年)に南硫黄島採取され小笠原営林署栽培され植物中井猛之進の手渡ったことにより、南硫黄島生物最初に学会もたらされることになった。そして1935年昭和10年10月小笠原営林署による植物調査実施され標高700メートル付近まで調査実施して多数植物標本持ち帰った。これが初めての南硫黄島学術調査である。 翌1936年昭和11年3月、より本格的な植物調査実施された。このときの調査では島の南西部から登頂行って初めて島の最高点到達し海岸部から山頂部まで調査を行うことに成功した調査では維管束植物89種を採集し南硫黄島植物相特徴とらえられるようになった1968年昭和43年6月小笠原諸島日本復帰後人間の影響きわめて希薄で、自然環境調査進んでいない南硫黄島についての関心高まっていった。まず1969年昭和44年7月には鳥類調査目的として文部省調査船南硫黄島周辺調査し同月東京都建設局公園緑地部の調査船調査のため南硫黄島一周した1972年昭和47年10月南硫黄島小笠原国立公園区域指定され1972年11月には南硫黄島全体天然記念物指定された。さらに1975年昭和50年5月環境庁によって人間による環境への影響少なく原始の自然が残されている地域として、自然環境保全法に基づき原生自然環境保全地域指定された。 1979年昭和54年4月には、地質調査所南硫黄島岩石採集目的として上陸調査行ったが、天候急変のために数時間調査切り上げざるを得なかった。1981年昭和56年6月には国土庁岩石採集目的とした調査試みたが、高波のために上陸断念した1981年昭和56年6月日本シダの会の調査員上陸成功し130メートル付近まで登頂行い新たに13種の植物採集した環境庁原生自然環境保護地域指定された5か所の総合的な学術調査昭和55年度から実施したその中で南硫黄島も、1982年昭和57年6月総合的な学術調査実施された。1936年以来46年ぶりに海岸部から山頂まで各種調査実施されこれまで多くの謎に包まれていた南硫黄島貴重な地形地質土壌植物動物などの自然環境明らかになってきた。このときの調査結果踏まえ1983年昭和58年6月南硫黄島全体原生自然環境保護地域立入制限地区指定されることになった2007年平成19年6月東京都環境局首都大学東京の手によって25年ぶりの南硫黄島調査が行われた。これは小笠原諸島世界遺産自然遺産候補地とされる中で、調査回数少なくいまだ全貌が明らかとなっていない南硫黄島自然環境についての調査実施し人間からの影響きわめて少な海洋島である南硫黄島生物多様性生態系あり方生物進化の過程知り、そして南硫黄島への外来生物進入状況把握することが小笠原諸島世界遺産として価値証明するためにも必要と判断されたためであった2007年の調査では1936年1982年続き3回目となる山頂までの総合調査実施され南硫黄島自然環境について貴重な知見を得ることができた。また2007年の調査時は、人間からの影響最小限抑えられている南硫黄島への外来種持ち込み避けるために、島内持ち込む荷物クリーンルーム内で殺虫剤燻蒸行い調査隊員排泄物ゴミもすべて持ち帰るなど、調査によって南硫黄島自然環境影響与えぬよう万全の体制取った2017年平成29年6月東京都首都大学東京日本放送協会合同による南硫黄島学術調査実施された。立ち入り困難な場所も多いため、科学者らはロッククライミング専門家から事前に指導を受け(調査にも同行)、マルチコプターによる空撮使用された。この記録2018年NHKスペシャル放送された。 南硫黄島これまで行われた本格的な学術調査は、1936年1982年2007年2017年の4回にすぎず、4回とも山頂部までの調査実施されたものの、すべて島の南西部からほぼ同一コース取って山頂目指したため、海岸部を除くと島の南西部から山頂への登頂ルート周辺という島内のほぼ同一地域調査限られている。また戦後1982年2007年2017年調査とも、天候比較安定していて台風少なく波が一番穏やかな季節とされる6月実施されており、冬季南硫黄島繁殖活動行っている可能性があるとされるアホウドリ類調査進んでいないなど、まだ南硫黄島自然環境については調査進んでいない部分残されている。

※この「調査研究の経過」の解説は、「南硫黄島原生自然環境保全地域」の解説の一部です。
「調査研究の経過」を含む「南硫黄島原生自然環境保全地域」の記事については、「南硫黄島原生自然環境保全地域」の概要を参照ください。

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