製品化以降
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2003年4月10日 ソニーは片面一層記録(23GB)対応のBDレコーダー「BDZ-S77」を発売した。同時に、録画用書き換えメディアも製品化された。 5月28日 三菱電機がBlu-ray Disc Foundationsに加盟。以後Blu-ray Disc Associationへの改称(後述)までにデル、ヒューレット・パッカード(HP)、TDKも加盟した。 2004年10月4日 Blu-ray Disc FoundationsはBlu-ray Disc Associationに改称。この時点で加盟企業は73社。 12月22日 HD DVDプロモーショングループが設立。幹事企業は東芝・三洋電機・NEC・メモリーテックの4社。 2005年4月21日 両陣営が規格統一で交渉に入ったことが報道される。しかし記録層や光ディスクに対する根本的なビジネススタンスの差により、両陣営はその後決裂した。 6月15日 三洋電機が同年4月末を以て、HD DVDプロモーショングループ幹事企業としては初めてBlu-ray Disc Associationに加盟したことが明らかにされる。 10月3日 HD DVD陣営であったパラマウント映画がBDでもリリースを行うと発表、同月20日にはワーナー・ブラザースもBDでもリリースを行うと発表したため、米国の大手映画スタジオでHD DVDのみでリリースを行うのはユニバーサル・ピクチャーズ 1社のみとなった。 2006年3月31日 HD DVDソフトが発売。 6月20日 BDソフトが発売。HD DVDソフトの発売が先行したことや初期のBDソフトで画質の評価が低いタイトルがあったことなどで、緒戦はHD DVD有利でスタートした。しかし11月に日米でのプレイステーション3の発売以降、BDソフトの売上が飛躍的に増加した。 録画機が重視される日本国内では7月に東芝がHD DVDレコーダーを、11~12月に松下電器産業とソニーがBDレコーダーを発売した。年末商戦ではプレーヤー・レコーダーのシェアでBDが94.7%を占め圧勝した。この数字にはプレイステーション3が含まれていないため実際のシェアはBDがより圧倒的であるとみられる。 かつての記録型DVDの規格争い(DVD-RAM/-RW/-R対DVD+RW/+R)のようにBD/HD DVD両対応機器への動きも出てきた。LG電子が両対応プレーヤーを発表(2007年2月発売)。またワーナーがディスク両面にBDとHD DVDを記録する「Total Hi Def(THD)」ディスクを発表したものの、まだ研究開発段階でありコストも高いため業界や消費者からは批判的な反応が多かった。 2007年米国最大手のレンタルビデオチェーンBlockbusterが実質的にBD支持を打ち出すなど、ソフトの需要の拡大からBDが有利になっている情勢となった。 しかしHD DVD陣営の東芝はプレーヤーの低価格化で巻き返しを図ろうとし、HD DVD陣営はゲーム機を除いた専用プレーヤーの販売台数の多さやアタッチレート(ハード1台あたりのソフトの売上本数)が高い(データを示していないが)ことで優位性があると主張する。 8月20日 ヴァイアコム傘下のパラマウント・ピクチャーズ等はコンテンツをHD DVDに独占供給すると発表、契約開始から18ヶ月間HD DVDのみでの発売となる。ただし、スティーヴン・スピルバーグが監督した作品に関しては対象外となっていて、加えて今回の独占発表時にも引用された映画「トランスフォーマー」の監督マイケル・ベイからも独占決定に厳しい異論が出ていた。また、今回のヴァイアコムの決定にはHD DVD陣営からの1億5000万ドルの見返りがあったためであると複数の米メディアが伝えている。このように市場の動向を反映しない今回の決定に、一部ではこの発表は「パラマウント・ショック」と呼ばれていた。 10月 CEATEC JAPANでのBD陣営の発表によると日本国内のBDのシェアはソフトが約90%、レコーダーが96%、メディアが98%と圧倒した。 日本のレコーダー市場ではソニー・松下・シャープの新機種発売により全体に占めるBDのシェアが20%前後にまで急上昇した。東芝のHD DVDレコーダーの新機種発売がやや遅れたため年末商戦で大きく引き離される結果となった。 BD陣営の発表によると、2007年1年間の米国内のBD:HD DVDのソフト売上シェアは64:36となった。秋にはパラマウント・ショックで一時接近したものの年末商戦では再びBDが差を広げている。 BCNの発表によると、録画機が主流の日本において、2007年10~12月の第3世代光ディスクレコーダーの販売シェアは、ソニーが6割、松下電器産業が3割を占め、3位のシャープと合わせた台数シェアでは、BD陣営が96%と前年に続き圧勝した。前年より第3世代光ディスクレコーダーのシェアが大幅に伸びた上のBD陣営圧勝は東芝にとってかなり苦しいものとなった。 2008年1月5日(日本時間) もともとHD DVD陣営であり現在のHD DVDタイトルのおよそ50%を供給するワーナーホームビデオが、現在HD DVDとBDで並行して供給しているソフトを、2008年6月以降発売のタイトルからBDのみで供給すると発表した。前年のパラマウント・ショックと違い市場に対する影響が大きく、ワーナー・ショックと呼ぶ向きもある。これでBDの勝利が決定的になったと伝えるメディアが多い。又、これに伴いニューライン・シネマは既にBDへの独占供給へと移行した。 1月8日(日本時間) パラマウントもワーナーに追随してBDに鞍替えする可能性があると英フィナンシャル・タイムズが報じた。2007年夏のHD DVD独占供給契約にはワーナーがHD DVD陣営を離れればパラマウントも同調することができるという条項が含まれており、それを行使する見込みと報じている。 2月12日 米国小売店大手のBEST BUYが、今後はBlu-rayを推奨フォーマットとして展開することを発表する。また、レンタル店大手のNet-FlixもBlockbusterと同様にBD専売化を発表する。 2月15日世界最大の販売店である米Wal-Martが、BD専売化を発表する。在庫の販売は続けるものも、ワーナーがBD専売化する6月までには、4000店舗とオンラインストアからHD DVD製品は撤去。 映画会社や小売業者のHD DVD離れを受け、東芝はHD DVDへの投資を数週間以内に諦める可能性があるとロイター通信により報じられた。1月15日以降、東芝はHD DVDプレイヤーを更に半額にするという戦略に出たにも関わらず、ゲーム機を除く再生機の販売数で大差をつけられたためという。 2月16日 東芝本社役員[誰?]により東芝のHD DVD事業全面撤退がほのめかされる。これにより本規格競争はBD側がほぼ完全に主導権を握る事となった。撤退による東芝の損失は数百億円規模になるとみられる。 2月19日 東芝の西田厚聡社長はHD DVD事業について3月末をめどに全面撤退すると正式に発表した。ワーナーの離脱により、勝ち目がないと判断したためという。撤退の際、店頭や倉庫の在庫が問題視されたが、流通在庫に関しては東芝で買い戻すという。これにより第3世代光ディスク、「次世代DVD」と呼ばれる主要な規格はBlu-ray Discのみとなり、本格的な移行が始まると考えられた。 2月20日(日本時間)ユニバーサル・ピクチャーズがBlu-ray Discに参入を表明「規格がブルーレイに統一されるのは(映画会社など)娯楽産業と消費者にとって喜ばしい」とコメントした。 2月21日(日本時間)パラマウント・ピクチャーズがBlu-ray Discに再参入を表明、「1つの規格に移ることは喜ばしい」とコメントする。これによりハリウッド大手6映画会社全てがBlu-ray Discへと集結した。 3月28日 HD DVD陣営の推進団体であるHD DVDプロモーショングループが解散し、名実共にHD DVDの歴史に幕が下ろされた。
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