マイケル・ベイとは? わかりやすく解説

マイケル・ベイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/12 01:38 UTC 版)

マイケル・ベイ
Michael Bay
生年月日 (1965-02-17) 1965年2月17日(60歳)
出生地 アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
職業 映画監督映画プロデューサー
活動期間 1984年 - 現在
主な作品
監督
バッドボーイズ』シリーズ
ザ・ロック
アルマゲドン
パール・ハーバー
トランスフォーマー』シリーズ
製作・製作総指揮
13日の金曜日』(2009年)
エルム街の悪夢』(2010年)
パージ』シリーズ
クワイエット・プレイス』シリーズ
受賞
MTVムービー・アワード
最優秀作品賞
2008年トランスフォーマー
ゴールデンラズベリー賞
最低監督賞
2009年トランスフォーマー リベンジ
2014年トランスフォーマー/ロストエイジ
その他の賞
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マイケル・ベイMichael Bay1965年2月17日 - )はアメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス出身の映画監督映画プロデューサー

ミュージックビデオやCMの演出・監督としてキャリアをスタートし、カンヌ広告フェスティバル金獅子賞など数々の賞を受賞した後に映画監督となる。

アメリカ合衆国色の強い娯楽大作映画を監督することで知られ、アクション映画のヒット作を多く手がけている。

プロフィール

子供時代は養子として養父母のもとで育った。15歳のとき「レイダース/失われたアーク」(1981)のストーリーボードを書くインターンシップに参加したのが映画に関わる最初の仕事だった。友人たちに「失敗作だよ」などと吹聴したものだが、翌年両親と一緒に観に行くと想像をはるかに上回る面白さで、アクション映画の監督を目指すきっかけになったという[1]

その後、パサデナアートセンター・カレッジ・オブ・デザインと、ウェズリアン大学で学んだ。卒業後、ミュージックビデオの演出と製作に携わるようになる。

CMのディレクターとしてカンヌ広告フェスティバル金獅子賞をはじめとする数々の賞を受賞し、1995年『バッドボーイズ』で監督デビューした。翌年の「ザ・ロック」も大ヒットし、続いて「プライベート・ライアン」(1998)の監督に抜擢されたのだが、戦争と暴力を結び付けられないという理由で断った[2]。その年に監督した「アルマゲドン」は「プライベート・ライアン」を抜いて興行収益のトップに躍り出た。「ブラックホーク・ダウン」(2001)のオファーもあったがやはり同様の理由で断っている[3]

2006年VFXスタジオのデジタル・ドメインを買収し、オーナーに就任。また、スピルバーグとは長年良い関係を築いており、2007年の「トランスフォーマー」の監督に指名したのもスピルバーグだった。

2010年2月、『ヴァニティ・フェア』誌が「2009年に最も稼いだハリウッドの稼ぎ手」のランキングを発表し、1億2,500万ドル(日本円で約112億円5,000万円)を稼いで1位にランクインした。この金額は映画のギャラだけでなく、商品のロイヤリティ収入なども含んでおり、『トランスフォーマー』関連の映画のほか、DVDのロイヤリティやおもちゃのライセンス料がかなりの額を占めるという[4]

2010年12月、経済誌『フォーブス』が「エンターテインメント業界で最も稼いだ人物」のランキングを発表し、1億2,000ドル(日本円で約98億4,000万円。当時の1ドル82円計算)を稼いで4位にランクインした[5]

映画人として

マイケル・ベイ(青いシャツの人物)

映画では、ジェリー・ブラッカイマーとタッグを組むことが多く、『アルマゲドン』、『パール・ハーバー』、『ザ・ロック』、『バッドボーイズ』など6作品の合計興行収入は2400億円(20億ドル)とメガヒットを連発している。

2012年現在はプロデュース業にも力をいれており、『テキサス・チェーンソー』シリーズや『悪魔の棲む家』、『ヒッチャー』、『13日の金曜日』などホラー映画の制作を務めている。

興行的にはとても成功している。

映画の特徴

現実では有り得ないような演出・展開を米国では「ベイ・ヘムBay-hem[6]」という造語で表現している。

監督の映画撮影

2007年公開の『トランスフォーマー』撮影中

マイケル・ベイ監督は、自ら撮影カメラを持って撮影することがあり、その理由として、撮影スタッフに説明してもスタッフが理解できないことが挙げられる。

また、監督の撮影手段の特徴として下記のものが挙げられる。

登場人物を中心点として、カメラを螺旋状に回して上昇しながら撮影する
マイケル・ベイ監督の最も特徴となっている撮影方法で、初監督作品『バッドボーイズ』で実装し、その後の『ザ・ロック』や『パール・ハーバー』、『バッドボーイズ2バッド』でも採り入れている。『バッドボーイズ』の撮影中に監督が思いついたことがきっかけで、当時の撮影スタッフ達は半ば理解できない中、監督の指示通り行った。ちなみに、「トランスフォーマー」シリーズで、ロボットの変形シーンや合体シーンでも、変形・合体工程を360度で見せられるように効果的に用いられている。
特殊撮影車両
カーチェイスシーンでは、改造された撮影専用車両を用いており、地面すれすれの状態で斬新かつスタイリッシュな映像を実現している。
下記が、監督が用いている撮影車両である。
ベイ・ボマー
黒い四角形の形をしたゴーカートで、車両を地面すれすれで撮る場合や、高速でのカーチェイスなどで用いられる。
トランスフォーマー』での主人公とディセプティコン・バリケードのカーチェイスや市街地でのディセプティコン・ブロウルに向かって行くオートボット・アイアンハイドの走行シーンなどで使われた。
予想以上の速度を出す事ができ、障害物だらけで入り組んだ道路を130 km/h近くの速度で走行させて撮影することがほとんどで、監督は「自殺未遂車」と呼ばれたことがある。
ベイ・バスター
ピックアップトラックに鉄筋や鉄骨を溶接して改造した、一見三角形状になっている特殊撮影車両。
カーチェスシーンにおいて放り出された車めがけて突進し、車に衝突してもビクともせずにそのまま走行し続けるほどの頑丈さを誇っている。
この車両に搭載されているカメラとして物にぶつけることを目的として使われる特殊固定カメラ「アイモ」を使っていて、通常ならば危険な映像を撮ることができる。
初めて使われた作品は『バッドボーイズ』。『トランスフォーマー』のディセプティコン・ボーンクラッシャーの猛追撃シーンでも使われている。
マイケル・ベイ監督とは関係の無い、『スパイダーマン2』での銀行車両の暴走シーンの撮影でも用いられている映像がDVDのメイキングシーンに収録されている。
クレーンカメラが付いたカイエン
屋根に大型のリモコン駆動の無人クレーンカメラが付いた、1人乗りのカイエン。
クレーンの基部とカメラ搭載部の関節部のそれぞれが回転でき、多彩な角度での撮影を実現。
トランスフォーマー』の撮影で新しく造られた。

「次世代DVD」に対して

当時のいわゆる「次世代DVD戦争」(第3世代光ディスクにおけるBlu-ray DiscHD DVD規格争い)に際して、ブルーレイが圧倒的に優位だった中、2007年8月20日 パラマウント映画は突如としてHD DVDでの独占供給を発表する。この際、消費者の意思を無視しているとして、マイケル・ベイはパラマウント社や東芝をかなり厳しく非難し、翌日「流石に言い過ぎた」「私はファンが最も望む形で楽しんで欲しいのだ」と謝罪するに至った[7]

しかし、その後も2008年1月にワーナーがHD DVDでの発売終了し、ウォルマートがHD DVD製品の撤去を発表した際には 「Fat ladyが歌った(HD DVDに終幕が来た)」 「昨年、私が予告したように、HD DVDは緩やかな死を遂げるだろう」などと、自身のオフィシャルブログで度々HD DVDを批判していた[8]

2008年2月にHD DVDが撤退を表明し、パラマウントもブルーレイへの再参入を発表し、2008年6月4日には、9月にブルーレイでも『トランスフォーマー』の発売が決まり、歓喜を露にした[9]

製作作品

映画

題名 役名 備考
監督 製作
1995 バッドボーイズ
Bad Boys
1996 ザ・ロック
The Rock
1998 アルマゲドン
Armageddon
2001 パール・ハーバー
Pearl Harbor
2003 バッドボーイズ2バッド
Bad Boys II
テキサス・チェーンソー
The Texas Chainsaw Massacre
2005 アイランド
The Island
悪魔の棲む家
The Amityville Horror
2006 テキサス・チェーンソー ビギニング
The Texas Chainsaw Massacre: The Beginning
2007 トランスフォーマー
Transformers
Executive
ヒッチャー
The Hitcher
2009 ホースメン
Horsemen
トランスフォーマー/リベンジ
Transformers: Revenge of the Fallen
Executive
13日の金曜日
Friday the 13th
アンボーン
The Unborn
2010 エルム街の悪夢
A Nightmare on Elm Street
2011 アイ・アム・ナンバー4
I Am Number Four
トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン
Transformers: Dark of the Moon
Executive
2013 ペイン&ゲイン 史上最低の一攫千金
Pain and Gain
パージ
The Purges
2014 ミュータント・タートルズ
Teenage Mutant Ninja Turtles
トランスフォーマー/ロストエイジ
Transformers: Age of Extinction
パージ:アナーキー
The Purge: Anarchy
呪い襲い殺す
Ouija
プロジェクト・アルマナック
Project Almanac
2016 13時間 ベンガジの秘密の兵士
13 Hours: The Secret Soldiers of Benghazi
ウィジャ ビギニング 〜呪い襲い殺す〜
Ouija: Origin of Evil
パージ:大統領令
The Purge: Election Year
ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影〈シャドウズ〉
Teenage Mutant Ninja Turtles: Out of the Shadows
2017 トランスフォーマー/最後の騎士王
Transformers: The Last Knight
2018 クワイエット・プレイス
A Quiet Place
パージ:エクスペリメント
The First Purge
バンブルビー
Bumblebee
2019 6アンダーグラウンド
6 Underground
Netflixオリジナル映画
2020 ソングバード
Songbird
2021 クワイエット・プレイス 破られた沈黙
A Quiet Place: Part II
フォーエバー・パージ
The Forever Purge
2022 アンビュランス
Ambulance
2023 トランスフォーマー/ビースト覚醒
Transformers: Rise of the Beasts
2024 クワイエット・プレイス:DAY 1
A Quiet Place: Day One
トランスフォーマー/ONE
Transformers One
7A号室
Apartment 7A
2025 DROP/ドロップ
Drop
TBA
Transformers / G.I. Joe

Skibidi Toilet

OutRun

テレビシリーズ

題名 備考
1985 特捜刑事マイアミ・バイス
Miami Vice
出演
シーズン3の1エピソード
2014-2018 ザ・ラストシップ
The Last Ship
製作総指揮
2014-2017 Black Sails/ブラック・セイルズ
Black Sails
2018-2019 ジャック・ライアン
Tom Clancy's Jack Ryan
パージ
The Purge
TBA
Skibidi Toilet
製作

CM

企業名 商品名 主演
2012 アサヒビール スーパードライ 福山雅治

MV

曲名 バンド名 備考
2001 "There You'll Be" フェイス・ヒル パール・ハーバー』のテーマ
1997 "Falling in Love (Is Hard on the Knees)" エアロスミス 『アルマゲドン』のテーマ
1994 "Objects in the Rear View Mirror May Appear Closer Than They Are" Meat Loaf
1994 "Rock and Roll Dreams Come Through" Meat Loaf
1993 "I'd Do Anything for Love (But I Won't Do That)" Meat Loaf
1992 "You Won't See Me Cry" Wilson Phillips
1992 "Do It to Me" ライオネル・リッチー
1992 "Love Thing" Tina Turner
1991 "I Touch Myself" Divinyls
1989 "I'll Be Holding On" グレッグ・オールマン ブラック・レイン』のテーマ
1989 "Angelia" リチャード・マークス
1989 "Soldier of Love" Donny Osmond

脚注

外部リンク


マイケル・ベイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 02:12 UTC 版)

バッドボーイズ (1995年の映画)」の記事における「マイケル・ベイ」の解説

監督のマイケル・ベイはこの作品一躍有名になり、ハリウッドの有名監督として名を連ねることになる。「トランスフォーマー」でスティーヴン・スピルバーグタッグを組むまでの12年間、自身全ての監督作ドン・シンプソンドンとは「ザ・ロック」製作中死別)とジェリー・ブラッカイマートリオで「ザ・ロック」や「アルマゲドン」などを手掛けていくことになる。

※この「マイケル・ベイ」の解説は、「バッドボーイズ (1995年の映画)」の解説の一部です。
「マイケル・ベイ」を含む「バッドボーイズ (1995年の映画)」の記事については、「バッドボーイズ (1995年の映画)」の概要を参照ください。

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